おいでよ!名古屋みゃーみゃー通信 第3章 名古屋の企業

世界を熱くするのも冷やすのも

記事公開日:2004年7月31日

おいでよ!名古屋みゃーみゃー通信 第34回

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 以前、名古屋御三家ということで「東海銀行、名古屋鉄道、中日新聞」をご紹介しましたが、ここから中日新聞を抜き、松坂屋、中部電力、東邦ガスを加えた「名古屋五摂家」という言葉があります。

 現在では、トヨタ自動車が名古屋を代表する企業として扱われるようになりましたが、長い間名古屋の財界を牽引してきたのはこの「名古屋五摂家」です。名古屋っ子の松坂屋信仰については以前触れましたので、残る中部電力と東邦ガスについて見てみましょう。

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名古屋五摂家の内紛?

 中部電力と東邦ガスは、地域のエネルギー会社として長年安定した立場を保持してきましたが、近年状況は変わりつつあります。まず中部電力ですが、電力の自由化により、今後は関西電力など他地区の事業者が名古屋に進出したり、他業種の電力事業参入などが認められるようになり厳しい時代を迎えました。そこでオール電化やエコアイスといった、今までガスが役割を担ってきた部分に、電気を使ってもらおうという動きが加速しています。

そういう時代とはどういう時代

 オール電化住宅は、電磁調理器や電気温水器など家中のエネルギーに全て電気を使い、ガスを全く使わない住宅です。そのためガス会社と契約する必要が無く、ガスの基本料金もかかりません。中部電力はオール電化の推進に躍起になっていて、CMでも盛んにアピールしています。

 火を使わないから電気料金だけでいい、ですとか火を使わないから安全などなど。そして「そういう時代でしょ」と「火=ガス」を使うことは時代遅れであるかのように言い放ち、火を投げ捨てたりしています。

中部電力
▲中部電力寛政変電所。「♪毎日電気が使えるように毎日~どこかで...」

 対する東邦ガスももちろん黙ってはいません。ガスで電気を作る「エコウィル」のCMでは、ガスで電気を作ることはできても、電気でガスを作ることはできないということをアピールしたり、東邦ガスのショールームでは電磁調理器とガス調理器を並べ、その火力の違いにより料理の仕上がりを実際見比べてもらうといったことをしています。合言葉は「ガスはすごいことになっている」。CMには中村雅俊氏を起用し、ガスはすごいというイメージの定着に努めています。

かつては尾張だけだった東邦ガス

 かつて東邦ガスは、愛知県尾張地方の一部というエリアにとどまっていましたが、岡崎ガス、岐阜ガス、合同ガスと合併したことで愛知県尾張、西三河、岐阜県美濃、三重県北勢、中勢地区をカバーする都市ガス会社となりました。しかしまだ愛知県内には中部ガス、犬山ガス、津島ガスがカバーしている地域もありますし、電力と違い全ての家庭をカバーしているわけではなく、プロパンガスを利用している地域もあります。

ですので中部電力と東邦ガスは真っ向勝負とはなりません。そう考えると、現在のCM戦略は東邦ガスに軍配を上げたいところです。

東邦ガス
▲東邦ガス守山供給所。「♪シュビドゥビドゥワ~、シュビドゥビドゥワ~」

ガス会社を応援する名古屋企業

 電力会社やガス会社はどこの地域にもあり、どこの地域でも電気対ガスという戦いが繰り広げられています。この戦いについて、どうしてもガス会社に負けてもらっては困るという企業が名古屋にはあります。パロマ(瑞穂区)とリンナイ(中川区)です。先に誕生したのはパロマでした。

まずはパロマが創業

 名古屋で初めてガス灯が設置されたのが1907(M40)年。横浜に日本で最初のガス灯が点火されてから、既に35年の月日が経過していました。そしてその4年後の1911(M44)年、名古屋市古渡町にて小林瓦斯電気器具製作所が創業しました。その後1931(S6)年には小林製作所と社名を変え、戦後はガスストーブ、ガスレンジ、ガス湯沸器と製造品種を広げていきます。

 1964(S39)年に製造部門をパロマ工業株式会社に分離独立、翌年販売部門として株式会社パロマを設立しています。

 小林製作所だった1952(S27)年に全国進出を決め、現在では北海道から沖縄まで販売ネットワークを広げ、さらに1988(S63)年には全米第1位の給湯器メーカーであるリーム社をパロマグループの傘下に収め、アメリカに5工場、カナダに2工場、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランドに各1工場という体制を確立。パロマグループは、ガス給湯器部門で世界最大級のメーカーにまで登りつめました。

 かつてナゴヤ球場には、やたらと「パロマ・パロマ・パロマ」という文字が躍っていたのを記憶しておられる方もいらっしゃると思いますが、今や名古屋のパロマから世界のパロマとなりました。

林内・リンナイ

 対するリンナイは、ガスコンロの製造・販売会社として1920(T9)年に創業。当初は「林内商会」という名称でした。創業から3年後の1923(T12)年には全国のガス会社へガス湯沸器などの納入を開始し、同時に輸出を開始します。戦後はドイツのシュバンク社と技術提携し、線ガスバーナー、ストーブなどを開発していきます。そして石油コンロ・ガスコンロについてJIS表示を日本で初めて許可されます。

 1971(S46)年、現在の社名であるリンナイ株式会社に社名を変更し、オーストラリア、マレーシア、韓国、アメリカと海外現地法人を次々と設立していきます。現在ではさらにニュージーランド、インドネシア、タイ、シンガポール、ベトナム、中国とネットワークを広げこちらも世界的なガス機器メーカーとなっています。

 日本を代表する世界的なガス機器メーカー2社は、いずれも名古屋を発祥としています。元は名古屋でライバルだった会社が、今日では世界を舞台にしのぎを削っているのです。

ストーブならトヨトミ

 さて、パロマがある瑞穂区桃園町の町内には、ガスではなく石油をエネルギーとした暖房機器や給湯器を製造しているトヨトミがあります。ストーブメーカーと言うと、新潟県に本社を置くコロナやダイニチのように寒い所にあるイメージがありますが、トヨトミという会社名の時点でこの会社が名古屋の会社であることに気付くのは、やはり名古屋っ子でしょう。もちろん豊臣秀吉にあやかっているわけです。

 トヨトミは、1949(S24)年に豊臣工業株式会社として設立され、石油コンロやストーブの製造を開始しました。私が通っていた小学校にあったストーブは全てトヨストーブでした。トヨトミの販売ネットワークは北海道から九州まで整備され、アメリカにも進出。現在トヨトミはトヨストーブで部屋を暖めるだけではなく、冷房まで手がけています。

桃園町
▲瑞穂区桃園町です。奥はトヨタではなくトヨトミ。

全国の鮮度を保ちます

 冷やすといって忘れてならない名古屋の企業があります。ホシザキ電機です。ホシザキのシンボルマークはペンギンですが、飲食店でアルバイトをしたことがある方なら見たことがある方が多いと思います。厨房機器、特に製氷機や大型冷蔵庫をホシザキは得意としています。マークにペンギンを採用している所からもそれは推察できます。

 現在、ホシザキ電機は愛知県豊明市に本社を構えていますが、創業は1947(S22)年のことで、場所はなんとパロマやトヨトミと同じ瑞穂区桃園町でした。ちなみに桃園町にはブラザーの工場もあり、わずか200メートル東にブラザーの本社もあります。瑞穂区には世界的な企業がたくさんあるということになります。

 さてそのホシザキですが、やはりここもかつては星崎電機株式会社という社名でした。昔から冷却機器を製造しており、日本で初めてジュースの自動販売機を開発しました。その後は製氷機、業務用冷蔵庫と製造分野を広げ、さらには冷却だけでなく他の飲食分野にも進出。ハンバーガーの自動販売機の製造を開始し、業務用食器洗浄機を開発します。

グローバルだからカタカナに

 1989(H元)年にはホシザキ電機に社名を変更し、そしてやはり海外に進出、アメリカ、ヨーロッパ、シンガポールに続々と現地法人を設立していきます。現在では厨房機器のパイオニアとして世界的に知られるメーカーとなりました。

 パロマ、リンナイ、トヨトミ、ホシザキ、これらのメーカーがなぜカタカナ表記なのか、それは世界に進出しているからです。小林製作所からPaloma、林内からRinnai、豊臣からToyotomi、そして星崎からHoshizaki。

 名古屋から世界へ。物作りの街名古屋の製品は世界でも通用するのです!同様に名古屋という都市自体も世界に通用する都市にならなければならないのです!それは当たり前のことなのです!

 あ、すみません。瞬間湯沸器のようについつい熱くなってしまいました。製氷機で頭を冷やしてきます...。

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▲「♪空飛ぶペンギンマーク...」あ、これは違う会社のCMソングだ。「♪ホシザキー」のほうね。最近聞かないけど。

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