イベントレポート

名古屋からできること-復興のこいのぼり2014inオアシス21

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★まもなく東日本大震災から3年
★名古屋から発信・名古屋へ発信
★名古屋から東日本を元気にするために

 まもなく、あの東日本大震災から3年を迎えます。東海地震をはじめ、連動地震の被害が想定されている名古屋にとってそれは他人事ではなく、忘れてはいけないことであるとともに、元気な名古屋だからこそ、東日本に向けてできることがあるはずです。しかし、肩肘張って、思い切っての復興支援となると、日常生活に追われる中で、なかなか腰をあげることができないということになってしまいがちです。そうではなく、普段からできることがある。名古屋だからこそできることがある。忘れないために...。そんなイベントが6日、栄のオアシス21で開催されましたのでレポートします。

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復興のこいのぼりとは

 今回のイベントは「復興のこいのぼり2014」。オアシス21の銀河の広場には、世界最大級となる14メートルのこいのぼりが2匹展示されました。このこいのぼりは、名古屋の伝統技法である結(ゆい)ともよばれる「鳴海絞」で作られたものです。そんな伝統の名古屋のこいのぼりが福島県須賀川市にわたり、中学校の生徒や須賀川市長を含め、多くのメッセージをたずさえて名古屋に帰ってきて、空を泳いだのです。

 まさに、名古屋と福島を結ぶこいのぼり。でも、こいのぼりにはちょっと季節が早いのではないか...と思われるかもしれません。そう、このこいのぼりはこのあと再び福島へとわたり、シーズンには福島県須賀川市の空を泳ぐことになっています。

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 会場には「3.11を忘れない名古屋からのメッセージ」として大懸垂幕が掲げられる予定でした。半分は名古屋から福島へのメッセージを、そしてもう半分には福島から名古屋へのメッセージが書き込まれたものです。ところが、この日は強風で吊り下げることができず、床面への展示となりました。逆にそのことで、多くの人がその幕に書かれたメッセージを見ることができ、読んでいる人の姿も多く見られました。もちろん、私もメッセージを書かせていただきました。

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大村愛知県知事も登場

 このイベントは、東日本大震災のことを風化させたくないという思いから、名古屋を中心に活動されている、書道作家の一ノ瀬芳翠先生が主催されているもので、今回で4回目になります。その主旨に多くの方が賛同し協賛しており、巨大こいのぼりに使用された鳴海絞も、老舗の近清商店が提供されたものです。

 同じく、主旨に賛同した大村愛知県知事もステージにあがられ、このイベントの意義、また、愛知からできる復興支援といったお話をされました。まさにオール愛知で東日本の復興を応援したい、そんな気持ちが伝わってきました。

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子どもたちによるキッズパフォーマンス

 知事の言葉に続いて、MINATOバレエによりますキッズパフォーマンスです。3歳から小学4年生までの子どもたちによるバレエのかわいさに、多くの人が足を止めて見入っていました。また、NHKの復興支援ソング「花は咲く」に乗せて、手に大きな花をもってのパフォーマンスは、まさに名古屋から東日本の復興を応援する姿に重なり、私たちにできる手の差し伸べ方とは何か、考えさせられました。

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書と音楽の融合・書道パフォーマンス

 つづいては、書道パフォーマンスの魁として活動を続けている、一ノ瀬先生によるパフォーマンスです。最長12メートルの一辺による三角形が2枚繋がった鳴海絞に、大きな筆で文字が書かれてゆきます。

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 今回揮毫されたのは「一心繋」の三文字。心をひとつに繋ぐ。まさに、名古屋と東日本を心で繋ぎたい、そんな先生の思いが伝わってきました。なぜ、書道作家の先生がこのようなイベントを毎年開催し続けているのか。その思いがこめられた三文字でした。

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 その先生の書道パフォーマンスにあわせて、篠笛とピアノによる明治大正ロマンポップスユニット「星空ラマン」による演奏もステージ上で繰り広げられ、文字が書かれていく勢いとその音楽の融合もまた新しい試みとなっていました。

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実際に福島の声を名古屋に届けるトークショー

 東日本の復興に名古屋から手を差し伸べたい...。そうは思っても、では、具体的にはどうしたらいいのか。そんな疑問に答えるため、このイベントではトークショーも開催されました。実際に福島の方の声を聞くことで、本当に復興のためになる、名古屋からできることとは何か。

 トークショーには、福島県から福島県名古屋事務所の古俣勝也所長、須賀川青年会議所の須田智博前理事長、JAすかがわ岩瀬「ファーマーズマーケット・はたけんぼ」の企画部マネージャー澤山聖美さんが。そして名古屋からは書道作家の一ノ瀬芳翠先生と、タレントの宮本忠博さんが参加し、今、名古屋からできる復興支援とは何かが語られました。

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 この日は気温も低く風も強く、福島よりも寒いのではないかと感じられたそうです。福島から今、名古屋の人にしてほしいこととは...。

・福島に遊びに来てくれたり、福島のものを食べてくださること
・福島を想い続けてくださること
・何かできるかを聞いてくださること

 福島から出荷される農作物は、通常よりも厳しい検査を経て出荷されているということのお話もあり、この日は須賀川から「おいしいセット」も登場し、お値打ちな価格での販売もあり人気を集めていました。

 復興支援といいますと、どうしても力が入ってしまいますが、福島のものを食べたり、福島に遊びにいったり、福島のことを思い出したり、何かできることがあるかと聞いてみる、そういったことが支援になるということですね。日常のなかでできることをするだけでも、それが支援に繋がるというわけです。

 なお、中日ビルにある福島県名古屋事務所では14日(金)まで、被災地・福島の3年間の歩みを映した写真展が開催されており、すべて福島県民が撮影した写真、約50点が展示されています。復興に向かうその力を写真から感じることで、逆に名古屋の私たちが得られるものもあるはずです。

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星空ラマンの演奏で...

 ラストは再び、篠笛とピアノによるユニット・星空ラマンの演奏でイベントは締めくくられました。篠笛は、よく祭囃子などでもその音色を聞くことがありますが、お盆に聞く篠笛には失った命への鎮魂の意味も籠められています。その深い音色からは、東日本で失った多くの命への鎮魂とともに、距離は確かにありますが、名古屋から思いを馳せることで繋がることがある、そんな気持ちにさせてくれるものがありました。

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 このイベントには多くの方が協賛、協力をしており、PAを担当していたKAZ Communicationsの赤田氏もそのなかの1人。以前はラジオ番組の制作にもかかわっており、現在は全く違う仕事をされているのですが、今回はその昔取った杵柄で、ラジオっぽい凝った選曲でイベントを盛り上げていました。

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 4回目となった「復興のこいのぼり2014」。書道作家である一ノ瀬先生の呼びかけによって、一個人の主催でありながら、その主旨に多くの人・企業が賛同し、県知事までもがその思いを言葉にするためにやってきました。さらには、当日朝にはNHK名古屋の番組で告知され、このイベントの様子もNHK名古屋のラジオ生放送で触れられたほか、テレビの取材も入っており注目を集めていました。

 遠く離れた名古屋、でも、そんな名古屋だからできること、名古屋として学ぶこと、名古屋としてしなければならないこと、たくさんあるはずです。大きなことでなくてもいい、小さなことでもいい、大切なのは忘れないこと、繋がっている、繋がり続けるということ。今回の復興のこいのぼり2014は、多くの名古屋の人々にその気持ちを伝えるものとなったのではないでしょうか。

取材協力

主催・一ノ瀬芳翠

オアシス21(名古屋・東区)

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