広告

車とコーヒーと喫茶店 スタバにダメ出しするけどカッコいいから行く

広告

おいでよ!名古屋みゃーみゃー通信 第10回

イラスト

 名古屋は車社会-。

 名古屋が如何に車の街かということを、いくつかデータで見てみましょう。

 自家用車数が全国一であることは既にご紹介しましたが、他にも車社会を示す数字があります。まずは、国道、県道、市区町村道を合わせた一般道路の実延長です。1位はもちろん面積が広く道路が長い北海道で86,737kmです。そして2位の茨城県に次いで愛知県は3位の47,810kmとなっています。

名古屋っ子は車が大好き

 都道府県の面積では愛知県は47県中27位なので、面積の割に道路が張り巡らされていると言えます。また87.7%が舗装されており、こちらは11位となっています。(国土交通省H13年資料より)

 さらに、名古屋市の都心にある横幅が100m以上の「100メートル道路」をはじめ、名古屋市内を走る国道は片側3車線も珍しくありません。道路の長さと横幅をかけた総面積で見れば愛知県がトップのような気もするのですが、そういったデータは算出されていないのでわかりません。

受難な歩行者

 しかし、道路の幅を100mにしてその中央を公園にするというアイデア、確かに都市の緑化や景観には良いかもしれませんが、歩行者の立場ではたまったものではありません。一回の青信号で渡るためには当然小走りにならなくてはなりません。普通に歩いていると中央分離帯兼公園に取り残されます。そこはトイレも完備されているために、たくさんの路上生活者が住んでいるという状態になっています。

 他に、12時間で1キロメートルあたり何台の車が通るかという調査があります。東京・大阪とも約4,600台なのに対し、愛知県は5,700台もの車が走っています。(国土交通省H11年資料より)東京や大阪よりも車が多いにもかかわらず、道路がスムーズに流れているのも道幅が広いお陰かもしれません。

イラスト
▲100m道路の横断歩道、そこは戦場だ。

名古屋の電車は輸送能力が低い

 一方、鉄道に関するデータを見ますと、鉄道の起点としての旅客輸送量は1位が東京、2位神奈川、3位埼玉、そして4位が大阪、5位千葉…と関東、関西勢が続くのですが、まだ愛知は登場しません。さらに、6位が兵庫、7位が京都と続き、愛知県は8位でです。

 逆に着点としての輸送量は7位です。どちらにしても、愛知県に出入する鉄道の輸送量は都市規模の割に低いと言うことができます。それでも県内に限った輸送力では4位となっています。(国土交通省H13年資料より)

 これらのデータを見ましても、やはり愛知県は車社会であると言えます。そうなると、通勤や業務にも電車ではなく車を使うことになります。名古屋市内でさえ自動車通勤率は6割を超えており、郊外となればさらに割合は増えます。

とはいえ都心部への通勤は電車

 しかしさすがの名古屋っ子も、ビジネスや通勤でお得意の「名古屋時間」を使いルーズということはありません。だからと言ってこれだけ車が多ければ、いくら道幅が広く東京や大阪よりもスムーズだと言っても渋滞が問題にならないわけではありません。

 特に朝、夕の通勤ラッシュの時間帯になりますと、市内各所で渋滞が起こり巻き込まれれば大幅に予定が狂ってしまいます。

渋滞に巻き込まれないためには

 では名古屋っ子は、時間に遅れないようにどのような対策をしているのでしょうか。

 東京や大阪からの転勤者が名古屋にやってきて驚くのが地元民の出勤時間の早さです。始業が9時の会社であっても、8時前に会社にやってくる人が結構います。忙しい会社では業務を早くこなしたいために早朝出勤をしている場合もありますが、そうではなく、ただ朝早くやってきて9時まで延々新聞を広げている人がいます。

 これらの人は大抵が自動車通勤です。朝は時間を追うごとに渋滞が酷くなるために、出発が5分遅れただけで到着が30分以上遅れてしまったりすることはザラです。そのため、名古屋っ子はまだ渋滞が発生しないうちに家を出るのです。

 さて、こうやって朝早く出勤してきた人のなかで、会社の駐車場に車を入れたにもかかわらずそのまま社内に入らない人がいます。なぜか喫茶店へと向かうのです。

会社に行く前にまず喫茶店

 私はずっと当たり前だと思っていたのですが、名古屋の喫茶店は大抵朝6時、遅くとも7時には開店します。東京などではもっと遅いらしいですね。渋滞を避け、朝早く出勤してきた人達は会社近くの喫茶店で無料のモーニングを食べる。これが名古屋の朝なのです。

 もちろんそこでは、壮絶な「中日スポーツ」争奪戦が繰り広げられます。喫茶店によっては中日スポーツを複数部とっているところもあると言います。

 さらには、営業活動など日中業務で移動する場合にも名古屋ではやはり車が主流なため、渋滞を考慮したうえでアポイントの時間に遅れないように移動します。そのため渋滞しなかった場合はやはり、客先近くの喫茶店で時間調整することになります。少し規模の大きい会社であれば、社内に社員用の食堂とは別に歓談・商談用の喫茶店を完備しているところも多いのです。

日本で最も喫茶店に通う人々

 喫茶店の数としては21,071店と47県中3位に留まっていますが、2位の大阪とは278店舗差と肉薄しています。(H12年厚生労働省調査)次に、どれだけ喫茶店に行くのかを示す、1世帯あたりの喫茶代を見ますと、全県庁所在地中1位は岐阜市で18,009円。そして2位が名古屋市の11,424円です。3位の神戸市が8,653円で全国平均が5,231円ですから、いかに名古屋っ子が喫茶店に通っているかがおわかりになると思います。(H13年総務省資料)

 車での移動の時間調整に使われるということはもちろん、名古屋の喫茶店は大駐車場を完備しています。また名古屋では喫茶店の競争が激化しており、先程も書きましたが無料のモーニングサービスが当たり前のものとなっているのです。名古屋では平日・日曜問わず、午前10時か11時頃まではコーヒーを頼んだだけでモーニングセットがついてきます。

トースト・サラダ・ゆで玉子はどこの喫茶店でもつきます。さらに、おにぎりや味噌汁、茶碗蒸にサンドイッチ、はたまたバイキングがコーヒー代のみで食べられるところもあります。そしてとうとうモーニングサービスをフルタイムでやっている喫茶店も登場しています。

休日の朝は家族揃って喫茶店

 そのため仕事での時間調整だけでなく、日曜朝も家族揃って車で喫茶店というのが名古屋スタイルです。私は学生時代、友達と徹夜明け平日の朝6時半に、友達が一人暮らしをしていたワンルームマンションの近くにあった田んぼに囲まれた1軒の喫茶店に入った際、既に満員だったことに驚かされたことがあります。

たまたま団体さんでも来ていたのかと最初は思ったのですが、何度行ってもいつも満員でした。「タダ(無料)の朝ごはん」は、ケチな名古屋っ子にとって魅力的なものなのです。コンビニで缶コーヒーと菓子パン1個を買うのと同じ金額で、喫茶店のコーヒーと焼きたてのトースト、ゆで卵にサラダが食べられるわけですからどっちを取るかと言えば絶対に喫茶店なのです。

コメダ
▲「コメダ珈琲店」おつまみのピーナッツはもちろん無料。

コーヒーが好きなわけではない

 だからと言って、名古屋っ子は決してコーヒー自体が好きなわけではないようです。1世帯あたりのコーヒーについての消費額は47県庁所在地中25位となっており、(H13年総務省資料)家でコーヒーを飲むということはほとんど無いようです。

 渋滞を避ける時間潰しと、激しい喫茶店の競争、そしてタダが好きな名古屋っ子気質があいまって、名古屋の喫茶店文化は他の地域には見られない発展をしています。

 結構他の地方の方に驚かれるのが、名古屋の喫茶店はコーヒーを注文するとピーナッツなどのおつまみが必ずついてくるということです。そのため、

「スターバックスなんていかんわ、コーヒー頼んでもなんにも出てこーせん。」

 と名古屋っ子は文句を言います。

クリエ
▲名古屋のスタバ?「カフェ・ド・クリエ」さすがにつまみは出ません…。

 でも、都会っぽくてカッコいいからという理由でスタバにも行くのが、名古屋っ子です。

関連情報

コメントはこちらから

Loading Facebook Comments ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました