コンビニのオープンで目撃!名古屋の開店花争奪戦

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  • この地方を代表するコンビニといえばサークルK
  • 朝7時のオープンを前に続々と集まる…
  • 争奪戦はわずか5分で終焉を迎えた

 名古屋を代表する家電量販店がエイデン(現・エディオン)であり、
 名古屋を代表する銀行が東海銀行(現・三菱東京UFJ銀行)であり、
 名古屋を代表するスーパーがユニー(現・アピタ/ピアゴ)であるように、

 名古屋を代表するコンビニエンスストアといえば、そう、サークルKです。

 そんなサークルKの新店オープンを見に行ってきました。そこで見たものとは、そう、開店花の争奪戦です。それはわずか5分の出来事。この地方で開店日のお店に花がそのまま飾られていることは、縁起の悪いことなのです。

開店前に駐車場は満車・そのワケは

 やってきましたのは岡崎市。JR岡崎駅から東へ歩いて10分ほどのところ。国道248号から少し入った、小学校の横にオープンするサークルKです。この日、開店時間は午前7時の予定ということで、その少し前にやってきたのですが…。

 もちろん、新たにコンビニがオープンするわけですから、クーポン券つきのチラシをご近所に配布はしていたようですし、告知はしっかりしていたのでしょう。とはいえ、こう言ってはなんですが、オープンするのはコンビニです。限定数の破格の目玉商品がある家電量販店やホームセンターではありません。なのに、です。

 朝6時50分の時点で駐車場は満車。車を止める余地はありません。そう、お目当ては「花」です。

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自然と縄張りが生まれ…待機

 お店のオープンには、各所からお花が贈られます。このサークルKにも、たくさんの花が届けられていました。お店の前には、開店を祝うスタンドの花がずらり、そうですね、20くらい並んでいました。

 見ますと、駐車場を満車にしている車に乗ってきたと思われる、主にご婦人方がお店の前に等間隔に何をするでなく立っています。互いを牽制するわけでなく、仲間でもなく、距離を取りながらそれぞれのスタンド花に1、2人ずつ、まるで配置されたのかのように陣取っています。

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あいさつが始まると…

 駐車場も満車、人もたくさん集まってきたということもあり、開店の5分前。この新しいサークルKのオーナーからの挨拶が始まりました。地域の人に愛される、地域に根付いたお店になるといいですね…。ふと周囲を見ますと、ご婦人方の手がスタンバイされています。それはまるで花を守るディフェンスかのように見えますが、実際はオフェンスです。

 そうです。このオーナーの挨拶が終われば、お店はオープンです。オープン、それは試合開始の合図です。

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開店時間にはもう無い

「開店です!」の声とともに、関係者の拍手…をよそに、そのご婦人方の手は花へ。まさに、あれよあれよという間に、花のスタンドは坊主に。

 所要時間はわずか5分。開店5分前にオーナーが挨拶をしたため、開店時間である午前7時には、まあすっかり、お店の前にはスタンドだけが置かれた状態に。でも、名古屋をはじめとするこの地方ではこうでなくてはいけません。

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 これまでにも、コンビニやカメラ店、レンタル店や個人商店など、開店日にお店に訪れたことはありましたが、花が飾られているのを見かけたことはありません。パチンコ店など、いつも新装オープンしているようなお店は、花は造花なうえに、ビニルで覆う形になっていて、花がとれないようになっていまして、そういうタイプしか、ずっと花が飾られている姿は見かけたことがありません。

 それもそのはず、開店時刻には既にもう花は無いわけですからね。この地方では、開店花は持っていっていいことになっているといいますか、むしろ逆で、もっていかれずに開店日の午後にまで花が残っているような店は、今後も繁盛が見込めないといわれてしまうほどです。

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 ですから逆に、この地方から関東へ進出していったチェーン店の場合、関東で開店花が夕方まで残っていたりすると、この地方出身の店長が青ざめてしまう…なんてことになるのです。

 名古屋以外でもこういった風習のある地域はあるようですが、基本的には、お店側が「ダメ」だと言ったらダメで、窃盗になってしまいますのでそこはご注意ください。

 名古屋ではお葬式の花も持っていったり、配ったりしますものね。愛知県は花きの生産量が日本一ということもあり、家に花を飾りたい、花好きのご婦人が多いのでしょうね。でもやっぱり、ケチですから…。

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 ということで、わずか5分で開店花がすってんてんになったこのサークルKは繁盛間違いなしでしょうね。お近くにお立ち寄りの際はぜひご利用ください。

 まあ、花が持っていかれるというのはわかっていたことなんですけど、何ていうのでしょうね。花を贈った側としては、ちょっと複雑な気持ちもあったりなかったり…。いえいえ、花があっという間に無くなることで、友人がオーナーとなったお店が繁盛してくれるのであれば!それが一番の願いですからね。

この記事を書いた人
TOPPY/川合登志和

記事や脚本を書いたり、名古屋のラジオやテレビの構成作家をしたり出演したり、地域のFMラジオで喋ったりディレクターしたりミキサーしたり、講師したり、サイト作ったりしてます。

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コメント

  1. ネモッチ より:

    『秘密のケンミンSHOW』の辞令は突然にでも取り上げられていましたが、このレポートを見ると事実だったのかと感じます。
    別にケンミンショーがウソをついているとは思っていませんが、ちょっと他地域では考えられないので、やはり驚きますね。

  2. トッピー@管理人 より:

    >ネモッチさま コメントありがとうございます
    そうですね。ケンミンSHOWは多少大げさだったり、
    一地域の風習を全体のように扱う部分もありますが、
    この花の風習に関しては、この地方全体で共通していますし、
    実際にどこにでもご婦人方は現れますからね(笑)
    名古屋以外でも、長崎などでもこの風習はあるそうですよ。

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