岐阜県可児市在住の相方が「テレビでおいしそうなお店を紹介していたから、ランチを食べに行こう」というので、可児の広見地区へと車を走らせました。「確かゆとりピアの近くって言ってたよなー。あ、あった。」と相方が指さしたのは、この7月に新社屋を建設したケーブルテレビ可児。
ケーブルテレビ可児は、名古屋のベッドタウンとして発展著しい岐阜県可児市をサービスエリアとして、1992(H4)年に設立された会社で、これまでは可児市総合会館の一角に本社とスタジオがあったのですがこの7月、可児市の中心部である広見に新社屋を構え、さらに可児市と美濃加茂市をカバーするコミュニティFMラジオ局「かにかも放送(FMでんでん)」と同居することとなり、可児市のメディアが集約された地域の情報の拠点ともいえる施設が誕生したのです。
ケーブルテレビ可児が新築移転
ケーブルテレビ可児はこれまでビルの一角にあったことから、コミュニティチャンネルで流れる自社製作の番組を見ていると、スタジオの狭さなどがひしひしと伝わってきました。また、FMでんでんは日本ライン今渡駅の近くのビルに入っており、開かれたラジオ局を目指しているとは言っているものの、なかなか気軽に立ち寄れるという雰囲気ではありませんでした。ケーブルテレビとコミュニティFMはともに地域に根ざした放送を目指すという共通の目的から、経営母体が一緒だったりすることがありますが、この両社はそういった関係ではなく全く独立した存在だったのですが、その両社が、今回一緒の建物に入ることになったのです。
コミュニティラジオ局・FMでんでん(かにかも放送)
入口から入ると、まず目に飛び込んでくるのがFMでんでんのスタジオです。この日はワンマン放送で、喋り手さんは機器の操作をしながらトークと、忙しそうな様子でした。スタジオとミキサーは仕切られておらず、ワンマンスタイルにも大人数での放送にも対応できるようになっていました。
ラジオのスタジオの前には座れるように長椅子がいくつか置かれており、ここでラジオの放送を耳にしながら、スタジオの様子を見ることができます。もしも、有名なゲストが来訪なんてことになると、まるで東京のスペイン坂のように、有名人を目の当たりにすることができるというわけです。そういう機会があるかどうかは置いておいて。
ラジオ・テレビ兼営局のようです
そしてその長椅子の先には、ケーブルテレビのスタジオスペースがあります。天井からは大きなライトがいくつも吊り下げられ、セットの横には巨大なハイビジョンモニターがあり、横浜にある県域テレビ局のオープンスタジオと見間違うような立派さです。ここで公開番組収録などが実際に行われるとのこと。とても開放的です。
まるでラジオ・テレビ兼営の県域民放のような雰囲気です。そして2階にケーブルテレビ局の本社機能や受付があります。日曜や祝日にも窓口を開くとのことで、とても便利です。
これまで私は、可児を通りかかるときには、FMでんでんの放送を車でよく聴いていましたし、相方の家で映るので、ケーブルテレビ可児のコミュニティチャンネルを見る機会はあったのですけど、この変貌振りには驚きとともに、今後への期待が高まります。番組制作の環境は一変したといったも過言ではないでしょう。
あれ?思わず放送局見学をしてしまったのですけど、今日は確かランチを食べに来たのでは?
放送局にランチを食べにきたのです
実は、この放送局の1階に、誰でも立ち寄ることができる「sweet cafe chiocciola(キオッチョラ)」があるのです。
※「スイートカフェ・キオッチョラ」は、2009(H21)年12月27日より当面の間休業となりました。
このケーブルテレビ可児の新社屋のコンセプトは、「ランドマークになるような建物を目指し、地域の人たちにも気軽に立ち寄ってもらいたい」なので、駐車場も広く、利用しやすいですし、このようにカフェを構えているのです。
店内はとても明るくて、さすがインターネット事業もやっている会社です。無料でインターネットを利用できる一人用の座席もあります。しかもランチはサラダ付で714円と大変お値打ち。相方はランチを注文。この日はデミグラスチーズオムライスでした。
私はスモークサーモンとホウレン草のクリームソースを注文。パスタには全てサラダがついています。しかもセットドリンクは105円とこちらもお値打ち。他にもスモールパフェセットもあります。
このクリームソース、ダシがよく効いているのかなぜかちょっと和風な味の感じもして、スモークサーモンととても合いました。そしてオムライスはチーズと卵がトロトロ。
すると相方が近くの女性に話しかけられました。それは相方の母親の友だち。偶然居合わせていたのでした。さすが超地元民。地域の人たちに気軽に立ち寄ってもらえる施設に既になっているようですね。
さて、このお店の名前「chiocciola(キオッチョラ)」はイタリア語でカタツムリ。つまりでんでんむし。そしてイタリア人は@(アットマーク)のことを、キオッチョラと呼ぶのです。なので、お店のトレードマークはアットマークを背負ったでんでんむしとなっています。
どちらもでんでん
ラジオ局の名も「FMでんでん」で、トレードマークはアンテナのついたでんでんむし。ということで、建物に入っている会社を案内している看板では、2匹のでんでんむしが行きかっています。
イタリア料理で、でんでんむしでインターネットもできてアットマーク。全てがうまく絡み合っていますね。
ところで、「どうして、可児市と美濃加茂市をカバーするかにかも放送は、『FMでんでん』って愛称なんだろう。可児ってかたつむりと何か縁があるの?」と相方に振ってみると、「そういうことを詮索すること自体がナンセンス」と言われてしまいました。
「うーん、でも、何らかの理由はあると思うんだけどなー。可児とかたつむり、可児とかたつむり」と私が言っていると...。
「だったら、カモがカニ背負ったキャラのFMかにかもだったら満足なの?」と一蹴されてしまいました。
いや、そういうことじゃないんだけど...。詮索は無用...か。
そういえば昔、可児に「カニカニクラブ」なんてゲームセンターがあったことをふと思い出しました。まあ、この場合は可児とカニとクラブがかかっているわけ...って説明する必要もありませんね。
まあとにかく、ランチと放送局見学が一緒にできてとても興味深かったです。ケーブルテレビ局は営業窓口もあるので、自由に来訪できるように受付を構えているところは多いですけど、放送局自体におしゃれなカフェを構えるというのは、この地方では新しいですね。私は毎週可児に行きますし、おいしかったので、また立ち寄りたいと思います。
関連情報
ケーブルテレビ可児
かにかも放送(FMでんでん)
ハッピーダイアリー(FMでんでんのDJさおりさん)
オオカワミュージックオフィス