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今、聞きたいチベットのこと-強巴林(チャンバリン)

記事公開日:2008年4月11日

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 チベット問題をめぐり、連日ニュースで様々なことが報道されていますが、チベットが今どうなっているのか、そもそもなぜチベットは中国なのかも理解できていなかった私ですが、この問題が重大な問題であることはすぐに理解できました。そして、私はこの問題に関して、あまりにも無知であるということを痛感しました。

 名古屋には、日本で唯一のチベット仏教寺院があります。何かお話が聞けるのではないかと思い、訪れてみることにしました。そこで、チベットの方の生のお話を伺うことができました。実情は、今、同じ地球上で起きていることなのかと、唖然としてしまうほどのもので、このままではチベット文化が消滅してしまうのではないかと思えるほどでした。

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日本人唯一のラマ僧のお寺

 守山区にある倶利加羅不動寺。このお寺は、倶利迦羅不動明王を本尊として祀っています。ダライ・ラマ法王が亡命した後に、チベットにおいて仏教の最高権威であったボミ・チャンバ・ロドロ師に、外国人として直接受戒した森下永敏住職は、一週間の石室断食行を女性として初めて成功した方でもあります。

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 倶利加羅不動寺は名古屋唯一の修験道場であり、境内には不動心の滝があり、精神鍛錬の場となっています。また、体験修行会や護摩供養なども行われています。その倶利加羅不動寺のすぐ横にあるのが、日本で唯一のチベット仏教寺院である「強巴林(チャンバリン)」です。

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とても色鮮やかなチベット寺院

 強巴林の入口には「パルコル」とい民芸品店があり、足を進めると階段の下には「悪因縁落しの鐘」があります。三回鳴らすことで苦が一つ落ち、三度繰り返すと悪因縁が一つ落とせるのだそうです。「なんだか、俺の人生、誰かに足を引っ張られてるような気がするんだよな」という方にオススメです。

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 全てが、本当に色鮮やかで驚きます。寺院の中は撮影禁止なので掲載できませんが、仏画「タンカ」もとても色調が豊かで、思わず圧倒されます。チベット仏教文化を肌で体感することができます。もちろん、拝観も自由ですし、参拝も無料です。

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チベットなのにチベット人がマイノリティーに

 お寺のなかを順路に従って一通り見終わると、「ここへは初めてですか?」と話しかけられました。「はい、チベットのことが知りたくて...」と答えると、「私はチベットから来ていますので、質問があったらどうぞ」と仰ってくださったので、率直にいろいろなことを聞いてみました。以下は、そのお話を書きます。

 チベットは現在、中国の一部として「自治区」扱いになっていますが、実態は酷いもので、特に鉄道が整備されてからは、漢民族がどんどんチベットにやってきて、今ではチベット人よりも漢民族の方が多くなっていて、チベット自治区であるにもかかわらず、チベット人は「少数派」になってしまっているのだそうです。

 しかもそれは、中国が国策として、お金を与えて漢民族を意図的にチベットに移住させ、さらには、元々チベット人のお店があるところに、わざと同業のお店を漢民族に出店させ、それだけにとどまらず、チベット人のお店にお客が入らないように店の前で営業妨害を行い、チベット人は商売すらできなくなっているとのこと。

宗教弾圧

 中国は、チベット仏教の活動に制限を加えています。お寺の修行僧の数を制限したり、弟子の数を制限したり、20歳になるまで修行をさせないなどの規定を勝手に作っているのです。

 酷い話としては、「今やチベットでは、ダライ・ラマ法王の影響力は無い」という報道を行うために、チベット人を集めて、チベット人が平和主義であることにつけこみ、「家に銃を所持していない人」と言って手を挙げさせて写真を撮り、その写真を「ダライ・ラマを嫌いな人」と質問した写真として国内外に報道したという事例もあるそうです。

作られた暴動

 でも暴動は良くないでしょう。と思う方もいらっしゃると思います。そもそも、今回のチベットの抗議行動は実に平和的なもので、ダライ・ラマ法王が亡命した3月10日の記念日に、あくまでも平和的なデモを...と行っていたにもかかわらず、それでは中国側は暴力的な鎮圧ができないということで...。

 その4日後、チベット族の服を着てナイフを持った人物が先頭に立ち、暴動へと発展します。その映像は中国国内でも流され報道されたのですが...。

 あるタイ人が、そのチベット族の服を脱ぐ男の姿を見ていました。何と、その暴動を指揮していた男は、中国側の警察だったのです。

 それが発覚すると、なんとその映像から、その男の姿が消されたものが作られ、翌日からはその映像が流されるようになったとのこと。もちろんその方は、両方の映像を実際に確認したそうです。ニュース映像を中国が加工している現実。全く信じられません。

なぜチベットは中国なのか

 そもそも、なぜチベットは中国なのでしょう。

 チベットは今では中国の一部になっていますが、かつては独立国家であり、その頃は日本とも友好関係を築いていて、先の大戦の開戦前、日本が経済封鎖された際には、同じ仏教国である日本がかわいそうだと、羊毛をたくさん送ってくれました。

 戦争中も、チベットは連合国軍の要求に屈せず、ずっと平和、中立を掲げ、列強に屈することなく貫いたのです。それが戦後、裏目に出ます。

 敗戦国日本を援助したチベット、連合国軍の言うことを聞かなかったチベットの味方をする連合国は無く、チベットは裏切り者、敗戦国扱いを受け、中国に組み込まれてしまうのです。

中国にとっては邪魔な宗教

 チベット仏教の基本は「他人に迷惑をかけない生き方」です。チベットでは教育の面でもそれを重要視してきました。しかし、中国はこの考え方を認めることができないのです。

 中国は、自分たちが発展するためには、他を踏み潰しても構わないという考え方なので、チベット人の教科書から道徳的なものは次々と消され、天安門に飾ってある写真は誰かだとか、天安門の色は何色だとか、そんなものばかりを詰め込む教育に変えさせられてしまっているのだそうです。

チベットが重要な理由

 中国から今、満州民族もモンゴル族も姿を消しつつあります。そしてチベット族も...。中国がチベットをどうしても支配したいのには理由があります。それは、ダライ・ラマ法王の影響力です。ダライ・ラマ法王はチベットだけでなく、インドやネパール、ブータンにも大きな影響力を持っています。チベットを完全支配するということは、これらの国々にも大きな影響力を持つことにもなるのです。

 そして何と、中国側は勝手に、ダライ・ラマ法王の後継者を選ぶ権利を持つことを宣言するまでに至っているというのです。

チベットに自由を

 世界遺産となっている、チベット仏教の総本山である大昭寺を再現したという「強巴林(チャンバリン)」で伺ったチベットのお話。

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 それはあまりにも衝撃的でした。あえて書きませんが、このほかにも、文字にするのもおぞましいお話もたくさん伺いました。今、この時代に信教の自由が全く認められていないどころか、日本のそして中国の仏教の祖先でもあるはずのチベット仏教を、中国が支配し、抹殺しようとしているのです。

 もちろん、中国側の主張を聞いたわけではないので、チベット側だけの言い分を100%そのまま鵜呑みにしていいと思っているわけでもありません。でも...。

 ただひとつ言いたいのは、チベットに自由を。それだけです。

 中国によるチベット人に対する不当な差別、暴力、営業妨害、弾圧、虐殺、宗教への介入、報道の捏造が無くなることを祈るばかりです。

 興味を持った方はぜひお話を聞きに行ってみてください。まずはチベットが今どうなっているのか、生の声を聞くことが大切だと思います。メディアから伝わってくるのは、基本的に中国側からの報道ばかりなのですから。

ひとつだけ名古屋らしいお話を

 そういえば、守山区は「名古屋のチベット」と言われることが以前からよくありました。守山区は山岳地帯であることと、中国におけるチベットと同じように、かつて守山区は「守山市」として単独で存在していたものが、名古屋市に組み込まれたことからそう言われるようになったのでしょう。

 そんな守山区に本物のチベット仏教寺院ができてしまったわけで、ビックリです。

関連情報

倶利加羅不動寺/強巴林

強巴林(名古屋・守山区)MAP

守山区 強巴林

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