おいでよ!名古屋みゃーみゃー通信 第3章 名古屋の企業

お菓子なおかしな?名古屋の話

記事公開日:2004年6月26日

おいでよ!名古屋みゃーみゃー通信 第30回

イラスト

 名古屋は全国でも有数の駄菓子の産地です。もちろん、名古屋以外にも駄菓子のメーカーはたくさんあるのですが、名古屋の場合は西区明道町に「中京菓子玩具卸市場」があったことから一ヶ所に駄菓子問屋やメーカーが集中していて、戦前から駄菓子の街が形成されていました。

 また名古屋では結婚の際、新婦を家から送り出す時と、新婦を新郎の家が迎え入れる時に近所の人達を集めてお菓子を撒く「菓子撒き」という風習もあり、名古屋とお菓子には密接な関係があります。私も幼少の頃、近所で菓子撒きがあると聞くと友達と出かけたものですが、さすがに最近はあまり見かけなくなってしまいました。近所に袋詰のお菓子を配ることで、菓子撒きを簡略化することも多いそうです。

駄菓子をまとめ買いする名古屋っ子

 最近は昭和ブームで、再び駄菓子が注目されています。東京お台場の「台場一丁目商店街」といった施設だけでなく、大型ショッピングセンターの一角に駄菓子を売るテナントが入っていることもあります。そこで駄菓子を手にした時に、その製造者を見てみて下さい。意外と「名古屋市西区新道」と書いてあることが多いのです。新道とは以前の明道町で、現在は地名が変更されていて明道町の名は信号交差点に残るのみです。

明道町
▲市場は無くなりましたが、明道町ではロットにて一般の人も買えます。

フィリックス?エフエックス?

 そんな新道のお菓子メーカーと言って、私が真っ先に思い出すのが「マルカワのフーセンガム」です。かつては四角い小さな箱にガムが4つ入って10円だった「オレンジマーブルガム」や、フィリックスの絵の入ったガムでお馴染みです。

 私は以前、ロサンゼルスのコンビニエンスストアでマルカワのガムが売られているのを見て驚いたのですが、北米だけでなくヨーロッパや東南アジアにも輸出されているとのこと。しかも驚くべきことに、丸川製菓がガムにオレンジの味をつけたのが1954(S29)年のこと。賞を受賞するほどによく売れたそうです。

 その後はいちご、グレープ、マスカット、ピーチ、青りんご、コーラ、ヨーグルトと様々な味のガムを開発し、確固たる地位を築いています。現在では物価上昇を反映してかマーブルガムも6つ入りで20円となっています。

外国進出の版権対策?

 マルカワにはフィリックスガムという、人気キャラクター「フィリックス」を使ったイチゴ味のガムがあるのですが、エフエックスガムというフィリックスのバッタモノのようなキャラクターが描かれたガムもあります。当初はバッタモノで始めたものの、フィリックスのお膝元であるアメリカでもガムを売ることになって、正式にフィリックスとライセンス契約を交わしたのでしょうか。

 しかし、現在では両方とも売られており味も違わないということから位置付けがよくわかりません。駄菓子と言えば版権スレスレのよくわからないキャラクターが描かれているのも魅力だったりします。ドラえもんのようで色が違うだとか、どこかで見たことのあるようなロボットのような...などなど。そういう意味で、歴史的遺物としてわざとエフエックスガムを残しているのでしたら、マルカワおそるべしです。

イラスト
▲両方とも同じメーカーと言うのが本当に謎。フィリックスが売れた数で、権利者に支払う金額が変わるのかな...。

カクダイのクッピーラムネ

 では西区にある他のメーカーを見てみましょう。「♪カクダイのクッピ~ラ~ムネ」というCMソングと、リス・ウサギのキャラクターでおなじみなのがカクダイ製菓です。こちらも1950(S25)年という早い時期にラムネ菓子の製造を開始し賞を受賞。その後クッピーラムネで爆発的な成功を収め、現在では中国でも発売されているそうです。ラムネにオレンジ・レモン・メロン・いちごといった味がついているのも面白いです。幼い頃の私は、緑色のメロン味が大好きで緑色だけを残して後のお楽しみにしていた記憶があります。

カクダイ製菓
▲明道町よりも北にあるカクダイ製菓本社です。全国区なのかなぁ。

ソフトタイプキャンディ餅

 また明光製菓では、ソフトタイプのキャンディ「こざくら餅」「コーラ餅」「青りんご餅」「フルーツソーダ餅」などが作られています。爪楊枝で食べる本当に小さな餅で、12個入って20円です。1つずつチョコチョコと食べるのが流儀ですが、まとめて口に放り込む贅沢感は今でも忘れられません。そして「夜空の星」という神秘的な名前のコンペイトウを製造するマルタ食品などもあります。

牛乳に魔法にかけるミルメーク

 さらに昭和区には細いストローに入った寒天を作る野田製菓、ミルメークの大島食品工業があります。ストロー寒天は冷蔵庫で冷やしておいて、チュルっと一気に吸い込むのが好きでした。ニッキの味だけは苦手だったですね。あと、ミルメークと言えば学校給食を思い出します。ビンの牛乳にミルメークを入れるとあっという間にコーヒー牛乳になるというものです。月に1回しか出なかったので、これがある日は楽しみで仕方ありませんでした。今ではコーヒー味だけでなくココア、イチゴ、バナナ、メロンとバリエーションも増えているそうです。

 ちなみに、給食専用というわけではなくスーパーで普通に市販されていますので懐かしの味を家で楽しむこともできます。名古屋だけでなく関東でもスーパーで売られているそうですのでお試しください。牛乳がコーヒー牛乳に変身する、あの頃は結構衝撃的で、魔法のように感じました。夢のある製品ですよね。ちょっと大げさかな。

名古屋市外にも有名菓子メーカー

 名古屋市外に目を移しますと、安城市にいずみ製菓があります。ここの製品で真っ先に思い浮かべるのが「ムギムギ」です。小麦を膨らませたものに、ミルクコーヒーの味がつけられたものです。和製ムギフレークという感じで、牛乳をかけて食べたりもしました。そしてポテトスナックも忘れてはなりません。ステーキ味、からしマヨネーズ味、フライドチキン味などバリエーションは豊富です。

 いずみ製菓グループはそうめんでも有名で、「丈山の里いずみ庵」という外食店も経営しています。近所のいずみ庵が無くなってしまったので今はどうかわかりませんが、かつては料理を注文してから出てくるまでの間、「こちらをお召し上がりください」と言っていずみ製菓のお菓子がサービスとして出していたことがありました。お菓子がお腹に入って空腹がまぎらわされたとしても、いずみ庵の料理は美味しいはずだという自信が感じられます。

 春日井市にあるタクマ食品には、石の色・形をしたチョコレート「月の小石チョコレート」があります。これが本当の石みたいで、もし袋から出した状態で別のところに置かれていたら、口に入れるのが怖いくらいです。好評なようですが、土星の石、金星の石、火星の石と豊富な商品ラインナップには驚かされますどういった違いがあるのでしょうか...。

問屋さん
▲クッピーラムネを扱う問屋さん。リスとうさぎはお馴染みです。

新駄菓子ビジネスモデル・ベビースター

 さて、お菓子製造が盛んなのは愛知県だけではありません。お隣りの三重県には有名なあのお菓子を製造している会社があります。かつての社名「松田食品」から、おかしの製造メーカーであることをすぐわかってもらえるようにと社名を変更した「おやつカンパニー」です。本社は一志郡一志町にあり、津よりも南なので名古屋のお菓子として取り上げるのは少し違和感があるかもしれませんが、やはりどうしてもこの会社を外すことはできないのです。

 おやつカンパニーと言えば「ベビースターラーメン」です。かつては味のバリエーションも無く、ベビースターと言えばチキンラーメンの味というのが定番でした。しかしある日天ぷら、とんこつといった味が出ました。その後はうどん、旨塩こしょう、唐辛子しょうゆ、焼きそばとさらに増え、今ではご当地の味として北海道の札幌味噌、東北の牛タン、宇都宮の餃子、東京のもんじゃ、静岡茶そば、名古屋味噌煮込み・きしめん、大阪モダン焼、広島お好み焼き、山陰の松葉ガニ、沖縄ソーミンチャンプルーなどなど数え切れないほどの味が登場しています。

 しかも、それぞれその地域でしか販売されていないために、実際に行かなければ買えないお土産としてよく売れているそうです。

 そんなベビースターも、もともとはインスタントラーメンを作る際に廃棄処分になっていたクズをなんとか利用できないものかと、集めて作ったことがきっかけだったそうです。それが主流商品となり、なおかつ会社名まで変わってしまう。子どもが気軽に食べられるという点が火付けとなり、その世代が大人になって各地に旅行するようになり、旅先でご当地味のベビースターラーメンを買う。すごいビジネスモデルです。

 名古屋の自慢できる企業のひとつと言いたいところなのですが、やはり一志郡ですので名古屋とは言い難いんですよね...。今回はちょっと燃焼不良な名古屋のお菓子のお話でした。

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