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ここが生誕地!!実は愛知が物語の現場?桃が流れてきたのは木曽川?…桃太郎神社

記事公開日:2007年12月27日 更新日:

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 初詣直前。おとぎ話の現場からシリーズ第3弾「桃太郎」。前回は、岐阜県可児市に現存する「鬼ヶ島」をレポートしました。

 なぜこれまで、私や相方の地元にもかかわらず、桃太郎を考察しなかったのかと言いますと、木曽川沿いに桃太郎のお話が残されていること自体は、以前から知っていたのですが、地元民としても「桃太郎って岡山か香川の話じゃないの?」という思いがあったからです。

桃太郎の物語の現場は犬山・可児

 しかし先日、横浜のtvkというテレビ局が制作している準全国ネットの番組で、おとぎ話の話題があった際、桃太郎については、おとぎ話に詳しい慶応大学の教授が、迷うことなくこの木曽川沿いにある桃太郎の伝説を紹介していて、それを見て、「そ、そうなのか...。犬山の桃太郎はアリなのか。」と驚き、やってきたというわけです。

 では、その桃太郎に会いに行きます。

カラフルに像で物語をイメージ

 鬼ヶ島のあった岐阜県可児市とは、鳩吹山を挟んで反対の西側。木曽川沿いの犬山市 栗栖字古屋敷に「桃太郎神社」があります。神社の周りは桃太郎公園として整備されており、公園には桃太郎だけではなく、お供のサル、キジ、イヌの像がたくさん飾られています。どれもカラフルに装飾されていて、古さは感じないのですが、実は昭和20年代に作られたという、かなりの年代物です。

 今ではそれほど奇抜だとは思いませんが、当時としては斬新だったのではないでしょうか。でも、戦いを前にしているからか、どれも目が怖い。

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主張1 桃太郎のお婆さんが使っていた洗濯岩

 桃太郎といえば、川へ洗濯に行ったお婆さんがストーリーの鍵を握るわけですが、なんと、そのお婆さんが使っていたという洗濯岩があるではありませんか。もちろん、その岩の横には、大きな桃を持ったお婆さんの像が...。

 その証拠に、お婆さんが毎日の洗濯に使ったため、岩にお婆さんの足型が残って...って、ものすごいデカいんですけど。26センチの私の足なんかよりもかなりデカい足跡です。まあ、さぞかし洗濯は、はかどったことでしょう。

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 お婆さんを通り過ぎると、桃太郎が桃からバーンと生まれた瞬間の像があり、そこには鳥居があります。鳥居の中央には桃。

 その鳥居の横には、岩のなかに小さな穴があります。そこをくぐり抜けると、100歳までマメに生きられるという「百(もも)くぐり」。さぞかし、お爺さんもお婆さんも長生きしたんでしょうね...。もちろん、私たちもくぐっておきました。長生きで無病息災でお願いします。と、誰にお願いしていいものやら。やっぱり、この場合も桃太郎なのかな。

 社殿へと続く階段には唐突に、柴をかついだお爺さんの像も...。

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反省している鬼たちの姿も

 とうとう、鬼の像まで現れました。でも、ここにいるのは皆、桃太郎に成敗されて、連れてこられた鬼ばかりです。かつては悪事を働いた鬼たちも反省しているようです。この後、さらに如実に反省している鬼が登場します。そこまでしなくても...。

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桃太郎神社とはどんな神社なのか

 いよいよ、桃太郎神社の社殿に到着です。思わずビックリ。社殿の前には桃の形をしたピンクの鳥居が。鳥居自体が桃の形だなんて...そこまでやりますか。

 さて、この桃太郎神社についてですが、祭神は大神実命(おおかむづみのみこと)。桃の精霊です。登場しているのは古事記で、伊弉諾尊(いざなぎのみこと) が黄泉の国から逃げ帰る時に、悪魔に追い詰められてしまうのですが、そこになっていた大きな桃の実を投げつけると、悪魔は力を失って退散。それにより、桃の実は伊弉諾尊から大神実命という名を賜り、精霊となったとのこと。

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 この地には昔から桃太郎の伝説があり、その桃太郎は大神実命の化身であると伝えられたことから、桃太郎神社の祭神となっているというわけです。

 社殿の横には、鬼が土下座している像が。しかも「もう悪いことはしません、この涙を見てください」とあります。なんと、その鬼の目からは本当に涙が、しずくとなってポタポタと流れ続けているのです。一体どういう仕掛...そういうことを言ってはいけません。もう何年、いや何十年、何百年とこの鬼は泣き続けているのでしょうか。近くには「鬼の目にも涙」という石碑が。もう、ストレート直球どまんなかです。

 まだまだ、さらに、そこまで反省しなくても...という鬼がこの後登場します。

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 桃太郎神社は、かつてはここから500メートルほど、山の奥にあったのですが、桃太郎のお爺さんとお婆さんが住んでいた屋敷があったとされる現在地に、1930(S5)年に遷され、それ以降、子どもの守り神として地元をはじめ多くの人が参拝に訪れているのだそうです。

 でも...、ですよね。でも、まだピンと来ませんよね。

主張2 桃太郎のおじいさんとおばあさんの屋敷跡

 かつてここにあったという、お爺さんとお婆さんの屋敷に残されていた石臼の本物が置かれています。これで、きびだんごの材料をこしらえたということでしょう。

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 桃太郎神社の最も奥には、日本一と書かれた幟を持ったサルと、キジとイヌ、さらにはやっつけた鬼をも従えた桃太郎の像が。そしてそこには...。

 

主張3 桃太郎生誕地!

「桃太郎誕生地」という、とうとう言い切ってしまった看板が...。

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 この本殿に来るまでに何度も「ぜひとも宝物館をご覧ください。鬼のミイラ、ガイコツ、話の種に。」というお誘い看板が設置されていました。これはもう、ここが桃太郎生誕地という証拠を、宝物館で見せていただくしか無いでしょう。

 まあ、ここまでにも、桃太郎のお婆さんが使っていた洗濯岩や、石臼という、重要な証拠があるにはありましたけど...。

 そして、「桃太郎は岡山じゃないの?」という、生誕地と言い切っているこの桃太郎神社にとっては、かなり失礼と思われる質問も、思い切ってぶつけてみたいと思います。いざ、宝物館へ。(次回へつづく)

桃太郎神社(愛知・犬山市)MAP

犬山市 桃太郎神社

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