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湯豆腐&豆腐ステーキのお豆腐屋さんが妙に心配したワケ 秋でも飛騨は冬の装備で

記事公開日:2002年11月4日 更新日:

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▲高山の夕暮れ。さすが小京都、夕暮れに趣があります。

 11月初旬。木々が色づき始めた奥飛騨、旧国府町の宇津江四十八滝へ行ったわけですが、その帰り道は戦いでした。夕方、かなり寒くなってきて気温は2℃ になっていました。しかし、遠路はるばる奥飛騨までやってきたわけですから、帰り道、どうせ高山を通るなら、やっぱり醤油味のみたらし団子が食べたい!ということで、高山へ寄り道することにしました。

 さすが高山は観光地、夕方でも人出があるなぁと思ったのも束の間、午後5時半を過ぎる頃には、辺りの店はすっかり閉店してしまい、食べたいなぁと思った高山ラーメンを食べさせてくれる店はもうありません。飛騨牛も、なんとか閉店間際に露店の串焼きにはありつけたものの、夕食を食べさせてくれる店は見当たりません。

 1軒あったと思ったら、そのステーキハウスは超高級ホンモノ志向という感じで、とても気軽に入れる雰囲気ではありませんでした。

旧清見村で豆腐づくし

 午後6時を回り、すっかり暗闇に包まれ、高山で晩ご飯を食べるのはあきらめよう。と、車を走らせることにしました。私たちのいつもの行動パターンなら、高山からは国道41号線をひたすら南下するのですが、東海北陸自動車道が(旧)清見村・飛騨清見インターまで開通したのを知って、「どうせなら走ったことのない道を走ってみよう。」と思い、高山から一路旧清見村へと向かいました。

 高山市街から、インターまでは結構距離がありましたが、スムーズに走ることができました。そして森の中に、とても興味深い看板が現われました。「とうふ宮春」。旧清見村は水がとても綺麗だという話は聞いていましたので、豆腐が名産であるのは納得できます。しかもその豆腐料理を食べさせてくれる店があるなら、これは食べなければ、という思いが込み上げてきました。

 もうここは旧清見村。高山市街じゃないんです。ラーメン、飛騨牛じゃなくて、豆腐が食べたい。「とうふ宮春」の看板を見ただけで、もう、おなかは豆腐モードです。

 しかし、ここで不安がよぎります。高山市内ですら飲食店が閉まっているこの時間に、旧清見村の森のなか、一飲食店が開いているのか?もし開いていなければ、東海北陸自動車道の関パーキングまで、かなりの距離、空腹のまま過ごさなくてはなりません。その看板の「宮春」に期待をかけます。しかし、走っても走ってもなかなか店は見当たりません。店どころか、建物すら見当たりません。

 そうこうしているうちに、高速道路のインター案内までもが登場しました。「あぁ、もう閉まっていて、店の電気が消えていて気付かなかったのかな。」と思っていたそこに、光り輝く「とうふ宮春」の文字が!この山の中、「とうふ宮春」はまだ開いていたのです。

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▲「とうふ宮春」暗くて見づらいですね。すみません。

豆腐工場に併設されている豆腐料理店

 さっそくお店に入ります。結構たくさんのお客さんがいらっしゃいました。このお店は豆腐工場と併設されていて、豆腐だけの販売もしています。

 飲食店のほうは当然、豆腐料理がメインとなっています。ここの豆腐、やはり水にこだわりがありました。ここ旧清見村では、麦飯石層を長い年月をかけてめぐり、浄化された石清水が湧いているのです。この宮春は清見の地でとうふを作り続けて二十数年。ずっとこの水を使って豆腐を作っているそうなのです。やはり、「いい水あるところに、いい豆腐あり。」ですね。

 私たちは、「朴葉みそ焼き定食」「湯豆腐定食」と「豆腐ステーキ」を注文しました。(メニュー名称は違ってたらごめんなさい)さすが豆腐にこだわっているお店。絶品でした。工場が操業している時間内ですと、大豆を擦ったものが入った汁をいただくこともできるとのこと。この時間はもうそれは終わっていて、味噌汁がついていたのですが、やはり具は「あげ」がメインでした。

 車で移動していたとは言え、高山では11月とは思えないほどかなり気温が低く、体が冷えてしまっていたのですが、湯豆腐で身体の芯まで暖かくなりました。「ご飯はおかわり自由ですので、どんどん食べてくださいね。」と店員のおばちゃんも気さくな感じてよかったです。

なぜ心配するの?と思ったら

 そんなわけで、ゆっくりと食事をして、時計が8時を回ったので、そろそろ帰ることにしました。もう8時は閉店時間だったのか、店員のおばちゃんたちは、奥のテーブルで休憩していました。私たちがレジへ向かうと、それに気付いたおばちゃんが、こちらへやってきました。

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▲「湯豆腐定食」と「豆腐ステーキ」豪華ですが、お値打ちです

「今日はどちらまでお帰りですか?」と聞いてきたので、「名古屋です」と答えると、「それはそれは、お帰りはどうぞ、どうぞお気をつけてくださいね。」と言うのです。このお店から飛騨清見インターまで、約300メートルです。私はそんなに運転が危なっかしく見えるのだろうか?いや、確かに名古屋は遠いですから、気を遣ってくれたのだろう。そんなことを考えながら店を出た瞬間。その言葉の真意がわかりました。

 この日は、11月2日です。まだ11月です。まさかとは思っていたのですが、まさかが本当になってしまいました。店を出てそこに広がる一面の銀世界。さすがに岐阜県北部だからと言っても、この時期にこんなに雪が降るとは思ってもみませんでした。行きの車でのラジオの天気予報の言葉に耳を傾けるべきでした。

「岐阜県北部へおでかけの方は、冬の装備で...」。しかも、東海北陸道は、白鳥インターまで、チェーン規制がかかっているではありませんか!

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▲11月2日の岐阜県荘川村です。うっすら雪化粧ではなく、積雪。

飛騨へは秋でも冬の装備で

 普通タイヤでは高速に乗ることができない...。どうしよう...。私たちは決断しました。一般道を帰ろう。こうして白鳥インターまで雪との戦いが始まったのです。ハンドルを雪にとられないように慎重に進みます。それでも最初は「今年初雪だぁ」などと浮かれていたのですが、雪がどんどん大きくなり、量も多くなり、10センチ!以上積もりだしたあたりから、車内は緊迫してきました。

 路肩には立ち往生した車がハザードを出して止まっています。「ここで止まって、どうする。これからまだまだ降ってくるんだ。根性で行くしかない。」まさかの11月上旬の大雪に、あせりながらも1時間半ほどの戦いで、白鳥へと抜けることができました。

 途中、戦いを諦め、車中で1泊を過ごすつもりなのかという車を何台も見ました。彼らはあの後どうしたのだろうか...。そんななか、道の駅でのある親子の会話が印象的でした。子どもは「お父さん、雪だね、雪だね。」と興奮気味なのに対し、運転していた父親は「おまえはいいよな、楽しいだけで...。どうしよう。」とかなり消沈ぎみ。

 途中、旧高鷲村のペンション群などは、スキー場がまだオープンもしていないのに、大盛況となっていました。

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▲結構大きな雪が、どんどん降り積もります。

 少しでも雪の可能性がある地域へのおでかけは、たとえ11月初旬でも、スタッドレスタイヤ、チェーンが必要だと実感しました。本当に実感しましたよ。途中3回、路肩につっこみそうになりましたから。

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