結婚の縁はもちろんだけど、仕事もお金も人との出会いも、どの縁もお願いしたいなぁ。
それだけたくさんの縁をお願いするなら、全てを生かしきれる人生を送れるように試練を乗り越えないとね。
出雲大社
TEL:(0853)53-3100
駐車場:385台
境内自由
6:00~20:00(季節により異なる)
出雲と言ってまず思い出すものといえばやっぱり「出雲大社」。出雲大社は大国主大神(だいこくさま)を祀っており、縁結びなど「むすびの神さま」として知られていて、それを願いにやってくる人がたくさんいます。
出雲大社で本気で縁結びをお願いするのであれば、やっぱりそこは大国主大神がどんな神さまなのかを理解したうえで、お願いしたいところです。そして忘れてはいけないのが、だいこくさまといえば「因幡の白ウサギ」のエピソード。本当の縁結びの神さまはそのウサギだった?いやいや、結局それは実を結ばないのです。そのあたりの神話についても、出雲大社境内で触れていきましょう。
正式参拝とムスビの御神像
出雲大社の参拝はまず正門鳥居から。駐車場から歩いてきますと、いきなり御仮殿のところに出てしまいますが、正門に回ってからお参りするのが正式参拝となります。正門鳥居をくぐって、さらにもうひとつの鳥居をくぐり、松並木の参道を歩いていきます。すると右手に、両手を挙げた大国主大神の像があります。「ムスビの御神像」です。
ムスビの御神像は、大国主大神が海神から「幸魂奇魂」の「おかげ」を授かる場面を表しています。これにより大国主大神は神性を養い、生きとし生けるものすべてが幸福になるための「縁」を結ぶことができるようになったというわけです。
因幡の白うさぎ伝説
そして、そのムスビの御神像と参道を挟んで反対側にあるのが、因幡の白ウサギのエピソードを示す像です。大国主大神がウサギにアドバイスをしています。
因幡の白ウサギの話を簡単に説明しますと、島へと海を渡ろうとしていたウサギは、サメを騙してその背中を伝って島へと渡ろうとします。しかし、騙されたと気づいたサメによって、全身の皮を剥がされてしまいます。そこに通りがかったのが神さまたちの兄弟です。この神様たちは、美女であった八上比売命(やがみひめのみこと)を嫁にするため、因幡の国へと向かっているところでした。
その神さまたちはウサギに「海水につかって風にあたれば治る」と嘘を教え、そのとおりに実行して、さらに痛がるウサギを見て笑っていたのでした。その後に通りがかったのが大国主大神です。
大国主大神は末っ子で、兄神たちにいつもいじめられていて、この時も付き合わされて後ろを歩いていました。大国主大神はそのウサギに「真水で体を洗って、ガマの穂にくるまって寝ていれば痛みが無くなる」と教えてあげたのです。するとウサギの痛みは治まり、そのウサギは大国主大神にこう言うのです。
「兄神たちは結婚できず、八上比売と結婚するのはあなたです。」と。そして見事に、大国主大神は八上比売命と結婚することになるのです。
幸福になるための縁・神楽殿
では、縁結びをお願いしましょう。縁結びといいますと、恋愛や結婚を真っ先に思い浮かべてしまいますが、幸福になるための縁というのはそれだけではないはず。仕事や人、さらにはお金との出会いも全て縁ですからね。しっかりお願いします。
通常、御仮殿(拝殿)でお参りをすることになるのですが、その御仮殿でやはり気になるのが注連縄です。御仮殿もすごいのですが、さらにすごいのが神楽殿です。
神楽殿の注連縄は長さ13メートル、胴回り8メートル、重さ4.5トンで大迫力。しかも、注連縄に硬貨を投げてささると、ご利益があるとされています。
大国主大神は幸せになったのか
ウサギと出会って予言をされた後、大国主大神は幸せになったのかといいますと、ウサギの予言のとおり、八上比売命と結婚はするのですが、妬んだ兄神たちに半殺しの目に遭ってしまうのです。そして素盞嗚尊(スサノオノミコト)の娘である須勢理比売命(すせりひめのみこと)と再婚するのです。その際、スサノオから数々の試練を与えられるのですが、大国主大神は見事全ての試練をクリアします。途中少しズルもするのですが、そのズルをするところもスサノオに気に入られたようです。
イケメンだったとも伝えられる大国主大神。そんな彼でさえ、美人と結婚するも嫉妬され半殺しの目に遭い、再婚するために義理の父から数々の試練を与えられ、それを乗り越えてようやく幸せを手に入れているのです。
縁結びをお願いする前に、その縁を実らせるためには、いくつもの壁を乗り越えてやる!という覚悟を持たないと、たとえ縁を授かったとしてもうまくいかないかもしれません。と、自分に言い聞かせています。
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