★全国で唯一の駅のホームにあるぶどう園
★塩尻は古代集落とワインの里
★キツネと鉄道 因縁の伝説はもう和解したってこと?
中津川駅からJR中央線に乗って信州へと旅をしてきました。名古屋近郊で暮らしていると中央線は中央線なのですが、信州のラジオを聴くと「中央西線」「中央東線」という言い方をしますよね。私たちが普段乗っているのは「中央西線」ということになります。
普段は意識しない西線・東線
その分かれ目となっているのが、中津川駅から普通列車にのって約1時間50分、塩尻市の塩尻駅です。ここがJR東海とJR東日本の境界駅になっています。JR東日本が「東線」、JR東海が「西線」となるわけですね。さらに松本方面へと向かう篠ノ井線も接続されています。
中津川から乗ってきた列車は松本行、この塩尻駅で15分ほど停車します。
駅のホームにぶどう園
塩尻駅のホームには全国で唯一のものがあります。見ると「日本で唯一・ホームのぶどう園」という看板が。塩尻はワイン用のぶどうで世界的に高い評価を得ていますが、さらに生食用のぶどうも名産地です。そのPRのために1988年(昭和63年)からぶどう棚が設置されているんですね。
塩尻市内のワイナリーの従業員やボランティア、さらにはJRの職員が手をかけて育てていて、品種は2種類。白ブドウの「ナイアガラ」は地元の子どもたちが収穫をしたりして、フランスを発祥とする赤ワイン用のブドウ品種「メルロ」はワイン醸造会社がひきとってワインを醸造するんですって。
古代集落とワインの里なのですね
せっかくなので駅をうろうろしてみますと、改札にはかわいらしいキツネのイラストが。そこには「ようこそ 古代集落とワインの里 塩尻 桔梗ヶ原」とあります。どれくらいワインの里かといいますと、長野県産のワインの8割がこの塩尻市で生産されているほどなのです。
一方で古代集落は、国の史跡「平出遺跡」です。日本三大遺跡に数えられるほど大きなもので、この塩尻駅からは南西に約2キロほどいったところ、ワインづくりが盛んなぶどう畑が一面に広がる場所にあるんですって。なんと290軒を超える建物や住居の跡が見つかっているといいますからすごいですね。
塩尻とキツネの関係は?
そして気になるのはキツネです。改札に掲げてあった集落を案内したりワインを持っていたキツネのキャラクターだけでなく、ホームへと降りる階段から先ほどのブドウ園への道筋はキツネの足跡が案内してくれます。実はその桔梗ヶ原にはキツネの民話が伝わっています。
8月に行われる「玄蕃まつり」では、みんながキツネに扮して踊ります。かつて化けていたずらをするのが大好きなキツネの「玄蕃之丞(げんばのじょう)」に由来するものなのですね。
おはぎに思い込ませて馬の糞を人に食べさせたり、本来の宴会に参加する人々をだまして迷子にさせて自分たちがなりすまして宴会を楽しんだり、列車の運行妨害をしたりといろんなエピソードがあるようです。
とはいえ、今はこうやって駅のホームに描かれているということはJRとキツネは和解したということでしょうかね?
塩尻駅ではキツネにだまされると、名古屋に着いたつもりが東京に着いちゃうから気をつけてね。ホームを間違えただけなのに。
記事作成協力
ポンかづさん
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