天白区プロフィール
名古屋のデンマーク
天白区は、名古屋市南東部に広がる緑区の上に乗っかるようにあり、右を向いた怪獣のような形をしています。面積は市内16区中5番目に大きく、北側に名東区、千種区、西側に昭和区、瑞穂区、そして南側に緑区があり、東側には名古屋市のベッドタウン日進市があります。
天白区は1906(M39)年に愛知郡島野村、植田村、平針村、そして弥富村の一部が合併して生まれた天白村そのままの形となっています。しかしすんなりそのまま天白区として誕生したわけではなく、しばらくは昭和区に含まれていました。天白村のうち、先に八事地区だけが1928(S3)年、旧南区に編入されました。その後27年間天白村はその形のまま存在し1955(S30)年に名古屋市と合併、昭和区に編入されました。そして1975(S50)年、千種区から独立した名東区とともに、天白区は新たな区として昭和区から独立し、この時旧天白村の区域が天白区となりました。
特産品に天白にんじんがあるように、天白区は古くから農業が盛んな地域ではあるものの、緑区よりも宅地化、区画整理は進んでいます。現在では大規模な農地は無くなり、住宅街の中にぽつぽつと畑が残され近郊農業が行われていて、にんじんやたまねぎ、ばれいしょなどが出荷されています。区の中央には植田川と、区の名前の由来ともなっている天白川が流れ合流しています。川沿いには緑地が整備され憩いの場となっています。
天白区のみどころ-農村風景と山里風景を残しつつ宅地化進行中
天白区を怪獣に例えると、名東区と接する北側、怪獣の頭と腕の部分には閑静な住宅街が広がります。昭和区、瑞穂区と接する怪獣の肩から背中にかけては、広大な霊園八事霊園や東山公園といった山が広がり、起伏の激しい「山」という地名がつけられた住宅街もあり、一山越えて学校に通うという名古屋市内には思えない表現をする必要がある場所もあります。山からは市の中心部を一望でき絶景ですけど、歩いて移動するのは大変。
怪獣の前足の部分には、農業が盛んな天白区らしい施設「名古屋市農業センター」があります。この施設は都市農業の振興と技術指導を目的としている他、一度絶滅しかけた純系名古屋コーチンの研究が進められています。センターには牧場もあり、絞りたての牛乳や新鮮なソフトクリームを味わうこともでき、思わず名古屋市内であることを忘れてしまいそうです。農業センターの近くには、自動車社会の名古屋っ子が必ず数年に一度は訪れなければならない運転免許試験場もあります。かつて平針の南側というと森というイメージでしたが、現在は緑区にかけて宅地造成が進んでいます。でも、ふと脇道に入ると昭和の山里が姿を表します。
怪獣の後ろ足と尻尾の部分には、本格的な里山「相生山緑地オアシスの森」が広がります。雑木林は本格的で、有志の方々によって植生管理が行われています。森の近くには幹線道路が走るものの、こちらもちょっと路地に入ると舗装がされていない道路があったりと、どこか山奥の集落に来てしまったのかなと錯覚に陥ることができます。
農業と牧場と山里。区画整理が済み意図的に残されているものと、昭和の景色がそのまま残っている場所があります。前者はこれからも残されるでしょうけど、後者はそのうち消えてしまうことでしょう。今も残る、天白村という昔の名が似合う風景を探して歩いてみます
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