07.昭和区 名古屋を歩こう

犬の消防士さん?

記事公開日:2004年8月11日 更新日:

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懐かしいタバコ屋さんにかき氷屋さん-郡道・滝子通商店街

 では日を改め、地下鉄鶴舞線の荒畑駅から散策を続けます。郡道を南に歩いていきます。出口交差点を越えた辺りから滝子商店街が広がります。滝子商店街は現在の名古屋大学である旧制第八高等学校の学生街として発展してきました。八高は1949(S24)年に名古屋大学に吸収されこの地から姿を消しますが、跡地は現在名古屋市立大学の経済学部となっていて今も学生の姿を見ることができます。滝子商店街の先はすぐ瑞穂区の区域になっていて、名古屋市立大学も瑞穂区になります。商店街には昔ながらの製材所や、かき氷専門店八百半商店、その向かいにはおばあちゃんが座るタバコ屋さんと、懐かしい風景が広がります。

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▲郡道には古い建物とマンションが混在。
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▲懐かしい風景のなかに材木加工所があったり、
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▲氷屋さんの向かいにはおばあちゃんが座るタバコ屋さん。

 郡道から外れてみます。八熊通の滝子交差点に出るふたつ手前の交差点を左折してしばらく歩くと、それまで太かった道路が一気に細くなります。この丸屋町4丁目は建築協定が締結されていて古い黒壁の建物などを見ることができます。そしてそこから南に歩くとすぐ八熊通にぶつかります。通りには法務局の他、鳥獣店、テーラーといった懐かしい個人商店が立ち並びます。そして郡道の滝子交差点には滝子商店街のアーチがあり、「ボルガ」という文字の書かれた雀荘ビルが目に入ります。

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▲ふとこんな黒壁が残っている丸屋町。
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▲八熊通には古くからの個人商店が建ち並びます。
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▲滝子交差点には大きな雀荘もあります。

なぜか車のディーラーが集結-滝子交差点

 滝子交差点を過ぎると、やたらと自動車のディーラーを見かけます。ここから空港線にかけては昭和30年代ころからなぜか自動車販売店が密集するようになり、トヨタから輸入車までさまざまなディーラーが建ち並びます。そのなかに愛知県自動車会館があります。自動車会館には自動車整備振興会や自動車電装品整備商工組合といったあらゆる自動車関係の団体が入っています。そしてその1階にある喫茶店の名は「ニューオート」さすが自動車会館。

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▲郡道は滝子交差点の南へと続きます。
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▲喫茶ニューオートがある自動車会館。
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▲八熊通から西を望みます。先の空港線にはカーディーラーがたくさん。

八事興正寺開祖の生母による尼寺-龍福寺・寿栄寺・西福寺

 そしてその自動車会館の北側にあるのが龍福寺です。地蔵寺とも呼ばれるこのお寺は、大須観音をスタートする名古屋二十一大師霊場めぐりのひとつとなっています。八事の興正寺が女人禁制だったことから、興正寺の開祖である天端円照和尚の生母・普照尼が創建しました。また龍福寺から北に歩いていくと、ボーイスカウト第117師団と書かれた瓦屋根の建物があり、さらに北に歩くと寿栄寺、西福寺があります。

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▲龍福寺は自動車会館のすぐ北側。
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▲ボーイスカウトはこんな懐かしい平屋建てに。

 寿栄寺は御器所の久松寺の末寺で、明治初期に創建された尼寺です。山門前の地蔵堂にはたくさんのお地蔵さんが祀られています。そして西福寺には第一村雲幼稚園が併設されていて、平日は元気な声が聞こえてきそうです。建立は829(天長6)年と歴史は古く明治時代に再建されたのですが、1945(S20)年の空襲により損傷してしまいます。本堂は1949(S24)年に、そして山門は2001(H13)年に改装されています。

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▲寿栄寺の山門前には地蔵堂。
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▲地蔵堂にはたくさんのお地蔵さま。
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▲西福寺は戦争で被災するも少しずつ再建。

 ところで、寿栄寺界隈は現在滝子町になっているのですが、電柱の表記が「ここは白金町」となっているものを発見しました。これは電柱の看板業者が悪いのか、市が悪いのか...どちらにしろまぎらわしいですね。しかし、白金と言うと東京の高級住宅街、そしてそこに住むセレブの「シロガネーゼ」を思い浮かべます。名古屋にも同じ地名があるとは。現在の白金は空港線の西側なので後ほど行ってみます。

空襲で唯一焼け残った神社-八王子神社

 このあたりは道路が入り組んでいて説明しづらいのですが、西福寺の前の道を真っ直ぐ北に歩くと村雲小学校にぶつかります。その小学校の北側に小さな神社を見つけました。八王子神社です。一時は御器所八幡宮に遷されたこともあったのですが、村人の希望により明治の末に再建されたものです。西福寺が燃えた空襲では一帯が焼け野原となったのですが、この社殿だけは燃えませんでした。この日はかなり暑かったのですが、社殿の陰では猫が仰向けになって眠っていました。私が近づくと目を覚まし「なんだよ~」という顔をしてこちらを向きました。それでも逃げることはありません。のどかです。

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▲八王子神社は住民の強い意志で再建。
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▲境内にはお地蔵さまがあり、花が供えてありました。
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▲なに~?起こさないで~。

遊具にしては大きすぎる-浄元寺・白金公園

 八王子神社の前の道を西に歩くと、石垣が見えてきます浄元寺です。立派な山門を構える浄元寺は荒畑駅前にあった龍興寺の末寺で、こちらも空襲で焼失してしまったのですが戦後再建されています。その浄元寺の北側の道路を西に歩いていくと空港線にぶつかります。そこには横断歩道が無いので、となりの白金1丁目交差点を渡り、先ほどの道路の延長線上を歩きます。ここが白金界隈です。東京の白金は「しろかね」ですが、名古屋の白金は「しらかね」です。東京の白金は高級住宅街ですが、名古屋の白金にはこれと言って特徴はありませんでした。

 何か面白いものは無いかと見渡すのですが、やっぱり特にありません。そしてそのまま歩いていくと右手に白金公園があります。そして白金を越えて福江という界隈に出てしまいました。少し歩き疲れたので休むことにします。白金公園を過ぎてしまったのですが、見るとその先にも公園があります。白金公園から西に100メートル程歩いたところです。工場近くの自動販売機でジュースを買い公園で休憩していると、犬の遊具らしきものがありました。しかし遊具にしてはそれにしてもデカい。178センチある私の身長よりもはるかに高さがあります。犬の口の部分には入れそうですが
特にこれといって遊ぶ方法はありません。

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▲遊具にしてはデカイなぁ。

 一体これは何なのかと近づいてみると、どうやらお尻側は道路に面しています。そしてその道路に出てびっくり。なんとこれ白金消防団の詰所なのです。さすがデザイン宣言都市名古屋はやることが違います。まさかこの犬が、ちゃんとした建物だとは思いませんでした。このあたりで火事が発生すると、消防士さんたちはこの犬の肛門から出動するわけですね...。肛門というとリアルなのでお尻と言ったほうがいいですね。

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▲犬のお尻から出動!

 犬のおまわりさんならぬ、犬の消防士さんです。


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