かつて存在した「名古屋コーヒー」を追って探して…なんと岐阜市で発見!

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ジャスコ柳津店(岐阜・岐阜市)

喫茶店でコーヒーを注文しただけで、おつまみやトースト、茶碗蒸しまでもがついてくるという名古屋の喫茶店文化。最近では広く全国的にも知られるようになりました。名古屋は昔から人口の割に喫茶店が多く、これは喫茶店のサービス競争によって生まれた結果だと言われています。

店が多いだけでなく名古屋っ子は喫茶店が大好きで、1世帯あたりの喫茶代は全国で2位となっています。サービスが独特な名古屋の喫茶店。しかし独特なのはサービスであって、ドリンクメニューはどこの喫茶店も平凡です。特に名古屋らしいという飲み物は存在しません。ところが最近、「名古屋コーヒー」なる飲み物を出している喫茶店が東京にあるという話を聞きました。名古屋コーヒーとは一体何なのでしょう。

かつて名古屋に存在した「名古屋コーヒー」とは

「名古屋コーヒー」

私は本でしかその名を見たことはありませんでした。名古屋の喫茶店の裏メニュー的な存在として、一部では人気のある飲み物とのことなのですが、営業の仕事をしていた頃から、名古屋のあちこちの喫茶店に入ったことのある私でも、その名をメニューに掲げている店に出会ったことはありませんでした。本に裏メニューと書かれていたくらいですから、出しているお店でも、メニューに掲げているところはほとんど無いのかもしれません。

「岐阜のジャスコにあったよ」

名古屋コーヒーを出している喫茶店は無いか。あちこちにリサーチをかけてみました。しかし「出していた店は既に無くなってしまったのでは?」という声が多く、私は半分諦めかけていたところに、吉報が舞い込んで来ました。調査開始から2ヶ月。それは「岐阜のジャスコで見たことがあるよ。」というものでした。

岐阜市と言えば名古屋以上の喫茶店王国。1世帯あたりの喫茶代について、名古屋市が2位と先ほど申し上げましたが、1位はこの岐阜市です。名古屋コーヒーを求めて岐阜市へ、というのもおかしな話ですが、あるのなら早速向かいましょう。岐阜市柳津町のジャスコ柳津店へと私たちは急行しました。

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柳津のジャスコにあった!

柳津町は今年1月に岐阜市に編入された町で、木曽川を挟んで愛知県と向かい合っています。ジャスコ柳津店は、同じくジャスコ木曽川店が入っている一宮市のダイヤモンドシティ・キリオから、車でわずか数分のところにあり、まさに岐阜県と愛知県の境にあります。ジャスコ柳津店には2つの喫茶店があります。そのうち1階にある「ペニーレーン(Penny Lane)」へと向かいます。

店の前には大きなメニュー看板が掲げられています。そのメニューにありました。「名古屋珈琲…¥450」。ちゃんと写真まで掲載されています。見るとそこには、コーヒーカップに生クリームとあんこが浮かんでいます。おおお!これがあの名古屋コーヒーかと、高鳴る鼓動を抑えつつ店に入ります。

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名古屋色のとても強い喫茶店

ちょうど昼食時でお腹が空いていたので、はやる気持ちを抑えてとりあえず「ミートスパゲティ」を注文しました。するとなんと、鉄板にのったスパゲティが運ばれてきました。これはまさに、名古屋名物のオリジナルメニューであるイタリアンスパを彷彿とさせるものです。さすが、名古屋でさえ幻の裏メニューである「名古屋珈琲」を出す喫茶店。岐阜市にあるからと言って、あなどることはできません。

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幻の「名古屋コーヒー」

そして食後、名古屋珈琲が運ばれてきました。メニューの写真とは違い、見た目にはあんこの姿はありません。一見ウィンナーコーヒーのようですが、明らかに色が違います。茶色は茶色なのですが、コーヒーの茶色ではない茶色が生クリームを取り囲んでいます。そしてコーヒーの香りのなかに、まるでおしるこのような香りが混じっています。その風貌とは裏腹に、ウィンナーコーヒーとは全く違う飲み物であることをこの時点で認識できます。

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いよいよ、幻の裏メニューである名古屋コーヒーに口をつけます。ある程度想像はしていたんです。心構えはしていたんです。でも、それにもかかわらず…

甘い!

これは甘い。想像をはるかに超越した甘さです。おそるおそるスプーンで底をすくうと、そこには無数の小豆が。甘いはずです。

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最初のうちは生クリームが主体となって、そこにあんこの風味が。生クリーム部分を飲み終わると、今度はコーヒーの苦さが際立ち、そこにあんこの風味が。そして最後はズバリあんこ。どれもあんこ風味ではありますが、3つの味が楽しめます。それもまるでひつまぶしを思い起こさせるような、まさしくこれは名古屋コーヒーです。

あんこが好きな名古屋っ子にはピッタリ!です。甘くて暖かくて、寒い冬にほっとした気分になれました。

確かに甘くておいしいです。

でも…。

コーヒーを飲んだ気分にはなれかったので、店を出た後、別の喫茶店でコーヒーを飲みました。

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コメント

  1. そふ より:

    いつも思うんですが、TVなんかで「名古屋の喫茶店のモーニングは凄い!」なんて紹介されると、たいてい名古屋”市”ではなく、愛知県の他の市であったり、岐阜だったりする。
    たしかに凄いお店もあるけれど、茶碗蒸しを出すお店を名古屋で見たことがないんだよなぁ。
    名古屋”圏”なんだろうけどさ。
    (2006/12/20 3:31 PM)

  2. トッピー@管理人 より:

    >そふさま こんにちは
    確かに岐阜や一宮の方が喫茶店が多いですからね。人口比で喫茶店の数が最も多いのは一宮市だとも聞いたことがあります。そのため競争も激化し、モーニングサービスを競っているのでしょう。
    でも、テレビ関係者でも「名古屋」にこだわった方がいらっしゃって、以前、衛星の番組制作スタッフの方から私のところに、名古屋市内でモーニングのすごい喫茶店を教えてほしいという依頼がありまして、守山区のある喫茶店をご紹介したことがありました。そのお店は茶碗蒸しに玉子焼き、さらにミニお寿司がモーニングサービスとして無料でついてきますよ。
    まぁ…守山なんて名古屋じゃないと言われてしまったらどうしようもありませんが…。
    (2006/12/20 9:30 PM)

  3. YOSHI より:

    TOPPYさん!お久しぶりです。コーヒー好きな私は、最近ベトナムコーヒーに興味を持っていましたので、名古屋コーヒーの記述には驚きました。ちなみに、私が日本で一番美味しいと感じたコーヒーは、福岡にある、美美いう店のコーヒーでした。あとガキの頃名古屋を訪れてスパゲッティ頼んだら鉄板で…驚きましたが、これが美味しくて。関東で鉄板で出す店は今だに知りませんが、名古屋では鉄板が支流なのですかね?ハンバーグでも鉄板で出てくる店しか行かないほど、鉄板好きなものですから。
    (2006/12/21 9:09 PM)

  4. トッピー@管理人 より:

    >YOSHIさま こんばんは
    鉄板に卵を敷いてその上にスパゲティをのせるイタリアンスパというメニューがありますね。これは今や名古屋名物となっています。昔ながらの喫茶店ほど出していますね。
    (2006/12/25 12:53 AM)

  5. HALLE より:

     コーヒーに生クリームを入れたウィンナーコーヒーならまあ解るけど、それに加えてあんこも入れてしまうとは…。名古屋珈琲、恐るべしですね…。
    (2006/12/25 5:33 PM)

  6. きたむら より:

    本場の味を謳っているようで実はトンチンカンな名物メニュー出す本場以外の場所にある店ってのに似てるなと思いました。(例:ヘンテコリンな大阪名物メニューを出す名古屋の店とか)
    店の場所が名古屋じゃないからこそ出せるメニューな気もします。
    名古屋人に言わせたらこんなのは名古屋のコーヒーじゃないとしか思われませんからね・・
    岐阜の方が思い描いてる名古屋のイメージってこんなんなのかも(笑)
    (2006/12/30 3:52 PM)

  7. トッピー@管理人 より:

    >HALLEさん こんばんは
    ホットのひとつの飲み物としては充分おいしいですよ。コーヒーとしてどうかと問われるとちょっと答えに困りますが…。
    >きたむらさん こんばんは
    名古屋コーヒーは、昔は栄とかでも飲むことができたらしいのですけどね。文献でも紹介されていますし、デタラメとは言いませんけど、確かに名古屋で堂々と名古屋コーヒーと言うのには逆に勇気がいるかもしれませんね。
    (2006/12/31 12:37 AM)

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