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世界一の美濃焼こま犬から感じよう!-八王子神社

記事公開日:2013年1月13日

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★さすが世界一!ギネス認定のこま犬です
★かわいいこま犬たちもいっぱい
★感じます...あの頃の日本

 以前、瀬戸市の深川神社を訪れた際に、鎌倉時代に作られたという陶製の狛犬が宝物殿に安置されているというレポートをしましたが、瀬戸市から程近いところに、歴史ではなく、大きさを誇る陶製の狛犬がありますので、今回はそちらに訪れてみたいと思います。

 その狛犬は世界一。なぜ世界一の狛犬がここにあるのか、陶器でどのようにして作られたのか。そもそもなぜ、世界一の狛犬が作られることになったのか。それを知ると、ああ、そんな時代もありましたよね...と、その狛犬からいろいろなことを感じられることうけあいです。

 世界一のご利益を!あの頃の日本のご利益を!新年にお願いしましょうか。

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神社そのものよりも...

 名古屋と瀬戸を結ぶ「瀬港線」こと国道363号線を名古屋から走ってきますと、アーバンな風景から突然田んぼに変わるのが瀬戸市へと入った合図。さらに走り続けて、今度は田んぼから山道となり、クネクネと山を越えると岐阜県です。ここまで来ると、瀬港線と呼ばれていた区間とはまったく別の道路になってしまいます。

 そして土岐市から瑞浪市への市境を越えて、右手に国道419号への分岐ポイントが登場します。国道と国道の分岐点ですが、3桁同士。しかも300番台と400番台。やはり信号機すらありません。その分岐点に、八王子神社があります。

 八王子神社の創建は不明ですが、1701(元禄14)年に再建されたという棟札が残っているとのことです。参道は国道に面していて、そこから階段を上ったところに社殿があります。

 ただ、駐車場には「世界一のこま犬」という幟がいくつも立てられており、「こま犬駐車場」という看板もあったりと、もはや、神社よりも狛犬がメインのような扱いになってしまっています。

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かわいい狛犬たちがずらり

 社殿へと向かう階段の手前にも陶製の狛犬があるほか、上りきったところから、社殿に向かって左に足を進めますと、カーブの坂道にずらりと小さな狛犬たちが並んでいます。見ると「平成13年度モデル地区こま犬作成配置図」という看板が。

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 それぞれ色も形も違う大量の陶製狛犬がこれだけ並んでいると、迫力があります。なかにはかわいらしい表情をしているものも。また、それら狛犬がある土台には、狛犬が描かれた陶版も。きっと、地区のみんなで作り上げたのでしょうね。

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いよいよ世界一の狛犬です

 その坂を下りると、ジャーン!世界一の美濃焼こま犬の登場です...と言いたいところですが、実は、国道363号線を瀬戸方面から走ってきますと、もう道路からその狛犬が見えますので、今さらジャーンというのも実はおかしな話。

 さてその世界一の狛犬の大きさですが、阿形像は高さ3.3メートル、吽形像は高さ3.29メートルです。総重量はなんと15トン。世界一のこま犬の前には小さな小さなこま犬もいて、その対比が面白いです。しかも「美濃焼こま犬」ですから、これ、焼かれた陶器なんですよね。

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瓦が混ざってる?

 その15トンの粘土のうち、瑞浪産の陶土は70%のみ。耐火粘土を加熱して砕いた粒である大川古窯出土匣鉢シャモットが20%で、残り10%は瓦で有名な愛知県高浜市の瓦土を使用しています。なぜ、高浜なのでしょうか。

 ここを起点とする国道419号は、小原、藤岡を抜けると、豊田の街なかを通過して、知立、刈谷そして高浜を結んでいます。その終点である高浜市の瓦土を混ぜてあるということなんですね。この起点は、山間を走る信号機も無いような国道419号ですが、この先では西三河の産業の大動脈となります。この道は、陶器と瓦を結んでいるというわけです。

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ご利益は...?なぜ作られた?

 世界一の狛犬の背後には世界一の茶壷もあります...が。そもそも、これらは何のために作られたのでしょうか。しかも、狛犬と茶壷という2つの世界一を作ったのはなぜでしょう。

 この世界一の狛犬が完成したのは、1990(H2)年11月のこと。その前年の8月に、瑞浪市と高浜市が姉妹都市の提携を結んだことと、瑞浪市制35周年がきっかけになっています。そう、八王子神社に由来とかではないのです。ですから、この狛犬にお願いをしたらどうといったものはありません。

 製作にかかわったのは延べ1,000人、かかった期間は合計183日です。陶製ですから、窯で焼かないといけません。燃料は松割木5,000束。約80トンのレンガからつくった窯にはドラム缶9本を繋いだ煙突。約12日間・273時間もの間焼き続け、一週間かけて冷ましたのです。

 高さ3メートル、15トンもの狛犬を窯からどうやって出したの?と思われるでしょうが、実は、窯の出し入れはしてないんです。逆の発想で、まず先にこの場所で狛犬を作って、それを覆うように窯を作って、焼きあがった後に窯を壊したのです。

 ですから、今も窯の一部と煙突の下部は壊しきらずにそのまま残されています。

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 すごいことはわかったのですが...なぜ、作られたのでしょう。それは...。

 自由に使える1億円あったからです。

 平成元年、1億円。もう...おわかりですよね。

 あの、日本がバブル景気に沸いていた時に作られたものなのです。当時国は「ふるさと創生事業」として、使い道について国が一切関与しない1億円を、地方交付税の形で各市町村に配ったのです。各市町村に1億円。ほんと、景気のいい話です。さすがバブルです。

 世界一の美濃焼こま犬。まさにそれはバブルの化身。それを思うと「ああ、これが世界一かあ」という漠然とした感想から、見る目が変わります。狛犬だけでなく茶壷があるのも、予算1億円を狛犬だけでは使い切れなかったということでしょう。

 さあ、世界一のこま犬を見て、1億円にあやかろう。バブルにあやかろう。あの頃の日本にあやかろう!

世界一の美濃焼こま犬(岐阜・瑞浪市)MAP

瑞浪市 世界一のこま犬

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