03.ぶらり関西 あまのじゃくツアースペシャル

奈良に鹿がいるのってどうしてだっけ?-奈良公園

記事公開日:2008年10月14日

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 ふらっと近鉄で奈良へとやってきました。奈良といったら定番の奈良公園。近鉄奈良駅から頑張れば徒歩で行くことができます。小学生の頃に修学旅行で訪れた際に、やたらと大きな神社やお寺があるという印象を受け、野放しの鹿たちにちょっと怖さを感じたものです。

 今回は、そんな鹿たちのいる奈良公園と、周辺の春日大社、東大寺を見て行きます。そもそも、どうして奈良公園には鹿がいるの?

実は大部分が国有地

 近鉄奈良駅から東へと歩いていきますと、まず見えてくるのが国宝の五重塔と東金堂のある興福寺。藤原鎌足ゆかりのお寺で、藤原氏の氏寺となっています。さらに歩いていきますと、右手に奈良国立博物館が現れます。1995(H7)年に開館100周年を迎えた歴史ある博物館で、仏教と関わりの深い古美術品や考古遺品などが保存されています。

 国立博物館のはす向かいには奈良県庁があります。あれ?奈良公園ってどういう位置づけなの?と思い調べてみると、実は大部分が国有地なんですね。それを無償で奈良県が借りる形で、県の管理下に置かれているのです。

 そうすることで、二重の管理体制で景観を維持しているわけですね。ですから、興福寺から先にはコンビニなんてものは一切ありません。

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あうんの呼吸でお出迎え

 国立博物館を越えて、その名も「大仏殿」という交差点を左へ曲がると、東大寺です。このお寺は奈良時代に聖武天皇が建立したもので、奈良の大仏こと「盧舎那仏(るしゃなぶつ)」を本尊としています。

 まず出迎えてくれるのが、国宝の「南大門」です。現在あるのは2代目...と言ってもなんと1199(正治元)年に再興されたものですから、今から800年以上前のものです。水平にいくつも木材を配し、柱を貫通させることで頑丈にする構造となっていて、さらには天井を張らないことで装飾した構造材を見せる形なので、門のなかで上を見上げるとものすごい吹き抜け感を感じます。そして横から感じる目線...。

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 南大門の両側には、高さ8.4メートルもの大きさを誇る木造の金剛力士立像があります。向かって右が吽形(うんぎょう)、左が阿形(あぎょう)で、一般的な配置とは逆になっています。

「阿」は口を開いて最初に出す音、「吽」は口を閉じて出す最後の音。この二つは宇宙の始まりと終りを表し、この二人の息がぴったり合えば「阿吽(あうん)の呼吸」となるわけです。もちろんこの像も国宝。

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残念、鏡にならず

 南大門をくぐると、右手に「鏡池」が見えてきます。天気の良い日には、この鏡池に中門や大仏殿がまるで鏡のように映るのですが、残念ながらこの日は雨で鏡とはなってくれませんでした。

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 その先にある中門は重要文化財です。大仏殿を取り囲むようにコの字形の回廊が伸びています。こちらは1716(享保元)年に再建されたものです。そしてその中にあるのが大仏殿です。

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奈良の大仏と言えば...

 大仏殿は正式には「東大寺金堂」といいます。奈良の大仏こと盧舎那仏像は、745(天平17)年から7年がかりで製作されたものです。

 奈良の大仏といって、どうしても最初に思い出してしまうのが鼻の穴ですね。大仏殿の柱には、大仏の鼻の穴と同じサイズの穴がわざわざ作ってあって、そこをくぐるとご利益があるといわれています。

 ただ、何のご利益があるのかは曖昧で、機転が利くようになるだとか、病気にならないだとか、幸せになるなどと言われてますが、どれも民間信仰なのだそうです。まあ、かなり小さな穴ですから、抜けられるということは肥満ではない=健康ということだけは間違いないですね。

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続いて春日大社に

 東大寺を後にして、春日大社へと長い参道を歩いていきます。いよいよ鹿たちの姿が多く見受けられるようになり、鹿せんべいを売る露店も増えてきます。

 春日大社は、かつてこの奈良に都が置かれた際に、その平城京の守護のために創建されたもので、藤原氏の守護神である「武甕槌命(タケミカヅチノカミ)」「経津主命(フツヌシノカミ)」「天児屋根命(アメノコヤネノミコト)」「比売神(ヒメノカミ)」4神を祀っています。

 ですので、創建は平城京が遷都された1300年前の710(和銅3)年にまでさかのぼります。

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藤原さんはどこから入る?

 春日大社では、2015(H27)年に60回目の社殿修理工事を行う第60次式年遷宮が予定されています。20年ごとに行われているとのことで、伊勢神宮と同じスパンですが2年ずれています。

 春日大社にお参りするには、本社の正門とされている重要文化財の「南門」から入ることとなります。こちらは重要文化財です。かつては藤原氏以外の苗字の人が入るための門として設けられたものです。朱色がとてもあざやかで雨の中でも映えます。あまりに色がきれい過ぎて、1179(治承3)年創建とは思えないのですが、800年以上前のものです。

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 4神を祀っている神社ですので、本殿も4つあります。しかし拝殿はなく、参拝者は幣殿の前で、特別拝観を申し込んだ人は本殿前の中門から参拝する形となります。

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 春日大社には、摂社・末社が61社祀られているのですが、そのなかで南門の南側にある12社は、福徳円満・諸願成就にご利益があるといわれ「福の神12社めぐり」として信仰を集めています。特に夫婦の大国様を祀る「夫婦大国社」は日本で唯一の存在で、夫婦円満にご利益があるとのこと。

 夫婦になった際にはぜひともお参りしたいと思います。その前に大国様には、出雲大社でお願いした件を、ぜひともよろしくお願いしたいところです。それを叶えていただかないと、そのお参りができませんので...。

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そうそう、どうして鹿がいる?

 あまり時間がなかったので駆け足になってしまいましたが、奈良公園をざっと見てきました。春日大社を後にする際にも、鹿たちをたくさん見かけることができました。

 そうそう、なぜ奈良公園に鹿がいるのかといいますと、春日大社が祀る「武甕槌命(タケミカヅチノカミ)」が白鹿に乗ってやってきたことから、ここでは鹿が神使とされているのです。

 ですから鹿は神聖な存在。

 でもやっぱり角は怖いということで、毎年この季節には「鹿の角きり」という行事が行われます。このときは行事の前だったのですが、鹿たちの角は既にありませんでした。

 角のある鹿たちは、きっと角きり行事のためにどこかに集められていたのでしょう。切った角ってどうするのかな?答えは後ほど。

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鹿がアイデンティティ

 奈良といえば鹿、というイメージはやっぱり強いのか、奈良公園を走る奈良交通バスの壁面にも鹿のシルエットが描かれているだけではなく、奈良交通が導入しているICカード乗車券の名は「CI-CA(シーカ)」。

 もうね、敢えて捻りが全く無いのがすばらしい。

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 そして今、鹿の角で物議を醸し出しているのがアイツ、「せんとくん」です。せんとくんとは、2010(H22)年に開催される「平城遷都1300年祭」のキャラクターで、童子の頭に鹿の角が生えたその奇抜過ぎるデザインが話題となり、知名度は抜群です。

 仏教関係者からは、仏様を侮辱しているという声も。

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 まあ確かに、仏様の頭に神の使いの角を生やしちゃったわけですからね...。近鉄奈良駅にもせんとくんのイラストは大きく描かれています。その前にたたずむ行基菩薩は何を思う...。

 ということで正解は、切った鹿の角は童子の頭に刺す、でした。

 では、そのせんとくんが再来年に大活躍する、平城遷都1300年祭が行われる予定となっている場所、かつて都のあった平城宮跡に行ってみます。

関連情報

奈良国立博物館
東大寺
春日大社

奈良公園(奈良市)MAP

奈良公園

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