NAGOYANOW 名古屋外食産業事情特集

外食産業の発展から見ても…餡がとっても大好き名古屋っ子

記事公開日:2005年12月3日

 名古屋の外食産業事情ということで、これまではファミリーレストランを主に見てきました。名古屋における他地区資本ファミレスチェーンのの動向と、名古屋資本のファミレスがどのような状況になっているのかがお分かりいただけたと思います。

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名古屋はファーストフードも独特?

 さて、他の地方から名古屋へやってきた場合、名古屋独特の外食チェーンを見かけることがあるかと思います。逆に、全国展開しているにもかかわらず、実は名古屋のチェーンだったということもあります。そこで今回は、ファミレス以外の外食産業動向を名古屋を中心に見ていきます。

 まずはファーストフード。もちろん名古屋にもマクドナルド、ロッテリア、モスバーガー、そしてケンタッキーフライドチキン、吉野家など、全国チェーンの店舗はあります。しかしやはり名古屋は味覚が違うという意識があるのか、マクドナルドはかつて、2002(H14)年の年末から翌年2月にかけて、名古屋地域限定メニューを登場させたことがありました。マクドナルドが地域限定のメニューを導入したのはこの時が初めてでした。

 その名は「マック小倉処」。メニューはふたつで、「こだわりおぐらパイ」と「プチパンケーキおぐら」が各150円で販売されました。名古屋はトーストに小倉を塗るほどあんこが好きな地域。地元の喫茶店チェーン「コメダ珈琲」では、あんこを単品メニューとして揃えているほどです。当時マックで私も「プチパンケーキおぐら」を食べましたが、パンケーキと小倉は意外とマッチしていました。

 しかし、他の地方では絶対はやらないだろうなぁとも思いました。当時、好評であれば延長そして全国販売...と新聞にありましたが、それ以降音沙汰はありません。

「大体、パンにあんこって...」と言われる方が全国には多いと思いますが、菓子パンの「小倉&ネオマーガリンは食べたことはありませんか?「ああ、それなら」と思ったあなた。あの菓子パンを製造しているのはパスコ。パスコは生粋の名古屋の会社です。知らず知らずのうちに、あなたも名古屋の味を食べているんですよ。

ハンバーガーよりチキンより、ラーメン

 さて、名古屋で地元のファーストフードとして今も昔も不動の地位を確立しているのは、ハンバーガーでもチキンでもありません。ラーメンのSugakiya(すがきや)です。

Sugakiya(スガキコシステムズ)

 Sugakiyaは、スガキコシステムズが運営するラーメン店で、ショッピングセンターのフードコートによくその姿を見かけます。メニューのラインナップはラーメンと甘味。ラーメンは豚骨をベースに和風だしと、いわゆるうまみ調味料が入った味で、とんこつラーメンよりもさらっとしています。

 そのラーメンにチャーシューが入った肉入りラーメン、肉と卵が入った特性ラーメン、ねぎラーメン、温野菜ラーメンなどがありますが、ベースのスープは全て同じです。

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▲すがきやで渡されるベル。スーちゃんでおなじみ。

 Sugakiyaは特に学生に人気があります。なぜかといえばそれは価格。ラーメンは一杯280円。甘味もソフトクリームが140円で、最も高いパフェでもわずか230円です。しかも出来上がるのが早い。名古屋で学生時代を過ごした人であれば、たまにふとすがきやのラーメンが食べたくなるという中毒性があります。

 かつては首都圏のスーパーにも広く進出していましたが撤退。近年の名古屋ブームに乗って再び東京進出を図っています。ここでもやはり、デザートメニューの大半はあんみつやクリームむぜんざいなど、あんこを使ったもの。やはり名古屋っ子はあんが大好き。

 Sugakiyaは、意外と関西地区に店舗が多く、名古屋の味と知らずに食べている関西人も多くいることでしょう。すがきやグループにはインスタント食品を作っている「寿がきや食品」という会社があり、こちらは全国でインスタントラーメンを販売していて、東北や近畿でもテレビコマーシャルが流れています。

 しかし、その寿がきや食品が販売している定番商品の「本店の味」というラーメンはしょうゆ味なので、Sugakiyaの本店の味というわけではありません。お店の味は「名古屋の味Sugakiya和風とんこつラーメン」という名で販売されていますので、昔は近所にSugakiyaがあったのに...という関東方面の方も、これを買えば懐かしい味に再会することができます。

 ただ、この「名古屋の味~」が、関東のスーパーに陳列されているのかはわかりませんが。

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▲ちょっとリッチに特製ラーメンデザートセット(670円)。

実は名古屋が発祥の地なのです

カレーハウスCoCo壱番屋

 さて、名古屋っ子にとってもうひとつのファーストフードといえばカレーライスです。そのお店は、ふとビルの1階にテナントとして店を構えていたり、駅前や大通り沿いに単体で店舗を出店している「カレーハウスCoCo壱番屋」です。

 2005(H17)年5月には東証1部に上場を果たしており、店舗は北海道から沖縄、果ては上海、台湾、ハワイにも出店していて、その数は1,000店舗以上。ですので、名古屋の会社だと知らずに食べている人が、全国にはたくさんいらっしゃると思います。

 他のカレーとは一線を画すカレーの味は、まさにココイチの味としか表現することができず、他のカレーで代用することはできません。カレーの味は一種類しかありませんが、トッピングを自由に選ぶことができ、季節に合わせた食材を展開しているので客を飽きさせません。

 辛さもスパイスによって調節することができ、ご飯の量も自由に選択できます。かつては何キロかのカレーライスを食べるとタダ、というイベントを行っていて、店内には記録達成者の写真が貼ってあったりしましたが、上場に向けてコスト意識が高まったのか、最近はそのような掲示は見られなくなりました。この「1,300g超大盛り達成にチャレンジ」は、2003(H15)年8月に終了したとのことでした。

 ココイチの1号店は清須市(当時は西枇杷島町)にオープンしました。1978(S53)年のことです。店舗展開はフランチャイズ展開をしていますが、他の飲食チェーンのように、独立開業希望者を募集して、少しの研修を経て開業させるのではなく、社員ののれんわけによって店舗を展開するという方法を採っています。

 独立開業を目指す人は、まずは壱番屋の社員となって店舗の運営や、経営の基本を2年から5年かけてじっくり学び、それからようやく独立して店舗を持てるということになります。これは、開業者のことを真剣に考えているという面と、ココイチという看板に傷を付けたくないという面の、いかにも名古屋っ子らしい両面の発想が会社側にあるような気がしてなりません。

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▲カレーハウスCoCo壱番屋。写真は新CI導入以前の店。

カレーは全国に広まった、次は?

 カレーハウスは全国に行き渡りました。そこで壱番屋は新業種を次々と生み出しています。2002(H14)年にはカレーパン屋、2003(H15)年にはカレーうどん専門店「麺屋黄粉壱(めんやここいち)」を誕生させました。そしてとうとう、カレーとは別の分野にも進出したのです。同年、パスタの専門店「パスタ・デ・ココ」をオープンしました。

 パスタといっても普通のパスタではありません。名古屋のビジネスマンの昼食では定番となっている、「あんかけスパゲッティ」です。

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▲ココイチの新業態「パスタデココ」。

 あんかけスパゲッティとは、とろみを持たせたトマトベースのソースをドバっと太いパスタの上にかけるもので、名古屋独特の食べ物です。ソースは全て同じ味でありながら、そこに乗せるトッピングによってメニューの幅が広がるものです。パスタ・デ・ココは現在名古屋を中心に15店舗展開しています。

 カレー屋さんがスパゲッティ、しかもあんかけスパゲッティだなんて、と思われるかもしれませんが、実はこのあんかけスパはココイチにピッタリのものなのです。ソースとパスタの麺は全て一緒で、トッピングによってメニューが広がる。これって、ココイチのカレーと全く同じですよね。ソースとライスは全て一緒で、トッピングによってメニューが変わるという...。

 よくそのあんかけスパに注目したものだ、さすがココイチだ、これならココイチは前途洋洋、株でも買うかと思ったのですが、カレーとあんかけスパには大きな違いがあることに気が付きました。それは、名古屋以外への進出が全く不透明であることです。当たり前のことですが、カレーは名古屋以外の人も普通に食べています。

 しかし、あんかけスパは名古屋以外の人にとって名前も聞いたことの無いメニューです。パスタ・デ・ココの成功の鍵は、名古屋以外の人があんかけスパを食べてくれるのか、そこにかかっています。

 ここでもやっぱり、名古屋っ子はあんが大好きなのですね。

 ...。

 ん?

協力:yueさん

※以上は2005/12/03にメールマガジンとして発行したものです。


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