NAGOYANOW NOWレポート

100年ぶり!に開かれた「名古屋の山車まつり」を映画で記録・完成へ

記事公開日:2011年2月7日

写真

★100年ぶりの大山車まつりを記録
★名古屋の美しさとは
★間もなく記録映画が完成します

 昨年、名古屋は開府400年で大きな盛り上がりを見せました。なかでも、開府300年以来、100年ぶりに開かれた「大山車まつり」では、普段は名古屋各地に納められている豪華絢爛な山車が一堂に会し、その美しさと迫力は多くの人を魅了しました。

 その「大山車まつり」を中心に、一年に渡って、名古屋に残る山車を記録したドキュメンタリー映画を製作している監督さんが円頓寺商店街で活動されていると知り、お話を伺ってきました。

 次は100年後、開府500年の西暦2110年まで見られない...。そんな100年に一度の名古屋を記録した映画にかける思いとは。

写真

名古屋の山車を未来に

 今回お話を伺いましたのは、2009(H21)年に西区の円頓寺商店街を舞台にした映画「歪屋(ひずみや)」を製作した、名古屋活動写真の代表であり映画監督の森零さん。

 俳優として活躍し、東京、ニューヨーク、カルカッタでの生活を経て、現在は名古屋で名古屋にこだわった映像作品を手がけられている一方で、円頓寺に雑貨店「零屋」を構え、自らアクセサリーやアート作品を製作・販売されるなど、多彩な活動を行っていらっしゃいます。

写真

 映画「歪屋」がタイムマシン「時限時計」で名古屋の過去と未来を行き交う冒険活劇であったのに対し、今回は名古屋の今を記録したドキュメンタリー映画。しかもなぜ、山車なのでしょうか。

 きっかけは、森監督の地元である東区の筒井町の天王祭で、神皇車について歩いたことだったそうです。その風景を、映像に携わるものとして未来に残したいという思いから、今回のプロジェクトが動き出したのです。

「映像とは、時空間を物質化すること。物質化しておけば、伝えられる、感じられる。宝物になる時空間を映像という形にしたかった。」

写真

まつりと山車と現実

 戦災で多くの山車が焼けてしまったものの、今も名古屋にはたくさんの山車があり、地元の方々の手によって大切に保存されています。お祭りの際には、お囃子とともにからくり人形が披露され、神さまが乗った山車を曳く、触れることで人は喜びや誇りを持つことができ、山車、そしてお祭りは多くの人に愛され続けています...。

 と言いたいところなのですが、現実問題として、少子高齢化そして地域の繋がりの希薄化が進むとともに、お祭りの担い手は減り、後継者不足が問題となっています。そんななかでの、100年ぶりの大山車まつり。それを映像として残すことで、少しでも多くの人に、「こんな素晴らしい文化が名古屋にはあるのだから、大切にしていかなければならない。」という思いを抱いて欲しい...。それも、映像作品として残す大きな意味のひとつであるとのことです。

写真

 昨年は、その大山車まつりだけでなく、開府400年事業の一環として、各地で名古屋の山車が曳かれる行事が行われ、森監督は延べ100台のカメラ、延べ150人のスタッフで、お祭りそのものだけでなく、準備や練習の様子も撮影し、名古屋の人々が100年ぶりのお祭りに向かってひとつになっていく様子を克明に記録したそうです。

 実際のところ、100年ぶりということは、前回は1910(M43)年。100年前の祭りを知る人はほとんどいません。なので、当時の写真や、伝承を元に、今回のお祭りは3年に渡って準備されたものだったそうです。その写真というのが、徳川最後の将軍が撮ったものだったりするわけで、そんなエピソードに、いかに久々であるかということを思い知らされます。今回製作されるこのドキュメンタリー映画は、来る2110年の開府500年祭の際に、唯一の資料としてきっと活用されることでしょう。

 なぜ唯一なのか。

 そうなんです。今回のこの開府400年・名古屋の山車まつりは、この森監督の手による映画でしか、全てを網羅した映像作品としては残されないのです。

写真

美しい名古屋を見て欲しい

 ところで、東京、ニューヨーク、カルカッタで生活してきた森監督は、なぜ今、再び生まれ故郷の名古屋に戻ってきて、名古屋を舞台にした映画を撮っていらっしゃるのでしょうか。

 ほとんど名古屋を出たことの無い私は、外に出たことのある名古屋っ子に、どうしても「外から見た名古屋の魅力」を聞きたくなってしまいます。すると、こんな答えが返ってきました。

「名古屋は美しい街」

 監督は言います。名古屋は街でありながら、のんびり自分のペースを保ちやすいゆったりとした時間が流れていて、お城を中心として、江戸時代から続く美しい風景がたくさん残っている、と。

 しかし、そんな「美しい名古屋」は、残念ながら注目を浴びることはほとんど無く、今回の、そんなお城の前に山車が曳き揃えられる様子はまさに「美しい名古屋」が形になったもの。少しでもたくさんの名古屋の人、そして名古屋以外の人にも、名古屋にはこんな美しい風景と伝承が続いているということを知って欲しいという思いも、今回の作品には込められているのです。

写真

自分もその美しさに触れたい...

 現在、編集作業が進められている「開府400年 名古屋の山車まつり」は、名古屋の伝統文化を、名古屋の人がいつでも触れられるようにと、名古屋市内の小中学校や高等学校、公共機関、美術館、博物館、そしてもちろん山車の保存会などに配布される予定となっています。

 1月30日に、ZIP-FMのナビゲーターIRENE(イレーネ)さんによるナレーションが収録され、2月中旬頃完成、そして3月に配布される予定となっています。

 なお、この映画は市や放送局の事業というわけでなく、森監督の名古屋活動写真による自主制作という形で製作されていまして、完成後の一般販売の予定はありませんが、現在協賛という形で寄付を受け付けていまして、協賛者にはDVDが進呈されることとなっています。

写真

 今回、まだ編集段階での映像を一部拝見させていただいたのですが、実際に山車が一斉に曳かれるその美しさに魅了され、担ぐ人々の迫力に圧倒され、そして、携わる人々の笑顔に引き込まれました。

 年齢や時代を越えて、その空間に集う山車を中心とした温かい空気。その時空間を切り取った今回のドキュメンタリー映画。名古屋を愛する人なら、ぜひとも手元に置いておきたい作品であることは間違いありません。完成が楽しみです。

関連情報

名古屋活動写真
大山車まつり

零屋(名古屋・西区)MAP

愛知県名古屋市西区那古野2丁目8−8

スポンサーリンク


-NAGOYANOW, NOWレポート
-

Copyright© TOPPY.NET トッピーネット , 2017 AllRights Reserved.