トッピーの放送見聞録

話題の美濃加茂市にあるラジオのスタジオはどうなる?

記事公開日:2014年2月6日

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★美濃加茂市発のラジオ番組が終了することに
★今、話題のあの作品のあの先生も登場!
★失ってしまうと二度と取り戻すことは困難...

 この街を舞台にしたライトノベルがアニメ化され、街おこしに一役買っているものの、その過激な方向性と街おこしというイメージが合致しないことから、ネットで話題騒然となっている岐阜県美濃加茂市。その美濃加茂市にあるラジオ局のスタジオが今、揺れています。以前、そのライトノベルの作者もラジオにゲストとして登場し、その回の放送もまだ聞くことができるのですが、まもなくそのスタジオからの番組が、幕をおろそうとしています。

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美濃加茂発のラジオ番組が終わってしまう...

 中山道太田宿から程近い、太田本町1丁目にある美濃加茂商工会館。その1階にあるラジオスタジオがFMラインウェーブ株式会社の「みのかもHOTスタジオ」です。このスタジオからの番組が、まもなくその姿を消してしまうというのです。しかし、ラジオ局自体が無くなるわけではありません。

 FMラインウェーブ株式会社は、「FMらら」という愛称で美濃加茂市、可児市、御嵩町の2市1町などを株主として設立され、放送を行っています。本社が置かれているのは可児市。開局当初は美濃加茂市と御嵩町には放送拠点がありませんでした。

 それが2013(H25)年春、緊急雇用創出事業として美濃加茂市と御嵩町に事業所が置かれることとなり、それぞれ「みのかもHOTスタジオ」「御嵩ミーモスタジオ」が設置され、スタッフも雇用され、美濃加茂、御嵩、そして本社の可児からそれぞれ生放送できる体制を整えました。

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 市町村単位での放送を行うコミュニティFM局は、災害時に威力を発揮します。FMららが設立されたきっかけも、以前の豪雨災害で災害情報を届けられなかったことを地元政財界が悔やんでのものです。ですので、放送対象すべての自治体から常時生放送を発信できる体勢を整えることは大きな意味がありました。

 しかし、緊急雇用創出事業は時間に限りがあります。美濃加茂も御嵩も、スタジオ・番組を存続するとなれば、自治体が独自で予算を組んで継続しなければなりません。

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みのかもHOTスタジオが取り組んできたこと

 美濃加茂市の「みのかもHOTスタジオ」からは、常時番組が放送されてきました。金曜朝の「FMららモーニングライン」、金曜午後1時からの「地元情報バラエティみのかもっと!」そして、こちらは一足先に終了してしまいましたが、土曜には地元バンドによる音楽&トーク番組も美濃加茂から発信されました。

 そのうち「地元情報バラエティみのかもっと!」は、みのかもHOTスタジオのスタッフが、それこそ美濃加茂市じゅうを駆け回り、時には市民にインタビューし、時には市民をスタジオにゲストとして迎え、地元・美濃加茂で頑張る市民をひとりでも多く紹介し、その姿を多くの市民に知ってほしいという思いで、2013(H25)年4月から放送を続けてきました。

 また、この番組はFMららのホームページでアーカイブ化されており、過去の放送を全てパソコンとスマートフォンで聞けるようにPodcast配信も行うなど、美濃加茂市在住の人はもちろん、美濃加茂を離れて暮らす方々にも届けられる工夫がなされました。

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 スタッフの大吉さんは「3歳の子から80代の元気な方まで、こんな人が美濃加茂にいるんだよと、市民の方に一人でも多く出てもらって、感情豊かに声で、それぞれの方の思いを伝えられたんじゃないかと思います。当事者の声をお伝えすることで、美濃加茂の盛り上がりに繋がればと思ってやってきました。」と、みのかもっとの意義を振り返ります。

 市民の方はどなたも協力的で、困ることが無かったのが、美濃加茂の良い地域性なのではないか、とも仰っていました。あくまでも市民の方がメインで、旬の地元情報を伝えることに注力してきたそうです。

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生放送を見学しました

 毎週金曜午後1時から放送されている「地元情報バラエティみのかもっと!」の生放送の様子を見させていただきました。この日は、地元企業にスポットを当てる「みのかもHOTカンパニー」特集。2つの地元企業のトップをゲストとして迎えていました。

 まずは、美濃加茂市加茂野町・桜井食品株式会社の桜井社長。安心安全はもちろんのこと、消費者のことを本当に考えた結果、オーガニック・自然食品にたどり着いたという社長の思い。また、食品会社としての会社と従業員との信頼関係というお話は、とてもタイムリーでした。

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 もう1社は、美濃加茂市西町・初穂製菓株式会社の尾崎社長。芸能人御用達、その知名度は全国区を誇る「小さな小さな姿あられ」がいかにして誕生したのか。また、娘婿として会社を引き継ぎ、いかにしてここまで会社を前進させてきたのかというお話からは、パワーが伝わってきました。

 地元企業のトップを呼んでじっくり掘り下げてお話をする、これも、地元の商工会館にスタジオを構えているからこそですね。

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この回の放送はこちらからお聴きになれます
みのかもっと・第42回 平成26年1月24日放送

 また、美濃加茂市は外国人の方も多く在住し、その方々のために多言語でのコーナーも毎週設定されており、この日は日本、ブラジル、フィリピンそれぞれの買物事情の違いについて市内で暮らす外国人の方にお話を伺い、インターナショナルな相互理解に役立つ内容となっていました。

最終回を迎えるに当たって

 みのかもHOTスタジオのスタッフは6人。途中で入れ替わりもあり、現在は大吉さん、宮田大樹さん、ととまるさん、ゆらさん、ゆみ姉さん、CANOさんによって運営されています。この日、残念ながら宮田さんは別件でいらっしゃらなかったので、先ほどの大吉さんを含め、5人それぞれにお話を伺いました。

 ラジオ業界に入りたいと、専門学校で技術を学び、このみのかもHOTスタジオのスタッフとなったととまるさんは...「学生時代とは全然違って、リスナーさんを常に意識して番組を作ることの重要さがわかりましたね。聞く人の耳に入ったときにわかってもらえるかどうか。そのためにはいろんなこと、いろんな人に出会い、全てのことに興味をもつ、その大切さを学べました。」

 以前、ファッションモデルをしていたというゆらさんは...「美濃加茂じゅうのいろんなところへ行って、見て、実際の現場で取材をするのは本当に楽しかったですね。自然豊かな山から、おいしいものまで、本当にいい社会経験をすることができました。成長できたと感じます。」

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 7月からスタッフに加わり、もともとFMららでパーソナリティをしていたゆみ姉さんは...「若いスタッフと一緒に番組作りをすることで、若い頃にやり残したことをさせていただいているといいますか、自分が磨かれていく、幅が広がっていく感じがしましたね。地元を見直すいいきっかけになりました。完成度の高いものを世に送り出すいう気持ちを常にもてたことを、これからも活かしていきたいです。」

 そして、10月に加わったシンガーのCANOさんは...「以前もラジオには出演したことがあったのですが、いざ、作り手の側に立って、ラジオの奥深さに気づくことができましたし、いかにしてラジオ番組が制作されているのか、とても勉強になりましたね。これからもこの経験を活かして、歌とおしゃべりを磨いていきます。」

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生放送は2月まで、番組は3月まで

 この1年間で、本当にたくさんの方がゲストに登場し、そのもようは「ららPodcasting・地元情報バラエティみのかもっと!」のページ、およびiTunesからダウンロードして聞くことができます。

 冒頭でも紹介しましたが、この美濃加茂を舞台にアニメ化され今、話題になっているライトノベル「のうりん」の原作者・白鳥士郎先生も3回登場しており、その回の放送を今も聞くことができます。

みのかもっと・第1回 2013年4月5日放送分
みのかもっと・第2回 2013年4月12日放送分
みのかもっと・第26回 2013年9月27日放送分

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 ところが、みのかもっとの番組終了とともに、この番組アーカイブも今年度をもって聞けなくなってしまうとのことです。

 緊急雇用創出事業として設置された、みのかもHOTスタジオから放送されている「地元情報バラエティみのかもっと!」は、2月28日(金)の放送をもって生放送を終了し、以降は録音番組として放送され、3月28日(金)が最終回となります。

 また、みのかもっとが終了することで、美濃加茂市民がラジオを通して地元のことを発信する手段を失ってしまうことになるかもしれません。

美濃加茂市民の声が届けば残るかもしれない

 この、みのかもHOTスタジオからは、電波が発射できるように設備が設けられており、このスタジオとFMららの本社は常時電波で結ぶことができるようになっています。非常電源も完備されており、災害時にはこの美濃加茂からもFMラジオに直接、情報が発信できる体制になっています。

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 万が一、みのかもHOTスタジオが廃止されてしまうということになれば、再度設置するためには相当な費用が必要になってしまいます。経営規模の小さなコミュニティFM局にとってそれは事実上不可能と言えるかもしれません。

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 地元FMラジオ局を、可児発だけの局にしてしまうのか、引き続き美濃加茂発の番組も流れる局にするのか、それを決めるには、この年度末までに動きが必要ということです。

 美濃加茂市民の方から「災害時にも、美濃加茂にもラジオのスタジオが必要だ。普段から、美濃加茂発のラジオ番組が必要だ。」という声があがれば、ひょっとするとこのまま存続ということになるかもしれません。今、全国的にも美濃加茂市が注目されているなかで、また、市制60周年をまもなく迎えるこのタイミングで美濃加茂からの情報発信手段を失ってしまうのは、あまりにも残念すぎるのではないでしょうか。

追記

 JR美濃太田駅に観光案内所と併設される形で存続になりました。

取材協力

FMらら(FMラインウェーブ株式会社)

関連情報

FMらら みのかもHOTスタジオ(岐阜・美濃加茂市)MAP

岐阜県美濃加茂市太田本町1-1-20

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