03.西区 名古屋を歩こう

あま~い誘惑に気をつけて

記事公開日:2004年4月10日 更新日:

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アートはもうやめですか?-メイテック

 緑道を西に歩くと国道22号に出ます。右に曲がり国道を歩きます。このあたりが枇杷島の北端で、かつての琵琶という文字を残した琵琶里橋や琵琶里郵便局があります。ここも片側3車線という大きな道路で、人の歩く姿は見当たりません。すると国道が左に折れ曲がります。その曲がり角にメイテック名古屋テクノセンターがあります。かつては日比野克彦さんデザインの派手な外観をしていて名物となっていたのですが、現在はグレーの普通なオフィスビルとなっています。その角を道なりに曲がると両サイドに工場が広がります。

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▲国道沿いの東レ愛知工場。こちらも大正時代から?

街を甘い香りで包み込み-東レ・名糖産業・文理短大

 左側は東レの愛知工場。敷地は広大で庄内川まで続いていて、堀越1丁目すべてを占めます。そして道路の右側に渡ると、あま~い香りが漂います。アルファベットチョコレートや、炭焼珈琲キャンディ、粉末レモンティーでお馴染み名糖産業の本社工場です。横を通っただけで口の中が甘くなってしまいます。しかし気になるのが、工場の上にある広告看板です。そこには「ホールズ」とあります。ホールズはキャドバリー・ジャパン社「アダムス」ブランドの製品です。自社の飴の広告ではなく、ライバル会社の広告をなぜ掲げているのか、と思ったのですが、調べてみると1961(S36)年、名糖産業とアメリカンチクル社(当時)は合弁で名糖アダムスという会社を設立、名糖産業のなかに本社を構えてチューインガムの製造を開始しました。現在も名糖アダムスはここにあり、キャドバリー・ジャパンの中部オフィスもここにあるのです。なるほど、ホールズと炭焼珈琲キャンディは親戚だったんだ...。

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▲東レ工場の入り口です。やはり時代を感じます。 画像 ▲ホールズの看板のある名糖産業の工場。あま~い香り。

 そして名糖産業の工場群に埋もれるように名古屋文理短大があります。ここには食物栄養学科と生活科学科があります。この環境であれば、常に甘い香りに包まれているのでお菓子に対する欲求を失いますし、併せて栄養学を学べば暴飲暴食をすることもなくなるでしょう。ダイエットしたい高校生の進学先に最適です。

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▲名糖産業に囲まれるように名古屋文理短大があります。

ドラゴンズ選手のおっかけ-昇龍館跡

 東レの工場を通り過ぎるのにかなりの時間かかります。そして東レの寮を過ぎると工事現場があります。ここにはかつて中日ドラゴンズの屋内練習場と昇龍館という選手の寮がありました。しかし、中日ドラゴンズはナゴヤ球場の敷地内に新屋内練習場と新昇龍館を2003(H15)年11月に建設、移転しました。ここで、色紙を持って選手の出入りを待つファンを見かけることもありましたが、これからはそういったことも無くなります。また、この敷地内から環境基準を上回るフッ素が検出されたということもあり、跡地がどう利用されるのか気になるところです。

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▲フッ素が検出された、ドラゴンズ屋内練習場跡地。

ここが名古屋一号店・エイデンの牙城に風穴-ヤマダ電機・服部家具センター

 国道22号はさらにここで左へと直角に曲がります。曲がり角には名古屋出店第一号となったヤマダ電機テックランド名西店と服部家具センターが一緒になったビルがあります。開店当時はものすごい人で溢れていましたが、ヤマダ電機の進出が進み、県内各地に出店した現在では落ち着いています。ところで、服部家具店といえば、紅白の幕のついた嫁入り専用車で家具を運ぶことで有名な家具店です。名古屋ではその名前にブランド力さえあります。その服部家具店と、この服部家具センターは全く別の会社ですのでお間違いないようご注意ください。

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▲ヤマダ電機。開店当時は私もここまで買いにきました。

食品製造が盛んな街にお似合い-食品工業技術センター

 そしてその東隣には愛知県産業技術研究所食品工業技術センターがあります。ここでは酒類、菓子、パン、農産加工品などの試験研究から食品の包装技術の研究まで行われています。ここまで歩いてきて感じるのは、西区はお菓子だけでなく名古屋のさまざまな食を支えている街ということです。名古屋の台所というと市場のようなイメージになってしまいますから、西区は名古屋の乾物屋さんということにしておきます。

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▲愛知県産業技術研究所食品工業技術センター、包装の研究まで...。

2つの業態が見事に融合・客は結合-新名西橋・寶琳寺・PASEO

 国道はその先、新名西橋を越えると西枇杷島町になります。橋の上には高速道路の高架ができ始めています。名古屋高速は明道町から名西橋を越え、名神高速の一宮インターへと接続される予定です。名西橋から先は順調に建設が進んでおり、開通は目前です。しかし、逆に明道町までの区間は調整が難航しています。

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▲新名西橋の上には、すでに高速の高架が姿を表しています。

 すると曲がり角に気になる看板があります。それは「ホテル堀越・ロマン」です。以前から気になるラブホテルではあったのですが、そこに新しい名前が付け加えられていました。「PASEO」とあります。後ほど行ってみましょう。

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▲少し前までは、もっと古めかしい看板でした。

 では、庄内川の川沿いを歩きます。すると寶琳寺があります。こちらは曹洞宗のお寺で、かつては庄内川の堤内にあったそうです。その近くに、先ほど看板があった堀越・ロマンという文字が見えてきました。河川にラブホテル。よく見る風景です。壁などは塗り替えられているようで、看板から想像していたよりも綺麗なホテルでした。そしてそのラブホテルの隣に「PASEO堀越」という、こちらは見るからに新しい建物があります。

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▲寶琳寺です。すぐ左はもう庄内川。

 ここは露天風呂、エステのあるリラクゼーション施設とダイニングカラオケ、カフェ、マンガ喫茶の複合施設となっています。今流行りのスタイルで、この日もたくさんの車が止まっていました。河川の土地活用はラブホテルというのが今までは多かったですけれど、これからはこういった方法もうまく行きそうです。これなら地元からも反対されることはありませんね。

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▲PASEO堀越です。ここを反対側から見ると...。

 ここって使い方によってはかなり良い立地条件ですよね。ダイニングカフェは大正ロマン風空間で、厳選した素材で一流シェフが腕を揮います。

 雰囲気が良くなればすぐ横には...。というわけで、合コン会場にピッタリです。

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▲PASEOの奥にホテル2つが見えます。さあ、どう作戦を練る?

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