中川区[9] 中島
貨物列車と第三セクターあおなみ線-名古屋貨物ターミナル駅
▲環状線南方向。この先は港区
愛知陸運支局から環状線を南に歩き国道1号線に出ます。南にはヤマダ電機が目に入ります。そのヤマダ電機の向こうは港区です。
▲陸運支局が近いためか愛知県自販会館があります
この昭和橋通3丁目交差点から700メートルほど先に区境があります。国道1号を西に愛知県自販会館を横目に歩きます。すると妙な立体交差が目に入ります。
▲大型トラックのみが走る、先が無い妙な立体交差
国道1号の上を横断している高架橋の入口には大型トラックが次々と入っていくのですが、その道路はこの国道1号をまたいでいるだけで、右側の建物に繋がっています。そして一般車が走っている気配はありません。
実はこれ、国道1号の北側にあるJR貨物の貨物ターミナル駅への進入道路なのです。この貨物ターミナル駅の広さは約3万平方メートル。高架の上では西臨港貨物線を走る貨物列車に揺られてやってきた貨物がトラックに載せかえられ、陸路を走ります。またその逆もあります。
▲貨物ターミナル駅。奥にはたくさんの貨物車両が見えます
現在この西臨港貨物線には、名古屋駅と港区の金城ふ頭を結ぶ第3セクターの旅客鉄道あおなみ線も走るようになり、貨物ターミナル駅横には中島駅が設置されました。あおなみ線の車窓からはその広大な貨物ターミナル駅を見ることができ、たくさんのコンテナが積まれている様子がわかります。
▲あおなみ線の車窓から見ると、貨物ターミナルは次の駅まで続く…
ちなみに、あおなみ線が貨物の線路を間借りしているように感じますが実は逆で、愛称あおなみ線こと名古屋臨海高速鉄道がこの線路の第一種鉄道事業者で、JR貨物が第二種鉄道事業者として間借りしている形になっています。これは国鉄の分割民営化の際にJR東海が第一種鉄道事業者を承継したことによるものです。
▲中島駅から臨むとずらっと並ぶ貨物が間近です
近年、輸送は鉄道からトラックにシフトしており、この貨物ターミナル駅は古く鉄道貨物輸送が主流だった時代からここにあった、というわけではなく1980(S55)年開業と比較的新しいものです。
かつて名古屋の貨物ターミナルは笹島にありました。現在は、このあおなみ線のささしまライブ駅がある付近で、2005(H17)年には愛・地球博のサテライト会場としてポケモンの遊園地が設置される中川運河の終点となっている場所です。
▲笹島駅近くにあるあおなみ線ささしまライブ駅。今はまだ何も無い
それまで笹島は、鉄道、トラック、船とマルチな貨物輸送基地だったわけです。しかし遊園地としては広い場所であっても、貨物ターミナルとしては手狭になり、しばらくはここと併用されていたのですが、1986(S61)年に笹島駅は廃止となり、現在の名古屋貨物ターミナル駅に完全移行しました。
▲広大な笹島駅跡はささしまライブ24地区として再開発中
日本一の展示・看板に偽り無し-スーパージャンボ・中島駅
さて、この中島には日本一を名乗るお店があります。巨大な名古屋貨物ターミナル駅。西臨港貨物線と同じ高さの高架状になっているということは、その下にも広大な敷地が広がっています。
この土地はJR貨物グループの名古屋貨物開発株式会社が管理していて、倉庫や店舗として貸し出しています。そこに日本一があるのです。それはもう名前からして大きさを感じさせる「スーパージャンボ」です。
▲1階部分にドーンと広がるスーパージャンボ
「中川区国道1号線沿い」というCMを、特に年末年始には大量に流しているので、名古屋っ子であれば名前は大抵知っているお店です。
何が日本一なのかと言いますと、軽自動車専門店としてです。常時800台の在庫を持ち、それを全て展示場に並べ実際に見ることができますし、その広大な敷地を生かしてお店の中に試乗コースもあります。
▲日本一800台…。何が日本一なのか
そして最大の特徴はCMのセリフにもあるとおり「すぐ乗って帰れまーす」なのです。通常、自動車というのは購入してから納車まで時間がかかります。しかし、このスーパージャンボに置いてある軽自動車は全て登録済みでナンバープレートがついているために、買ったその場で乗って帰ることができるのです。
▲上が貨物ターミナル駅、下がスーパージャンボ
あおなみ線の中島駅ができたことで、行きは電車、帰りは買った新車という芸当も可能になったわけです。今すぐ軽自動車が欲しい、どうしても明日の昼に軽自動車が欲しい、そんなわがままもこのスーパージャンボなら可能です。
しかも800台から選べます。ぜひ一度、スーパージャンボのホームページを覗いてみてください。どのページを開いてもエンドレスでCMの音声が流れるしつこさも、たぶん日本一です。
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