05.東区 名古屋を歩こう

誰でも知ってるあの社長CM

記事公開日:2004年5月28日 更新日:

画像

シキシマのブランドは無くなっても-敷島製パン

 さて、主税町の北側へ少し行くともう北区です。オアシス21が東区南端ですから、東区が名古屋市全区のなかで一番面積が小さい区であることを実感します。では主税町の北側に広がる白壁界隈を歩いてみましょう。

 出来町通の白壁交差点には、名古屋のあんこ文化を全国に広めた製パン企業、敷島製パンがあります。かつて敷島は名古屋では「シキシマ」、関東では「パスコ」とブランドを分けていましたが、コストの削減とブランドイメージの統一を目的に現在ではブランドを「パスコ」で統一しています。シキシマの名が消えたことは、名古屋っ子にとっては少し寂しく思います。しかし、本社には今も「桜のマーク」と「シキシマ」の名が残されています。

画像

▲敷島製パン本社。社名としては「敷島」の名が残っています。

純金・18金・金メッキ-金城学院中学校・高校

 そのシキシマのすぐ西側に、名古屋のお嬢様学校の代名詞である金城学院高校があり、さらに北側には金城学院中学があります。ちなみに大学は守山区にあります。公立志向の高い名古屋で、娘を金城に通わせているといったらお金持ちの証拠。ちなみに中学からずっと金城の人を「純金(24金)」、高校からを「18金」、大学のみの人を「金メッキ」と呼ぶ隠語もあります。

画像

▲金城学院高校の前の木。こちらも道路にはみ出ています。

シラカベーゼとは-白壁・長久寺

 そんなお嬢様学校がある土地柄からか、それともかつて財界の人々が住んだ主税町の閑静な住宅街の流れを汲んでいるのか、この白壁界隈には名古屋セレブと呼ばれるお金持ちの奥様方が住んでいます。東京の白金に住むお金持ち奥様「シロガネーゼ」にあやかってか、「シラカベーゼ」と呼ばれています。そんな奥様方御用達なのが、こだわりの食材を扱うスーパー、Frante。明らかに客層が普通のスーパーと違います。しかしこのFrante、経営しているのは名古屋庶民の味方、スーパーヤマナカなんですけどね。シラカベーゼの皆さんはご存知でしょうか。

画像

▲ヤマナカの高級業態Frante。名古屋セレブ御用達。

 白壁交差点から北に行くと、そんな住宅街の中に長久寺があります。このお寺も清洲越しの際にこの地に移っています。お寺の北側には尾張崎門学派の著名な儒学者・細野要斎が住んでいました。細野氏は1878(M11)年にこの地で亡くなっています。

画像

▲長久寺は金城学院中学のすぐ隣り。

亀に水を七回かけましょう-七尾神社

 出来町通に戻り、西へとどんどん歩きます。清水口交差点を越え、明和高校の手前を北に歩くと、亀尾天満宮とも呼ばれる七尾神社があります。菅原道真を祀っていて、学問の神様と言われています。境内には「七尾の亀」があり、七度水をかけると願いが叶うと言われています。なぜ亀なのかと言いますと、文亀年間(1501-04)に、七尾の亀が道真の木像をここに運んだという伝説があるからです。その後永正年間(1504-21)に社殿が造営されました。しかし、その木像は1909(M42)年に火災で燃えてしまいました。この日も、女の子が熱心にお参りをしていました。お参りしても、勉強しなきゃいい成績にはならないぞ。努力プラス運で良い結果がでるといいですね。

画像 画像 画像 画像 画像

▲別名亀尾天満宮とも呼ばれる七尾神社です。
画像
▲七尾の亀は幸運を呼ぶそうです。
画像
▲7回水をやさしくかけましょう。

ここを抜きに名古屋のCMは語れない-名古屋清水口美宝堂

 そして、先ほど通り過ぎた清水口交差点。「清水口」という地名を知らない名古屋っ子はいないのではないか、というくらい有名な地名です。それは「名古屋・清水口・美宝堂」というCMのキャッチコピーがあまりにも有名だからです。清水口にある宝石店、美宝堂のCMは一度見たら絶対に忘れることはありません。それほどインパクトがあるのです。
私の大学時代の後輩は、初めて彼女にアクセサリーをプレゼントする際、迷わずここに来たと言います。

 美宝堂が初めてテレビCMを流したのは、1981(S56)年のことでした。それはどんなものかと言いますと、映像ではなく美宝堂の写真の前に社長自らが合成され、「改装オープン記念、全館挙げての大セール、名古屋清水口の美宝堂へどうぞ」と音楽も何も無く喋るだけというCMでした。そのスタイルはバブル期になってもかわりませんでした。しかし、CMのお陰が美宝堂は大きくなり続け、とうとう社長はCMでクルーザーを乗り回すまでになります。しかし、音楽無し、社長のセリフ棒読みというスタイルは一貫していました。

画像

▲清水口と言えば、ウェディング美宝堂。

 その後、社長の孫がCMに登場するようになり、バリエーションも増えました。実はこれらの美宝堂のCM、社長の息子である専務が全てを企画しているのです。その製作本数は200本を越えているそうです。しかも驚くこと無かれ、専務は企画だけでなく、原案・コピー・絵コンテ・衣裳製作・ディレクター・編集まで一人でやっているそうです。これぞコスト削減の極地です。衣装も専務ご本人が縫っているそうですから、もう驚きです。

 名古屋以外の方には、この強烈なCMをご覧いただくことはできませんが、美宝堂のホームページへアクセスすれば、雰囲気は伝わることと思います。ホームページも強烈です。専務の部屋ではCMの裏話を聞くこともできます。CMの製作会社まで立ち上げてるんですね...専務。

画像

▲清水口にはアダルトショップ、おしゃれ下着、世界の鳥、ペットショップ大小屋、といった不思議なお店がたくさん。

>>千種区へ続く


スポンサーリンク


-05.東区, 名古屋を歩こう
-

Copyright© TOPPY.NET トッピーネット , 2024 AllRights Reserved.