三重 東海あまのじゃくツアー

エメラルド色の川面と奇岩の奥にあるものは...魚飛渓

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★夏は天然ウォータースライダーとして大人気
★神秘的な色、そして神秘的な岩
★秋や冬に来るところではないかも...

 2回に渡って、種まき権兵衛さんのお話をしてきました。その権兵衛さんの歌にも歌われていて、権兵衛さんがお守りとして持っていた「ズンベラ石」。諸説あるのですが、その石を権兵衛さんが拾ったとされるのが、又口川の魚飛渓です。

 魚飛渓は、2.5キロに渡って奇岩が連なり、夏場にはその岩を天然のウォータースライダーにして水遊びできる場所として有名で、テレビなどでもよく取り上げられるスポットです。

 しかし、今回訪れたのは暦の上で「冬」です。見どころは無いかな...と思ったら、とんでもない!

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細い険道...いや県道を進みます

 種まき権兵衛の里から、宝泉寺とは逆方向となる、西方向へと県道760号線南浦海山線を進んでいきます。その県道の番号の大きさからもわかりますとおり、道路は細く、民家を縫うように進んでいきます。

 南浦とは、この先にある尾鷲市南浦町のことで、クチスボダムにて、あの天下の酷道として知られ、別名「死(4)のアタック25号」と私が勝手に名づけた国道425号と合流します。

 すると、魚飛渓に架かる吊橋「魚飛吊橋」が見えてきますので、車を停めて周囲を散策してみます。この吊橋付近までは、県道と並行するように林道が走っていて、林道沿いには桜並木があります。大自然に囲まれた桜並木。水の青と森の緑、そして桜色がそれは美しいコントラストを描き出すことでしょう。

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夏は子どもたちの声が響きそうです

 一方、又口川に目を移すと、そこには大小さまざまな大きさの岩がゴロゴロしていて、なかには人がすべることができるほどに大きなものもあり、夏場は滑降の...いや、格好の遊び場となることがわかります。

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 でも訪れたこの時は冬。先ほどの種まき権兵衛の里には、まばらながら人影がありましたが、ここには私たち以外誰もいません。聞こえてくるは水のせせらぎだけです。

 大自然のなかで静寂に包まれながら、その又口川に架かる魚飛吊橋を渡ると...これはすごい。

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水面が透き通って美しい...なんてもんじゃない!

 吊り橋は金網状にになっていて、足元から川面が見えます。それは透き通って...どころではなく、まさにエメラルドの色。その青さに思わず言葉を失ってしまうほどです。

 それはまるで、かつてカナダで見た、氷河が溶け出して流れ出た水のような青さです。しかし、青く見えるのは深さがある部分だけで、奇岩がたくさんあるこの川は浅い部分も多く、同じ川なのに、青い部分とそうでない部分があって、これまたとても不思議です。

 夏場となれば、こんな美しい青い水の中に身を投じることができてしまうわけで、それは気持ちよさそう。

 あ、身を投じるといっても、あくまでも天然の岩の滑り台から...という意味です。間違っても、この吊り橋からそれをやってはいけません。下手したら奇岩に激突して、そのまま気持ちよーく...。

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春は花見、夏は川遊び、秋はハイキング...はダメみたい

 吊り橋を渡ると、川沿いに遊歩道が整備されていて、さらに林間歩道が便石山の山頂へと整備されています。春はお花見、夏は川遊びと来れば、秋はハイキング...かと思ったのですが、どうもそういう需要はここになさそうです。

 なぜなら、林間歩道には草木が生い茂り、とてもではありませんが、階段を上ることはできる状態ではなかったからです。

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 さらに、その先にあるはずの芝生広場は、もはや広場という概念を打ち破るほどに自然へと帰りつつありました。しかもその広場には、川へと流れ込む砂防ダムの前を横切らなければならず、まるでアスレチック状態。これ、夏場でもちゃんと芝生広場として機能しているのでしょうか?

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そういった意味でも大自然を体感

 まさにここは、作られた自然ではなく大自然。いや、それどころか、作られたはずの林間歩道やレクリエーション施設が、自然の力によって蝕まれつつあると言ったほうが適切でしょうか...。

 そして本当に誰もいない...。携帯電話も完全に圏外。自分も自然の一部であるかのような錯覚を覚えますが、いろんな意味でちょっと怖くなってきました。

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やっぱりこの時期の観光は想定していないのね

 この魚飛渓の形状石と呼ばれる奇岩は、確かに権兵衛さんが持っていたというズンベラ石のように、でこぼこがなくスベスベなものばかりでした。だから、滑り台代わりになるわけですね。

「おほほ岩」「かくれ岩」「のぞき岩」など、それぞれの岩に名前がつけられていて「約2.5キロに渡って続く形状石探索をお楽しみください」という看板が設置してありました。

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 しかしひとつ不可解な点が。その看板には「これより上流へ約2.5キロの形状石探索をお楽しみください」とあったのですが、そのうち「これより上流へ」という部分が消されていたのです。

 まさか、看板を設置したあとに、看板と形状石の位置関係が間違っていたことが発覚したとか?それとも、石の位置が川の流れによって下流にズレてしまったとか?

 そんなわけないよな...と思いながら、上流へ行こうとしてすぐに納得。

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 県道はこの魚飛渓から先は完全通行止め。そう簡単には動かせないであろうバリケードでしっかりとふさがれていました。

 落石対策工事が2月24日までという長期の工期で行われていたのです。

 ということは、逆に考えるとこの道路は需要があるというわけですね。普段、インターネットで酷道動画をよく見ていると、こういう通行止めバリケードの先というのがどうしても気になって、越えてみたい衝動に駆られますが、いけませんいけません。

 この県道と奇岩が続く先には、クチスボダムと国道425号線があります。国道425号線...忘れもしません。私がまだ免許を取る前のこと、友人たちと和歌山へと旅行に行った帰り道、好奇心から通ってみたら...それはもう酷い目に遭いました。思えば、あれが生まれて初めての酷道と呼ばれる国道との遭遇でした。

 奇岩見物も、酷道・険道探索も、気候の良いときにすべきですね。

 ただやはり、権兵衛さんのズンベラ石と同様に、この魚飛渓の岩は、大きさにかかわらずどれもスベスベでした。でもそれって、水の力でツルツルになっているのであって、ひょっとしてこの川、ひとたび雨が降ると大変なことになるのかもしれませんね。

 東紀州といえば、日本一雨が降るところ。やはり自然はナメてはいけません。そしてそんな大自然のなかを走る道路もやはり、ナメてはいけません。

魚飛渓(三重・紀北町)

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