02.中区 名古屋を歩こう

ちょっと貸してねボストンさん

記事公開日:2004年3月18日

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命のビザ・杉原千畝の母校の名は-平和小学校

 東別院の駅へと戻り、ホテルキヨシ名古屋の右側の緑道を南下します。この下には地下鉄名城線が走っています。中区平和、その名のとおりの所で、営業中のサラリーマンが車を止め、束の間の休息をとっている姿を見ることができます。そして、金属のオブジェのある平和小学校が見えてきます。

 明治から戦中まで、ここは古渡尋常小学校という名だったのですが、戦後の統合の際、平和小学校と名を改めています。戦中、平和を願い多くの命を救った卒業生がいるのです。それは、政府の意向に反し独断で発行した「命のビザ」でユダヤ人6000人以上の命を救ったことで知られる外交官、杉原千畝氏です。千畝氏は岐阜県八百津町出身で、八百津には功績を称えた「人道の丘-杉原千畝記念館」があります。名誉館長が鈴木宗男氏だったことでも有名な施設です。そんな千畝氏は八百津生まれではあるものの、父親の仕事の関係で幼少時からこの古渡地区に住んでおり、この小学校を卒業したのです。

 平和小学校では、誰の命も大切にし、思いやりを持って平和に過ごそうとする気持ちを子ども達に持ってほしいと願い、千畝氏の生誕100年を記念して2000(H12)年11月に「ちうねチャイム」を設置しました。このチャイムは、曲線の柱ふたつをリングが繋いだ格好になっています。柱はそれぞれ「命の尊さ」「思いやりの心」を、リングは「平和」「愛」を表現しています。毎日午前8時半と午後4時、平和の音が響きます。

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▲この緑道沿いの車道には、たくさんの営業車が停車していました。 画像 ▲こちらが「ちうねチャイム」です。平和がいつまでも続きますように...と。

山手線沿線のような猥雑さは名古屋では異質-市民会館・金山界隈

 西に少し歩き、大津通へ再び出ます。さらに南下すると市民会館があます。以前はここに金山体育館があり大相撲名古屋場所が開かれていました。当時の体育館には冷房が無く、酸素ボンベを噴出させていました。当時の名古屋場所は、名古屋の蒸し暑さが力士にとって一番の敵だったそうです。そしてこの市民会館のあたりからが金山界隈です。名古屋にしては珍しく雑然とした雰囲気の街並みです。例えれば山手線沿線の日暮里や神田のような感じと言ったら言いすぎでしょうか。居酒屋やカラオケ、スナックが入居するビルが建ち並び、線路脇にはラブホテルがひしめき合います。

 価格の安いラブホテルが多いのですが、私の周りではわざわざ金山に行く人は少ないです。昔からのラブホテル街なため、安いのはいいのですが、リニューアルはしているものの未だにエアシューターで会計といった古さがネックなのかも知れません。消防法の改正もあり、さすがに回転ベッドはありませんが。

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▲市民会館です。名古屋の夏、冷房無しの大相撲は見る側も辛いかも。 画像 ▲金山界隈です。地上に活気があることが違和感?

総合駅って何ですか?-金山総合駅

 そして金山橋で線路を渡ると、右側に金山駅が現れます。「金山総合駅」という駅名のとおりJR、名鉄、地下鉄がひとつの駅になっています。東京では当たり前ですが、名古屋では珍しいことです。元々はそれぞれに駅舎を構えていて、名鉄は少し離れた位置に「金山橋駅」を置いていました。それが1989(H元)年に開催された世界デザイン博覧会を契機に総合駅化されました。しかし、だからと言って駅名に「総合」という文字をわざわざ入れるセンスが理解できません。さすが名古屋です。

 その後急速に都市化が進み、現在では飲食店激戦区とマスコミで取り上げらるようになりました。栄や名古屋駅と違い地下街が発達していないことから地上に活気があり、駅前のスターバックスにも人が溢れ違和感がありません。

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▲金山「総合」駅です。駅前のスターバックスが良く似合う? 画像 ▲駅構内です。デザイン博と同時に設置されていますので、アートです。

本当に名古屋の副都心になれる日は来るか-金山南ビル

 そんな金山のランドマークとなっているのが「金山南ビル」です。1999(H11)年に完成した31階建てのビルで、名古屋ボストン美術館も入っています。このビルがあるが故に金山は名古屋の副都心と言われることがあります。しかし実際は、本当にこのビルだけがそういう雰囲気を醸し出しているのみで、オフィス街やショッピングストリートがあるわけでもありません。強いて言えば少し南に巨大なイオンショッピングセンターがありますが、イオンというところがさらに、この街のイメージを副都心という言葉からかけ離れさせています。

所蔵品ゼロの美術館の行方-名古屋ボストン美術館

 その金山南ビルにある、名古屋ボストン美術館については少々問題があります。この美術館はアメリカのボストン美術館との提携によって誕生し、展示品はすべてボストン美術館からのレンタルによって賄い、名古屋としては一切所蔵品を持たないという異色の美術館です。しかも、アメリカのボストン美術館と立場は対等で、別館という扱いでもありません。アメリカ・ボストン美術館にある約50万点もの所蔵品が、代わる代わるやってくるのです。

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▲これがあるから副都心。金山南ビルです。 画像 ▲名古屋ボストン美術館正面です。わかりにくいですが、美術館は宙に浮いています。

 何が問題かと言いますと、当然、立場が対等とは言えタダで借りられるわけではありません。名古屋側は、アメリカのボストン美術館に対し寄付を20年間続けることを契約しているのです。ところが2003(H15)年、こんな新聞報道がありました。それはボストン美術館が財政難により、2009(H21)年閉館を検討しているというものです。当初の契約の半分、10年で寄付を打ち切ることを検討しなければならないほどの状況なのです。入場者数が少ないのか、寄付の金額が膨大なのか、いや、その両方が重なり合っての結果でしょう。まだ検討段階なので、今後入場者数が増加すればまた状況は変わることとは思いますが...。

 どうやら、所蔵品を持たないことが裏目に出てしまいそうです。


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