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竜泉寺街道のお地蔵さんたちが密集-御嶽神社

 前回はガイドウェイバスゆとりーとラインの小幡緑地駅、そしてその先にある、バスが高架道路に入る専用入口の交差点まで歩きました。その交差点ですが、右へ曲がるとそのガイドウェイバス専用道路で、反対に左に曲がると、この街道の名前ともなっている龍泉寺があります。「尾張四観音松洞山龍泉寺」という大きな石碑が建っているのですぐにわかります。その石碑の入口から細い道路に入ると、道路の左側に「御嶽神社」と書かれた小さな小さな石碑があり、歩くのがやっとの道があります。少し歩くとその先は開けていています。祠のまわりにはたくさんのお地蔵さんが密集して置かれています。由来はわかりませんでしたが、道路整備などで本来の場所が開発され、ここに集められたのかもしれません。かつては竜泉寺街道の道標をしていたお地蔵さんたちなのでしょうね。

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▲この道は私道なので、用の無い方はお断りだそうです。
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▲ここから御嶽神社へ行くことができます。
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▲祠のまわりにはお地蔵さんたちが密集。

尾張四観音のひとつには百万ドルの絶景-龍泉寺

 さて、戻ってその先にある龍泉寺です。龍泉寺は、天台宗、伝教大師最澄の創建といわれており、それは延暦年間(782-805)のことと伝えられ、青銅造の馬頭観音を本尊としています。1584(天正12)年の小牧長久手の戦いでは豊臣秀吉がここで陣し、退却の際に池田勝入の部下によって放火され焼失してしまいます。その後1598(慶長3)年に春日井の密蔵院29世秀純和尚が堂塔を再興するのですが、1906(M39)年に再び放火され焼失してしまいます。しかし焼跡から慶長小判が発掘され、それを基金として現在の本堂が再興されました。仁王門と木造地蔵菩薩立像が国の重要文化財に指定されているほかに、円空仏が多数あります。毎年2月3日に行われる「節分会」には数万人の近くの参拝者で賑わいます。

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▲龍泉寺には駐車場もあり、かいうん橋で本堂へ。
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▲山門には国の重要文化財が。
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▲この仁王門は重要文化財です。左右に仁王さまが。

 徳川家康が名古屋城築城の際、名古屋城から見て鬼門にあたる4つの寺院を名古屋城の鎮護として定めた尾張四観音があるのですが、北西の甚目寺観音、南西の荒子観音、南東の笠寺観音とともに龍泉寺は尾張四観音のひとつとなっています。本堂の前には朱色があざやかな多宝塔や鐘楼「平和の鐘」などがある他、本堂の奥には復元された龍泉寺城と展望台があります。

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▲開運、厄除の文字が頼もしい本堂。
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▲朱色があざやかな多宝塔。
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▲平和の鐘ですが、開運の鐘でもあります。

 龍泉寺城は、1556(弘治2)年に織田信長の弟である信行によって築かれたのですが、どこにあったのかは、はっきりとわかっていません。その復元されたお城の前には宝物殿見返りの庭、そして百万ドルの絶景が見られる展望台があります。お寺なのに百万ドルだなんて、百万円じゃないの?と言われそうですが、お寺が設置している看板に百万ドルとあるので、間違いなく百万ドルです。春日井市街だけでなく、伊吹山から木曽の山々を見られるそうですが、本殿の向こう側は日曜祝祭日のみの公開となっていますので、平日に訪れた私は見ることができませんでした。でも、ガッカリする必要はありません。この先にも絶景が見られるスポットはあります。

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▲展望台からは百万ドルの絶景だそうです。
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▲日曜祝祭日のみの公開です。
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▲再現された龍泉寺城はこの先にありますが…、よく見えません。

かつて大渋滞したのが嘘のように…笑顔で火消し-県道15号旧道

 龍泉寺から北へと歩きます。これまで竜泉寺街道と呼んできたこの道路ですが、竜泉寺街道は庄内川の渡し舟を経由して春日井市方面へと続いていたとのことですので、この先この道路は現在の呼び方である県道15号と呼ぶことにします。県道15号はかつて片側一車線で、10年ほど前から2車線か工事を行い、現在も少しずつ北へ北へと拡幅されています。しかし、当初あった道路をそのまま全て拡幅したわけではなく、新たに道を作って、旧道はそのまま残されている部分があります。この龍泉寺の前もそうです。かつては良く通った道だけに、昔のままの風景が残っていて懐かしく思います。幹線道路から脇道に格下げされてしまったので、現在車の通行量はほとんどありませんけどね。静かな環境が戻ってきたといえばこの道路沿いの人にとってそれはいいことでしょう。

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▲かつては慢性的な渋滞場所だった龍泉寺前の道。
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▲今は龍泉寺と、このサンクリニックへ向かう人だけが旧道を通ります。

 旧道沿いには「GWOOOOOO」と怪獣が火を噴いていて、それににこやかな消防士たちが水を楽しげに放水している、やたらとポップなイラストが描かれた小幡北消防団の詰所があります。センスがいいですね。消防士が笑顔なのが何とも微笑ましい…あれ、微笑ましいのはこの場合いいのかな。

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▲ある意味シュールな消防団のイラスト。笑顔がまぶしい。

いよいよ名古屋のチベットへ-竜泉寺バス停

 片側2車線の県道15号に戻ります。すると竜泉寺のバス停があるのですが、南方向、名古屋市街へ向かうバス停には、風除け雨除けそしてバスの接近案内まであるにもかかわらず、志段味方面の北方向へと向かうバス停にはただポツンと金属製のバス停が置いてあるだけで、風除けも雨除けもありません。北方向へとバスに乗る人などほとんどいないということでしょうか。待遇に格差があります。まあ、この先は「名古屋のチベット」と呼ばれる地域なのでわからないでもないですが…。

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▲バス停も格差の時代。奥は立派、手前はチープ。

元祖スーパー銭湯&ナイター営業プール-竜泉寺ウォーターパーク

 その北方向へと歩いていきますと、左手に大きなレジャー施設が見えてきます。スーパー銭湯「竜泉寺の湯」と「竜泉寺ウォーターパーク」です。竜泉寺の湯には「夢のスーパー銭湯」という文字が光ります。いつからあるのかはわかりませんが、私の記憶では「スーパー銭湯」という言葉が一般的になる以前から存在していたと思います。会社側は「スーパー銭湯の元祖」とも名乗っています。料金は平日390円、休日440円とかなりリーズナブルです。

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▲元祖スーパー銭湯を名乗るスオミの湯竜泉寺店。
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▲ウォーターパークも併設です。
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▲駐車場からも春日井市を一望でき、絶景が見られます。

 この竜泉寺の湯で特に注目すべきは、露天風呂からの夜景です。春日井の市街地が一望できます。先ほどの龍泉寺の展望台からは夜景は見られませんが、ここからは打たせ湯に打たれながらゆっくりと夜景を眺めることが可能です。行き交う車のヘッドライト、そして走っていく電車、喧騒を遠くに見ていると、まさに天国から下界を眺める感覚…というのは言いすぎでしょうか。

 そしてテレビCMでもおなじみの竜泉寺ウォーターパークには、ウォータースライダーや流水プールなどがあり、夏休み期間中はナイター営業もしていることから、地元民の間では気軽に行けるレジャープール施設として親しまれています。中学や高校生時代に、好きな子の水着姿を眺めたい一心で、この竜泉寺ウォーターパークに女の子を誘った記憶がある方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。私にはそんな勇気はありませんでしたが…。

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▲ウォーターパークへは坂を下ります。
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▲県道からもウォーターパークを眺められますが、夏場はオススメしません。

 このプールは屋外にあるため通年営業はしておらず、毎年7月から9月中旬までの営業となっています。誘うなら夏休み前に誘っとかないと、夏休みが終わってからではちょっと日にちがありませんし、グズグズしてると、夏休みの間に他の男の子とくっついてしまうかもしれませんから、好きな子を誘うならとにかく早めに。もし誘うのに成功して、晴れてこの竜泉寺ウォーターパークにやってきたとしても安心してはいけません。まじまじと女の子の水着姿を眺めていては嫌われてしまいますよ。だって、こちらも水着姿なのですから。まあ、もう少し大人であれば、そのまま盛り上がってしまってもこの先にちゃんと行き先はありますのでご安心を。

竜泉寺2010

 竜泉寺ウォーターパークは2006(H18)年をもって営業を終了し、さらにスオミの湯竜泉寺店と施設を統合したうえで、2007(H19)年12月に「天然温泉・竜泉寺の湯」としてリニューアルオープン。これが成功し、現在では「竜泉寺の湯」というブランド名で、複数店舗展開を行っています。

関連情報

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