12.南区 名古屋を歩こう

昼はさんさん、夜はワイワイ

記事公開日:2005年6月21日 更新日:

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 大同特殊鋼の街、大同町の南は柴田です。柴田というとラジオでよくCMが流れる質店と古くからのユニーという印象があります。その先は天白川が流れ東海市です。柴田は南区の南端に位置します。大同町とは違い、古くからの商店が今も軒を連ねており生活観があります。そこにはちょっと刺激的なお店も。下町の中の下町、柴田を歩きます。

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▲大同町から国道247号を柴田方面へ。

 柴田を東西に貫く鶴見通。この通りは西へ行くと港区に入り、ワイルドフラワーガーデン・ブルーボネットのあった潮見町へと抜け、一般道としては行き止まりとなります。そして東側は国道23号へと繋がています。港区内の鶴見通は両サイドに工場が連なる工業地帯ですが、南区に入ると急に生活感が出てきます。北側には白水公園と大同工業大学白水校舎、南側には柴田小学校と大同病院。そして思わず目をひく看板を掲げるスペースがあります。まずは北側から。

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▲港区の工業地帯と柴田を結ぶ鶴見通。
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▲南区に入ると急に生活感が。区境にある白水公園。
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▲こちらは大同工業大学の白水校舎。

 白水公園付近には昔からある平屋の住宅もありますが、その平屋に迫るかのように大きなマンションが建っています。かつては工業地帯の住宅地という様相が強かったのですが、名古屋駅まで電車でわずか17分という立地の良さから最近は大きなマンションの姿も見受けられるようになりました。南側の柴田小学校にも伊勢湾台風の浸水位標が設置されています。ここは高さ3メートルまで浸水しています。南区の人々にとて伊勢湾台風は忘れられない出来事なのです。大同町、柴田とこれだけ近くにたくさん記録が残されているということがそれを物語っています。

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▲マンションの波が押し寄せています。
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▲高さ3メートルまで浸水した柴田小学校。

 柴田小学校の東側には大同病院があり、西側には「SMAP」があります。「SMAP」?。一体何でしょうか。見ると車がたくさん置いてあります。看板を良く見るとSMAPの由来が書いてありました。「Space Move Auction Park」なるほど、その頭文字を取って「SMAP」ですか。実はここ、中古車のオークション会場で、出品車が展示されているのです。web上で落札することができます。このあたりは中古車のオークションが盛んで、少し南の東海市新宝町には国内トップの中古車オークション会社、USSの巨大なオークション会場があり、中古車を積んだトレーラーで渋滞が起きることもあります。それにしても「SMAP」とは大胆に出ましたね。商標的にはOKなのでしょうか。SMAPの事務所が事務所なだけに、とても気になります。

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▲病院も大同。大同病院。
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▲SMAP!?

 鶴見通を東に歩きます。大同病院を越え、高架化工事中の名鉄常滑線を越えると柴田の中心、鶴見通と国道247号が交差する柴田本通1丁目交差点に出ます。交差点には巨大なパチンコ店がそびえ、北側には明らかに後から塗装したと思われる、昔のショッピングセンターの面影を残すユニー柴田店があります。交差点には柴田の頭文字「S」を模ったと思われるオブジェがあり、矢印が3方向を示しています。ひとつは「TOWN」、もうひとつは「LIFE」、つまり街と住宅街を表しています。そして最後の一つは空を指差し「SKY」。洒落てますけど、このユーモアにどれだけの人が気づいているか...。

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▲柴田本通1丁目交差点。柴田の中心。
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▲交差点にあるオブジェ。「S」を抽象化。
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▲「SKY↑」のシャレに気づく人いるかな。

 ユニー柴田店はいかにも古いユニーという風情で、懐かしささえ感じます。特にそう思わせるのが屋上です。屋上は半分が店舗、半分が遊園地になっています。店舗部分には、かつてユニーといえば必ずあったスガキヤが今もあります。遊園地はスーパーの屋上にしては広く、動物の形をした遊具や、踏切完備の汽車の乗り物もありますが、この日は誰も遊んでいませんでした。中にはビニルシートが被せられたままのものも。ノスタルジックな気分に浸りたい方にはオススメです。ユニーのすぐ近くには「ユニー柴田店裏」というセリフのラジオCMがよく流れる「イソベ質店」のほか、丸文という質屋さんもありました。それがまた下町風情を一層感じさせます。

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▲ラジオやテレビのCMでおなじみのイソベ質店。
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▲ユニーの屋上飲食店街。懐かしい雰囲気。
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▲屋上には小さな遊園地も。

 今度は反対側、柴田本通1丁目交差点から南へ、名鉄柴田駅方面へと歩きます。「SHIBATAさんSUN通り」という、これまた先ほどの「S」のオブシェに負けない派手な色使いの装飾がある歩道を歩いて行きます。もうすぐ名古屋市外になるので、市バスはここで終点です。その先には知多バスしか走っていません。知多バス柴田バス停時刻表を見てびっくり。平日は1日に5本、土休日に至っては3本しかありません。バスが市営であるというのはありがたいことだと実感。まあ、逆にそれだけ税金が垂れ流し状態とも言えますが。

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▲さんSUN通りは国道247号。
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▲名古屋市営バスの柴田バス停。それなりに本数があります。
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▲反対方向、知多バスの柴田バス停。1日3本...。

 その知多バス柴田パス停から名鉄柴田駅前方面を見ると、それまでの商店街と明らかに雰囲気が違います。昼真っからネオンがチカチカ。警察官がうろうろし、高級車がたくさん細い路地を走り抜けていきます。柴田駅の東側は古くからの風俗街。しかも名古屋の他の風俗街と違って、風俗店が密集していて大阪の風俗街のような様相です。ですので駅の写真を撮るにも思わず周囲を確認してしまいます。怖い人に怒られやしないかと。あまりビクビクしながら写真を撮っていると、今度は警察官に職務質問されそうなのでサッと写真を撮ってサッとカメラをしまいます。我ながらそれも怪しいなあ。名鉄柴田駅も現在高架化工事が行われていて、駅前はガチャガチャしています。柴田の風俗街には、キャバレー、キャンパスパブ、ファッションへルスと様々なジャンルのお店があります。駅前がいきなり風俗街というところが、岐阜の金津園を彷彿させます。

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▲柴田ワイワイ通り方面を望みます。
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▲夜はネオンが輝きそうな柴田駅前。
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▲柴田駅も高架化工事中。

 さて、この国道247号の東側、白水町から元柴田にかけてもやはり新田で、名和村(東海市)の庄屋だった小島庄助が1754(宝暦4)年に開削しています。天白川の北側、南区内は北柴田新田、東海市側が南柴田新田で、同時に完成しています。東海市側には南柴田町があり、今も柴田は南区と東海市に天白川で分断される格好になっています。

 柴田に風俗街があるのは、今もそうなのですが、かつてはもっと賑わいのあった工業地帯だったからと思われます。柴田周辺には大きなものから中小まで、たくさんの工場が建ち並び、それを中心に商店街や社宅などの住宅が建設された経緯があります。ですからそういった労働者の息抜きにと、風俗街が形成されたのでしょう。

 ユニーがある通りは「SHIBATAさんSUN通り」でした。お昼は陽が燦々と降り注ぐ中、さんSUN通りでお買物。さんSUN通りの西側は「SHIBATAゆうゆう通り」。夕方はゆうゆう通りでなごやかにのどかに。そして夜は風俗街の「SHIBATAわいWAI通り」で猥猥じゃない、ワイワイやりましょう。柴田は何でも揃う街です。

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▲この先は、東海市。
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▲国道西側のゆうゆう通りには古い建物も残ります。
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▲駅前とは対照的に静かな商店街。

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