15.名東区 名古屋を歩こう

東京を、アメリカを、そしてドイツを身近に

記事公開日:2006年6月15日 更新日:

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 今回は東名高速道路名古屋インターチェンジの北側、本郷を歩きます。地下鉄東山線の本郷駅は、上社駅とは違ってホームも改装されていて古さを感じません。駅自体はビルになっておらず、駅前には昔ながらのスーパーがあります。その本郷駅を降りたら、高架を走っている地下鉄の下を見てください。上社では高架下にお店がありましたが、本郷近辺ではなんと、高架下に川が流れています。植田川です。川の上を地下鉄が走るという、これまた日本語的におかしな現象が起きています。

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▲本郷駅です。この南側出入り口は深夜になると閉鎖されます。
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▲地下鉄の高架下を流れる植田川。
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▲植田川は本郷駅手前で地下鉄とはサヨナラ。

 本郷駅の西には名東区役所と、江戸時代には山王権現と呼ばれていた日吉神社があります。日吉神社は2004(H16)年に新しい社務所が建設され、南参道にはその際に石敷きを行っています。その先は既に訪問した旧猪高村役場のあたりになりますので、西へは行かずに東へと戻ります。本郷駅東側の道路を北へずっと坂を登って行きますと、頂上付近で本郷公園にぶつかります。その先はまるでジェットコースターのように坂を下り、公園の向こう側へと出ると、住宅と住宅に挟まれた細い通路があります。藤森神明社です。

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▲江戸時代は山王権現と呼ばれていた日吉神社。
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▲宅地化されても、長い参道が残されている藤森神明社。

 藤森神明社へは細く長い参道が続いていて、今度は急な階段が現れます。本殿はその急な階段を登った先にあります。藤森地区の氏神さまとして親しまれており、街の掲示板には神明社からのお知らせが張られているのを見かけることができます。10月の例大祭では子ども神輿が行われたり、どんど焼きや天王祭なども開かれますが、連絡先は猪子石神明社となっていて人は常駐していないようです。かつてこのあたりは藤の花が咲く里で、そこから藤森という地名がつけられたらしく、藤森中学校区がちょうど昔の藤森村の区域となっていて、藤が丘の藤もこの藤森を由来としています。

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▲藤森神明社本殿。藤森地区の氏神さまです。
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▲本殿からは本郷公園を見下ろすことができます。意外と起伏が激しい。
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▲明治維新100年を記念して社殿を新たに造営したことを記念する記念碑。

 では、藤が丘方面は後ほど歩くとしまして、高速道路のある東山通へと出ることにします。本郷駅の南側を東西に走る東山通の上には、東名阪自動車道の高架があり交通量も多いです。そしてその東には東名高速の名古屋インターがあります。本郷は、交通量が多いというデメリットと引き換えに、インターがあるメリットがあります。メリットとは、インターの入口に高速バスの乗り場があるのです。この本郷のバス停からは、東京駅行きのバスが1日12本も発車しています。本郷に住めば、家の近くに東京駅行きのバスが1時間に1本やってくるというわけです。これはすごいことです。実際、インターが近いことが、転勤族が名東区に住む理由のひとつとなっています。

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▲東名高速名古屋インター入口。右側車線は強制的に高速道路へ。
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▲インター入口には高速バス乗り場が。
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▲本郷から東京駅まで乗り換え無し。

 東山通を東へ歩いていきますと、大きな企業の建物が立ち並びます。中央出版に丸八真綿、佐川急便...。積極的に採用活動を行っている会社ばかりで活気があります。そして大矢家具を越えると東名高速道路の高架となります。高速道路の南側のラブホテル街は以前ご紹介しましたが、北側にもラブホテルがあります。やはりインターとラブホテルは密接な関係があります。そして高架をくぐると、いよいよ名古屋市の端という感じがしてきます。

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▲中央出版に佐川急便。
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▲東名高速の高架。左右にはラブホテル街。
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▲ラブホテルへと誘う看板。ちなみにここは姫若交差点。

 いつオープンしているのかわからないラーメン屋さんをはじめ、サガミ、ケンタッキー、藤一番といったいわゆるロードサイトタイプの飲食店が目に付くようになります。名古屋市を一歩出た大久田東交差点の南側には、知多家グループのお店が並びます。勝手に知多家タウンと名付けることにします。知多家タウンには「とんかつ知多家」「パステルデザート」「オールドスパゲティファクトリー」があります。これら全て知多家グループです。さらにはケンタッキーもここのお店は知多家グループのフランチャイズとなっています。

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▲テレビで紹介されたこともあるこの中華そばやさんはいつ開くのだろう。
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▲東山通はこの先長久手町へ。ロードサイドタイプの飲食店がずらり。
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▲とんかつ知多家。周囲には知多家経営の飲食店がたくさん。

 ここで、外食に少し詳しい方なら首を傾げるのではないでしょうか。それは、パステルがあるのにスパゲティ店が別にあるという点です。パステルは知多家グループのスパゲティ店という存在で、なめらかプリンなどのデザートも扱っています。ただし、スパゲティ店を出すほどの面積が無いところでは、デザート単体のお店をパステルデザートとして出店しています。しかしここにはパステルデザートとは別に、別業態のスパゲティ店があるのです。なぜパステルではなく、オールドスパゲティファクトリーなのでしょう。

 オールドスパゲティファクトリーは、アメリカを中心に世界各国にあるスパゲティ店で、このお店は知多家がフランチャイズとしてオープンしています。知多家が経営しているオールドスパゲティファクトリーはこのお店1店だけで、他にもオールドスパゲティファクトリーは名古屋市内にありますが、それらは知多家グループではありません。

 種明かしをしますと、このオールドスパゲティファクトリーは、知多家グループがパステルという業態を開発するはるか昔からここに存在しているのです。これは推測ですが、オリジナルのパスタ店を出すための試験店という扱いだったのではないでしょうか。これを踏み台にしてパステルがある。といったところでしょうか。最近はパステルもオールドスパゲティファクトリ同様、パスタを注文するとピザ食べ放題という方式をとっており、その可能性は高いと思われます。オールドスパゲティファクトリーにあってパステルにないもの、それは異国情緒でしょう。コンセプトはアメリカン・ダイニングです。

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▲パステル併設のオールドスパゲティファクトリー。
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▲中華料理の浜木綿は知多家グループではありません。

 さて、オールドスパゲティファクトリーでアメリカを感じたら、今度はお向かいでドイツを感じましょう。

 知多家タウンは長久手町になるのですが、そのお向かいはまだ名古屋市内です。そこには「あさくま藤ヶ丘店」があります。このあさくまはかつて爆破されたことがあります。と言ってもテロか何かがあったわけではありません。テレビドラマの撮影で爆破されたのです。そのドラマとは、1983(S58)年3月に放送された「西部警察PARTII」です。舘ひろしさん演じる鳩村刑事が、このあさくま藤ヶ丘店で偶然幼馴染みと会うという設定は、地元民にとってはリアリティ溢れるものでした。なぜなら、舘ひろしさんはすぐ近くの千種高校出身なので、実際にあり得るシチュエーションだからです。その劇中、このあさくま藤ヶ丘店が狙われて爆破されるのです。当時はかなり話題になりました。今そのドラマのビデオを見ると、西部警察がいかにタイアップドラマであったかがわかります。あさくまの看板が何度アップで映っていたか...。

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▲かつてテレビドラマで実際に爆破されたあさくま。

 ああ、ドイツのお話でしたね。何がドイツなのかと言いますと、今このあさくま藤ヶ丘店は「ドイツ館」となっているのです。愛・地球博のドイツパビリオンにあったレストランや展示物を移築しているのです。東山通をこの先ずっと車で走っていくと、愛・地球博の会場がありますから、料理と展示物だけではなく、お店の立地自体も万博を想起させるところにあると言うことができます。ドイツ館でドイツを味わうなら、やっぱり店員さんもドイツ人であって欲しい、そう思う方のためにドイツ館はドイツ人のウエイトレス、ウエイターを揃えています。しかも、料理を運んでくれるだけではなく同席してお話もしてくれるのです。これなら、料理だけでなくドイツの雰囲気を味わえること間違いなしです。

 ただし指名料がかかります。家族連れで行った際、指名料という言葉を聞いて咄嗟に変な反応をしないように気をつけてください、世のお父さん方。


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