★比較的速い試合展開だったのに
★明言したフジテレビは最後まで
★5時間43分…それは最長記録
2勝3敗とロッテに王手をかけられ、千葉マリンスタジアムからナゴヤドームへと帰ってきた中日ドラゴンズ。あと2つ勝てば逆転日本一、なんとしてもモノにして欲しい一戦、日本シリーズ第6戦を見に行ってきました。
この日本シリーズは、中日対ロッテというカードが地味だというのが本当の理由かどうかはわかりませんが、NHK衛星第1放送(BS1)では全国放送されたものの、地上波ではここまで全国ネットで放送されたのは、第3・4戦の千葉での試合だけだったため、このシリーズで名古屋から全国ネットで中継されたのはこの第6戦が初めてとなりました。その結末は壮絶なことに…。
ステージイベントはありませんでしたが…
同じくナゴヤドームで開催された第1・2戦では、試合前にステージイベントが用意されていましたが、場合によっては開催されない可能性のある第6・7戦にはそういったイベントは設定されていませんでした。なので、千葉ロッテマリーンズのキャラクターは来てないかと思いきや、試合前のグランドにはロッテのマーくんの姿が。
マーくんはカメラマンからカメラを借りてシャオロンを撮ったり、パオロンとじゃれたりしていますが、やはり、この日はもうロッテは王手をかけているということもあり、ドーム内の空気はピリピリ。
どちらのチームも勝負に
この試合で勝負を決めたいロッテは、第1戦にここでドラゴンズに勝利した成瀬投手を投入、一方の中日は第2戦でマリーンズに勝利したチェン投手が先発。どちらのチームも、この試合こそが鍵という投げ合いとなりました。
試合前、ドラゴンズの選手は井上一樹コーチを中心に円陣を組んでいたのですが、ベンチの柵に手をついていた森野選手が一瞬ガクッとバランスを崩したように見えたのは気のせい?
先制したのはロッテでした。1回表に2アウト3塁としたところでサブロー選手がセンターにタイムリーヒット。千葉から続く勢いを感じました。しかしその裏、ドラゴンズは1アウト2塁としたところで森野選手が左中間にタイムリー。すかさず同点に追いつきます。ところが、その後が続かず1対1で1回を終わります。
その後はさすが勝利投手同士の投げあい。2回と3回は両チーム三者凡退、4回もサブロー選手がフォアボールで出塁したのみで試合は膠着状態に。
ツーショット&ツーショット?
ふとベンチ前を見ると、背番号「1」と「63」が会話をしています。兄弟で何を話しているのでしょうか。それにしても、プロ野球選手の息子が同じプロ野球選手になることだけでもすごいのに、兄弟2人がプロ入りし、しかも同じチームで、2人とも日本シリーズでベンチ入りしてるって、すごいことですよね。思わずそんな兄弟ツーショットをパチリ。
そして、ふと視線を手前に移すと、落合監督夫人・信子さんの姿が。もちろんユニフォームは「66」。一緒に見ている女性も同じく「66」。こちらのツーショットはどなたなのかはちょっとわかりませんが…。
展開は速い…はずだった
6回表に入ったのが午後7時50分。日本シリーズは試合開始がいつもより10分遅いですし、これは結構速い展開です。さすが投手戦。その裏、ドラゴンズが動きました。
このシリーズ、ここまでノーヒットで逆シリーズ男となってしまっていた井端選手が20打席ぶりのヒットをセンターに放ちます。その後、和田選手がフォアボールとなり2アウト1・2塁でブランコ選手。ライトの頭を越えるツーベースヒットでドラゴンズが勝ち越します。膠着状態を打開しただけに、あとはこの1点をなんとか守って欲しいと願ったのですが…。
8回表、チェン投手から代わってマウンドに立ったのは浅尾投手。このままあと2回、押さえきって、いわゆる逆王手に持ち込んで…。
清田選手に右中間へのツーベースヒットを浴びると、そのあと井口選手からは空振り三振でアウトを取ったものの、サブロー選手にタイムリーヒットを打たれ1点を返されてしまいます。試合は2対2。再び振り出しに戻ってしまいます。
チャンスは何度も何度も
9回裏、谷繁選手がフォアボールで出たところで、この日スタメン7番で入っていた小池選手がスリーバントしたもののアウトの判定。いったん審判が審議に入りましたが、結果、打球が体に当たっていたということでやはりアウトとなりました。その後、英智選手も空振り三振でサヨナラにはできず、試合は延長戦へと突入します。
この時、時刻は午後9時20分。この日のテレビ中継はフジテレビ。放送終了予定は午後8時54分となっていましたが、フジテレビの社長はこの中継に先立ち、「試合終了まで放送する」と明言していたこともあり、野球の中継はそのまま続きました。
10回表ドラゴンズは高橋投手に。三者凡退で打ち取るとその裏、3塁までランナーを進めるも、和田選手がサードゴロに打ち取られてしまいます。両チームともバントフライで倒れるという、緊張感が最高潮であることがわかる展開でした。そして11回表は河原投手。2塁まで踏ませてしまい、里崎選手のあわや勝ち越しタイムリーという球をセンター大島選手が追いかけながらキャッチ。なんとか抑えます。その裏のドラゴンズも2アウトフルベースという、絶好のサヨナラチャンスの場面を迎えるのですが、得点には繋がりません。
そしてとうとう…尽きた…
時刻は午後10時半をまわり、12回表を迎えました。ナゴヤドームのライブビジョンには、各鉄道会社の終電情報、地下鉄終車連絡案内がイニング間に何度も表示されるようになりました。
12回表、ドラゴンズは守護神岩瀬投手が見事三者凡退に抑えます。しかしその裏、ドラゴンズは先ほどシリーズ初安打を記録した井端選手が先頭で出塁して、結果2塁までランナーを進めるも、やはり得点には繋がりません。
いつもの試合であれば、この12回の攻防をもって試合終了なのですが、日本シリーズは規定により15回までとなっており、試合は続きます。そして13回、ドラゴンズはネルソン投手がマウンドに立ちます。三者凡退で抑えるとその裏、ネルソン投手はそのまま打席へ。もう、ピッチャー陣も尽きようとしていたその時…。
時刻が午後11時をまわっても、中継を続けていたフジテレビはとうとう、流すCMが尽きてしまい、なんと民放では異例の「ノーCM放送」となっていたのです。もうここまできたら「試合終了まで中継」の意地なのでしょう。これは近年稀に見る事態です。
14回表もネルソン投手が3人で抑えると、時刻はもう午後11時25分。さきほどまで表示されていた終電情報の列車には、このナゴヤドームからはもう間に合わない時間になってしまったため、ライブビジョンに表示されるのは「地下鉄終車連絡のご案内」だけとなってしまいました。しかし、そんな時間とは思えないくらいに、ナゴヤドームには人が残っていました。まあ、土曜日ということもあったのでしょうが…。
その裏も、和田選手が気迫のヒットを小林投手から放つと、なんと盗塁。ここでブランコ選手頼みます!と、帰りの足を気にしつつ祈ったのですが、ブランコ選手はサードゴロ。まだまだ試合は終わりません。
思えばチャンスは…
15回表はネルソン投手から代わって久本投手が登場。ここもきっちり3人で抑えます。思えば、12回から15回までロッテは全ての回で三者凡退。これでロッテの勝ちはなくなり、この日のナゴヤドームでの胴上げは無くなりました。
最後のサヨナラチャンス15回裏。代打堂上剛裕選手がヒットを放ち、代走に平田選手が登場するも、野本選手が空振り三振、大島選手がファーストゴロでゲームセットです。
ドラゴンズは9回から15回まで全ての回でランナーを出すも、全てチャンスをものにすることができず、結果、同点引き分けとなってしまったのでした。
試合が終わったのは、午後11時54分。何度も何度もチャンスがあって、そのたびに応援もヒートアップしていたこともあり、しかも結果は引き分けということで脱力感はすごかったです…。
そんな脱力感に包まれて、ライブビジョンを見ると「タクシー乗り場のご案内」。そうです。もう、地下鉄も間に合わない時間になっていたのです。そしてふと気づくと、ライブビジョンの「明日のゲームのご案内」がサッと消されて「ご来場ありがとうございました!」に。そう、もう時計は午前0時を回り、第7戦は「明日」ではなくなっていたのでした。
これまで、実家からナゴヤドームに試合を見に行く際は、いつも地下鉄茶屋が坂駅近くのコインパーキングに車を入れて、地下鉄で観戦にやってきていたので、万が一終電が無くなっても、茶屋が坂駅はドームから歩いていける範囲であり、そんなことを心配したことはなかったのですが…。
引っ越して初の野球観戦。まさか、そんな、初めて終電を気にしなければいけないという状況で、こんなシリーズ最長記録の激闘となるとは…。ふと気づくと、自分は家へ帰る手段を失っていたのでした。いや、気づいていたけど、いつサヨナラになるかわからないという、ハラハラな展開に気づかぬフリをしていたのでした。時計は深夜0時を回り…。無理かなぁと思いつつも相方に電話すると…近くまで車で迎えに来てくれました。助かった…。
2勝3敗1分。ドラゴンズにとってはまだあと2試合勝たなければならないという、厳しい状態となりました…。もちろん、第7戦も見に行きました…。つづきます。
協力
ももたろうさん
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