11.港区 名古屋を歩こう

リトルマーメイドが眺める日本一の港

記事公開日:2005年4月12日

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 地下鉄築地口駅に戻り、そこから国道154号線を南に歩き直します。さすがに港町の駅前ということでお店が並び活気があります。築地口交差点には大きな錨がささった噴水があったり、商店街の名前が「sailorTSUKIJI」だったり、免税品店があったりと港町を感じさせます。かつてこの築地口には、まだ西川屋チェンとほていやがユニーとして合併する以前から、西川屋(後のユニー)名港店がありました。今では30店舗以上のお店をユニーやアピタの中などに構えているホテーフーヅは、ここで西川屋名港店のテナントとして1962(S37)年に誕生しています。長年築地口の台所として親しまれたのですが、駐車場がほとんど無く店舗の老朽化も進んでいたために、アピタ東海通店の開店に合わせてユニー名港店は1997(H9)年に閉店しています。

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▲築地口には錨の刺さった噴水が。
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▲商店街の名前も「sailorTSUKIJI」。
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▲DUTY FREEなんて文字も見ることができます。

 では港へと向かいます。国道を南に歩き、今は橋になっていない港橋を渡ると地下鉄名古屋港駅とバスターミナルがあります。この先は昭和に入ってからの埋立地です。なぜここが橋だったのか。その先の二号地が埋め立てられても、1968(S43)年まではここに一二号地門運河があり、その先は島状になっていました。二号地とは港橋から先、ガーデン埠頭交差点までの間で埋め立てられたのが1937(S12)年。その先ガーデン埠頭は、一部同時期に埋め立てられた部分があったものの、ガーデン埠頭臨港公園や、水族館のあるガーデン埠頭西埠頭が埋め立てられたのは、1981(S56)年と比較的最近のことなのです。

 1959(S34)年、この港区を伊勢湾台風が襲ったことについては何度も触れていますが、当然この築地地区にも大きな被害を与えました。その後台風対策として1965(S40)年、手前一号地に東西400メートルに渡って防波堤を作りました。今では運河も埋め立てられ防波堤は必要無くなってしまいましたが、今はその旧防波堤に地元の子供たちによって描かれた地元の風景や、かつての名古屋港の写真が飾られ残されています。そして翌年に名古屋港開港を控えていた1906(M39)年に建設された港橋も、1936(S11)年に建設された2代目が当時のまま残されています。ですのでこの先の二号地は防波堤の先に地面がある格好になり、いかにも埋立地という様相になっています。

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▲今は橋としての役目は終えている港橋。
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▲港湾会館の前の旧防波堤には子ども達の絵が。
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▲かつての名古屋港の写真もあります。

 地下鉄名古屋港駅は、港をイメージして青色系のタイルで壁が装飾してあります。ただ経年変化は隠せない状態です。そしていかにもなのが地下鉄入口の防水扉。万が一の時に水が流入しないために設置してあります。浸水したら地下鉄が真っ先にやられますからね。地下鉄名古屋港駅を越えるといよいよガーデン埠頭です。名古屋港は、実は日本一大きい港です。名古屋港の臨港地区は約4,100ヘクタール、港湾区域は約8,300ヘクタールで、両方を合わせると名古屋市の3分の1の大きさを誇ります。ところで、東京や大阪ではベイサイドにレジャー施設がたくさん作られています。名古屋港が日本一の港であるならば、レジャー施設も日本一かと言うと...。

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▲古く見えるのは潮風の影響もあるのかな。地下鉄名古屋港駅。
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▲いざとなったら閉める防水扉。

 ガーデン埠頭は、名古屋港管理組合や税関があり、もともと名古屋港の中枢だったのですが、名古屋港の初のレジャースポットとして整備された場所でもあります。それから月日は流れましたが、未だに名古屋港でレジャーと言ったらここと金城ふ頭しかありません。金城ふ頭はまだまだ整備途中でそれほどたくさん見どころがあるわけではありませんので、このガーデン埠頭こそが名古屋のベイサイドレジャーエリアと言っても過言ではありません。

 ガーデン埠頭交差点で自動車は行き止まりですが、その先は税関があり、船から車がやってくることがあります。そのためガーデン埠頭交差点の海側の標識は全て英語表記になっています。全てと言っても警察署の案内くらいしかありませんが。「Harbor Police Sta.」とある水上警察署の方を見ると、胸像が置いてあります。この胸像は名古屋港の工事責任者だった奥田助七郎氏です。彼は40年の月日を名古屋港に捧げ、反対運動を押さえてこの地に将来日本一となる名古屋港を完成させたのです。ではその奥田氏が眺めるガーデン埠頭臨港公園へと足を進めます。

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▲港町を感じさせる、英語表記の案内標識。
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▲目を光らせる名古屋水上警察署。
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▲奥田助七郎さんの像。奥田さん、名古屋港は日本一の港になりましたよ。

 交差点を越え、西埠頭へと続く通路にはショッピングセンターJETTYがあります。西埠頭方面へ行くのは後にして南へ進みます。臨港公園に入り最初に目に入るのは、羽ばたくカモメをイメージしてデザインされたポートハウスです。大きく湾曲した屋根を持つガラス張りの無料休憩所で、本当にデザイン都市らしいオシャレな建物となっています。そしてポートハウスの南、海の上に博物館として展示されているのが南極観測船「ふじ」です。「ふじ」の入館料は300円です。中に入れば南極観測船を生で体感できますが、入らなくても観られるものがあります。「ふじ」の横の広場には直径約5メートルもある「ふじ」の右スクリューのプロペラとプロペラ軸、大きなキャタピラのついた南極観測カー、そして南極観測といえばあの名犬、映画にもなったタロとジロの像があります。まさか名古屋港で南極観測船に乗れるとは、と結構好評です。

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▲羽ばたくカモね?「ポートハウス」。
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▲当時のままの観測船を見学できます。南極観測船「ふじ」。
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▲「南極物語」として映画化もされたタローとジロー像。

 南極観測船「ふじ」の先には、白い帆船をイメージして作られた高さ63メートルの名古屋港ポートビルがあります。3、4階は名古屋海洋博物館になっていて、名古屋港だけでなく港と貿易についての展示があります。そして7階は展望室になっていて日本一の名古屋港を見渡すことができます。展望室は夜9時まで開いているので、名古屋市内の街の光から、海を行き交う船の光までを堪能できます。展望室、博物館各300円ですが、ふじと展望室、博物館がセットになった700円の共通券、さらに水族館がセットになった2400円の共通券もあります。ポートビルの先は海です。夜景を見た後はカップルで潮風に吹かれて...といきたい気持ちはわかりますが、ちょっと待ってください。

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▲直径5メートルもある「ふじ」の右スクリュー。
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▲「日本南極地域観測隊」の文字がある観測車両。でかいキャタピラ。
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▲ポートビルで夜景を見た後は...気をつけて。

 海岸沿いを左に歩くと展望広場があり、そこからは3つの橋からなる名港トリトンがよく見えます。が、海ではなく公園に注目してください。よく見るといろいろなものが無造作に置いてあります。先ほどは「ふじ」の右スクリューがありましたが、今度は左スクリューが置かれています。そしてその手前には展望台があるのですが、人が住んでいたり落書きがあったりどうも雰囲気がよろしくありません。そして展望台の前にはさすがデザイン都市、リトルマーメイドの像やモアイ像が置かれ、展望広場の東、噴水広場の向こうには安全に子どもが遊べる遊具の広場「コンパンランド」があります。

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▲天気が良ければ名港トリトンがはっきり見えます。
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▲展望台...、明らかに人がいますので写真も遠慮がち。
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▲南極観測船ふじの左スクリュー。ブロックどかすと転がるかな。

 モアイ像については解説看板もあり、なぜ海を向いて立っているのかなどの疑問に答えてくれます。そしてリトルマーメイドの像は、デンマーク・コペンハーゲンに1913年に置かれたブロンズ像の、半分のサイズのレプリカで、名古屋の海を眺めています。見ると「世界デザイン博覧会を記念して」という文字があります。そう、このガーデン埠頭は1989(H元)年に開かれた、世界デザイン博覧会名古屋港会場なのです。コンパンランドもモアイ像もリトルマーメイドも、当時博覧会のために置かれたものなのです。そしてこの公園と西埠頭を結ぶポートブリッジもそうです。当時はJR東海の超電導リニアエキスプレス体験館や、のりピープロデュースのミュージカルが見られたときめきCITY館、名古屋の姉妹都市であるロサンゼルスを体感できる日本車輌のパビリオンなどがありました。

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▲コンパンランドです。これもデザイン博当時は目玉でした。
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▲やたらと詳しい説明のあるモアイ像。
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▲日本一の港を望むリトルマーメイド。

 ユニーグループのパビリオン「ビッ!くじら」があった展望広場の北側には、現在もポツンとステージだけが残された「つどいの広場」があります。夜はつがいの広場になりそうです。他にも世界各国から送られた樹木が植えられた展示林コーナーがあります。博覧会の会場だっただけあって、かなりの広さがあります。しかしそのためかやはり住んでいる人もいて、夜はちょっと怖いんじゃないかなと感じたところである看板が目に入りました。

「公園でアベックが襲われる事件にご注意ください。」

 夜のガーデン埠頭は、名古屋一のベイエリアレジャースポットであるものの、名古屋みなとまつりなど人出が多い時を除いて危険なスポットだということは、名古屋っ子の間で実は有名でして、私は一度、友人たちと怖いもの見たさで行ったことがあるのですが、確かに怖い人がいっぱいいてかなりビクビクしました。「アベック」っていう言葉を久しぶりに目にしたなあ...。

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▲つがいの...ではなくつどいの広場。ステージが使われることあるのかな。
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▲展示林にある時計もデザインが凝っています。さすがデザイン博の遺物。
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▲特にアベックは注意です。

 かつてこの臨港公園の東側には、本来の名古屋港の姿である東陽荷役運輸の倉庫が広がっていました。それがまた怖さに拍車を掛けていたのですが、2004(H16)年に全て取り壊され、2005(H17)年春、跡地に「名古屋港イタリア村」がオープンします。このイタリア村、ブランドショップなど70店舗のお店とイタリアンレストラン10店が入るだけではなく、ベネチアのゴンドラで運河を渡ったり、イタリアの伝統工芸を体験することもできます。さらにそれだけではありません。なんと施設全体を1950年代にイタリアというコンセプトで統一。名古屋港の新名所となることは間違いありません。「名古屋港イタリア村」という名前がピンと来ないと思われるかもしれませんが、イタリア語で「VILLAGGIO ITALIA」と表記されるとなかなかいいセンスしてるじゃないか、と思えます。

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▲2004(H16)年9月当時の写真です。倉庫を取り壊してイタリアに。
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▲この倉庫群が、夜の怖さを倍増させました。

 そんな新スポットに期待しつつ、以前から名古屋港のレジャーを支えるスポットを見ていきましょう。


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