13.大阪の今 おでかけレポ~全国・海外~

こんなの家電量販店ってレベルじゃねー-ヨドバシ梅田

記事公開日:2008年8月11日 更新日:

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 5回に渡ってお届けしてきました、大阪にある、人の集まるスポット特集。そう言いつつも廃墟、事故、衰退と、ネガティブな記事ばかりになってしまいましたので、最後こそ景気の良い話題で行きたいと思います。

 前回は、家電量販店の増大により打撃を受けている電気街「日本橋でんでんタウン」をご紹介しました。日本橋周辺にビックカメラ、ヤマダ電機と、大きな量販店が出来ているわけですが、それらとも比べ物にならない、いや、東京の家電量販店とも比べ物にならないのではないかと思えるくらいの、巨大な家電量販店が梅田にあるということで、地下鉄で梅田にやってきました。

 なんだこれ。こんなの、家電店ってレベルじゃねー。

駅と直結とはこういうこと

 地下鉄の改札を出ると、目の前にヨドバシカメラが現れます。名古屋でも、ビックカメラが名古屋駅の地下から行けるようになっていますが、あれはあくまでも「地下から行ける」だけであって、このヨドバシは「地下に店舗が現れる」といった感じで、インパクトが全然違います。地下と繋がっているのではなく、地下に店舗が広がっています。

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名古屋には無い

 東京では昔から、駅前に家電店というスタイルが定着していましたが、私の住む名古屋の場合は、昔から家電店は郊外にあるものであり、ビックカメラが2003(H15)年11月に名古屋駅にオープンして初めて、その感覚を知りました。大阪はどうなんでしょう。

 ちなみに、ヨドバシカメラは北海道から九州まで20店舗を構えていますが、名古屋をはじめ中部地区には店舗が一切ありません。なので、全国ネットのテレビ番組でヨドバシカメラのCMが流れると、名古屋ではこの「ヨドバシカメラマルチメディア梅田!」というナレーションが流れます。さすがに家電を買うためだけに名古屋から梅田は...遠い。

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店の奥行きがわからない

 地下まで店舗が広がっていることに驚きましたが、驚きはそれだけではありません。入口から店内を覗いても、店の奥行きがわからないのです。そう、向こうの壁まで見渡すことができないのです。もはや家電店という規模ではありません。

 ヨドバシがこの大阪に進出したのは、そんなに昔ではありません。2001(H13)年11月のことです。ではそれまで、この都心の一等地には一体何があったのでしょうか。

 この大阪駅北側に当たる広大な土地には、かつて国鉄の大阪鉄道管理局、梅田貨物駅などが広がっていて、鉄道管理局の場所にはJR西日本の本社があったのですが、売却が決定され、1997(H9)年に競争入札が行われました。大方の予想で、各メディアとも三越が落札するのでは?と報じていたのですが、予想を覆し、家電量販店のヨドバシカメラが落札したのです。

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テナントでありテナントでない

 なので、ヨドバシカメラマルチメディア梅田は、このビルのテナントとして入店している形をとっていますが、ビル自体が「ヨドバシ梅田」なのです。

 そしてそのビルのなかにはヨドバシカメラ以外にも、コムサストアやファッションショップ、さらにはレストラン街までもがあるのです。家電量販店のなかにファッションのフロアやレストランフロア、銀行、カフェがあるだなんて...。

 この場所は、三越が落札したかったくらいの規模ですから、家電量販店なのに規模がデパート並ということです。にもかかわらず、商品は所狭しと陳列され、無いものは無い状態です。仮に何も買う気の無い状態で来店したとしても、実際に何でも商品を手にとって見られるわけですから、物欲が刺激されます。近くにあったらヤバいね、ここ。

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せっかくなのでレストランへ

 大阪の旅も終盤です。せっかくなので、ヨドバシのなかにあるレストランで夕食をいただくことにします。友人の薦めでやってきましたのは、8階の「香港蒸籠」。このお店は、50種類以上の本格的な中華料理が、なんと食べ放題のバイキング形式というお店。しかも料金は一人2,097円(平日17時以降と土日祝・平日17時までは1,598円)。時間制限も17時以降は2時間ということで、ゆったり食べられます。

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 バイキングというと、料理が冷めてるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。ドーンと、量に任せて置かれているのではなく、メニューの入れ替わりが激しい。しかも、店名になっているせいろに関してはやはり力が入っていて、こちらはバイキング形式ではなく、店員さんが常にできたてのものを持ってきてくれます。ジュースも飲み放題で大満足~です。

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 もちろん、マンゴープリンやゼリーといったスイーツも満載。あれ?ここって何のお店でしたっけ。そう、ここはヨドバシのなか。家電量販店で食べる本格中華料理。本当に不思議な感覚です。

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まだまだ梅田はこんなもんじゃない

 今回訪れることはできませんでしたが、名古屋の自称日本一とは違い、梅田には正真正銘日本一の地下街がありますし、阪急、阪神百貨店にHEP FIVEといった商業施設もあり、さらには2011(H23)年に向けて開発が進んでおり、駅前では工事が着々と進んでいて、地上38階建てや50階建てのビルが続々と登場する予定です。

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 そしてそのビルには、このヨドバシの場所を惜しくも逃した三越もやってくる予定です。ただ、三越単独ではなく「JR大阪三越伊勢丹」という名称になる模様で、さらには伊勢丹主導になるとのこと。2005(H17)年5月に旧大阪店を閉鎖し、関西の拠点を失った三越。単独でのリベンジはならず。

 大阪駅があり、大阪の玄関である梅田。2011(H23)年には、今回ヨドバシが驚かせてくれた以上の衝撃を与えてくれることでしょう。

 梅田の未来は明るい。

 一方の三越の未来は...知らない。

 梅田のヨドバシが、日本橋やビック、ヤマダに衝撃を与えたように、JR三越伊勢丹が阪急や阪神にどのような影響を与えるのか。3年後の梅田が楽しみです。ヨドバシは「こんなの家電量販店ってレベルじゃねー」と思わせてくれました。伊勢丹プラスオマケの三越は「こんなの百貨店ってレベルじゃねー」と言わせてくれますかね?

関連情報

ヨドバシ梅田

取材協力

KAZ Communications

ヨドバシカメラ梅田(大阪・北区)

ヨドバシカメラ梅田

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