イベントレポート

故郷に桜を飾った百十郎桜-各務原市新境川

記事公開日:2007年4月7日 更新日:

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 昨年は、愛知県民にとってメジャーなお花見スポットである、大口町から岩倉市を流れる五条川河畔の桜を見に行ったのですが、今年は岐阜県民である相方の家から、岐阜県民にとってメジャーなお花見スポットである、各務原市を流れる新境川河畔に植えられた「百十郎桜」を見に行ってきました。新聞などでは既に満開と伝えられていましたが、(5日木曜日現在)実際にはまだ8分か9分咲きといったところで、つぼみもいくつかありましたので、この週末あたりに完全に満開となることでしょう。混雑している市民公園付近は避けてもう少し上流でお花見と洒落込んだのですが...。

百十郎桜とは…

 百十郎桜はその名のとおり、歌舞伎役者だった市川百十郎が植えたものです。市川百十郎は本名加藤劒作。1882(M15)年に現在の各務原市蘇原大島町で生まれています。昭和初期には有名な歌舞伎役者となりました。境川の治水のために作られた新境川放水路が1930(S5)年に完成すると、百十郎はその翌年に1,000本の桜を、さらにその翌年には200本の桜をこの新境川堤に植えたのです。故郷に桜を飾ったというわけです。しかし現在咲いている桜は百十郎が植えたものではありません。それらの桜は戦時中に全て伐採されてしまったのです。

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現在のものは20年かけての復元

 現在植えられている桜は、各務原市が誕生した1963(S38)年から復元されたもので、1983(S58)年に20年の時を越えて、かつての風景が甦ったのです。ようやくもとの姿になったことからこの年、新境川堤の桜並木は「百十郎桜」と命名され、1990(H2)年には「日本さくら名所100選」に選定され、各務原市内外の人々にお花見の名所として親しまれています。

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 放水路が完成した昭和初期に作られたと思われるようなレトロな橋も残されており、橋の上ではたくさんの人が桜をバックに写真撮影をしていましたが、堤防道路や橋は幅が狭いにもかかわらず、車窓から桜並木を眺めようとする自動車の通りも多く、歩きながらゆっくりと桜を楽しむというわけにはいきません。しかし、土手を下って川沿いを歩けば、桜並木を下から見上げながらゆっくりと散策することができます。黄色がまぶしい菜の花とのコントラストも鮮やかです。

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シーズンには桜まつりを開催

 各務原市役所は市民公園あたりで「桜まつり」を週末に開催することになっていて、そちらでは出店などもあるかと思いますが、ロックタウン近くのこの堤防では静かに桜を楽しむといった感じになります。それにしてもこの日(5日)は風が強くて寒かったです。土手を降りた川沿いの道を歩いていると、思っているよりも桜の背が低く、何度も枝にぶつかりそうになってしまいました。特に風の強い日は注意が必要です。桜に攻撃されてしまいます。

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 この桜並木を守るために現在もボランティアの方が植栽活動などをされていらっしゃるとのこと。そういった努力があって百十郎の想いが後世に伝えられているわけです。

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2キロにわたって続く桜並木

 私たちが訪れたのはお昼過ぎでしたが、既に夜のお花見用に場所取りをしている人たちの姿もちらほら。寒そう~。百十郎桜は新境川沿いに2キロにわたって続いていますので、歩きながら桜の様々な表情を楽しむことができます。

 確かに楽しめましたけど、寒いわ、風は強いわ、枝に攻撃されるわで、なかなかワイルドなお花見となってしまいました。

関連情報

新境川(岐阜・各務原市)MAP

35.415497, 136.843558

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