三重 東海あまのじゃくツアー

往来は今も激しいけど...隣り合う寂しさと温かさ-名張中町

記事公開日:2009年1月12日

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 前回は、名張の発展の礎を築いた名張藤堂家の祖・藤堂高吉の翻弄された人生と、その邸宅跡に残された戦国時代の悲しい無縁萬霊塔についてお話しました。どちらかというと暗い話になってしまいましたので今回は、明るい気分を求めて、旧初瀬街道の宿場町風情と城下町の賑わいを感じようと思います。

 総合福祉センター「ふれあい」から、城下川を大手橋で越えると、その先の交差点の直進と右手が旧初瀬街道ということになるのですが...。

 明らかに、暗さを左手から感じます。街道散策の前に、一応と言ってもいい程の存在となっているアーケードの方向へと足を進めてみます。

上本町サンロードはすごい...

 そのオーラはただものではありませんでした。これまで私は名古屋を中心にたくさんの商店街を散策してきましたが、衰退ぶりにはちょっと驚きを隠すことができませんでした。

 まさしくシャッター通り。歩いているのは学校帰りの小学生だけ...。その降ろされたシャッターが、果たしていつ降ろされたのかも推測できないような、市内局番が一桁の看板などがそのまま放置されています。

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 もちろん、開いているお店もポツポツとはあり、薬局には「頭痛、頭重によい薬あります、ご相談下さい。」と書かれた幟が。

 このあたりの店主さんの頭痛や頭重は、薬で治る類のものではないような気がしてなりませんでした...。

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体を温めよう!

 暗い話の後に、さらに「ザ・衰退」という風景を見せられ、すっかり冷え切ってしまった心と体。でも名張のこの界隈には、そんな体と心を温めてくれるお店があります。ご紹介していきましょう。

 上本町サンロードのなかに、真新しい温泉マークの看板と、年季の入った建物というアンバランスな佇まいを見せる銭湯があります。「常盤湯」です。

 まさに昭和ロマンが漂います。営業時間は午後3時から、毎週木曜定休です。ヨモギ・漢方・アロエ・ジャスミン・森林・610ハップの薬湯を楽しめるとのことですが、610ハップはもう終了ですね...。

 残念ながらこの日はまだ開いている様子はなく、体を温めることはできませんでした。きっと、館内も完全な昭和だと思います。入ればきっと体が温まることでしょう。

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賑やかな街道の面影?

 それでは、上本町サンロードをUターンして、旧初瀬街道を北方向へと、中町を歩いてみることにします。道の細さはアーケードのサンロードと大して変わらないのですが、ここは自動車の通行が可能となっており、その先にジャスコ(リバーナ)があることから、意外と自動車の往来が激しく、かつての旧街道の賑わい(?)を思い起こさせてくれます。

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 中町の先には大きな鳥居と松の木が。ここから旧街道は右斜め前へと折れます。鳥居と松の木はその細い街道にそのまま残されており、車は結構速いスピードで鳥居と木をよけて走り抜けていきます。

 この鳥居は、宇流富志禰神社の一の鳥居。名張藤堂家三代当主長森が、1687(貞享4)年に大鳥居を建てたのですが、その後焼失。現在の鳥居は1778(安永7)年、町年寄りや庄屋の寄進によって建てられたもので、名張市指定文化財となっています。高さは5.91メートルもあります。

 そしてその鳥居の横には、江戸時代にこの宿場町で旅の安全を祈願した、金毘羅大権現の祠と、そのご神木である「神稽の松」があります。かつてはお伊勢参りの人々の安全を、そして今は、この細い道を走り抜けていく自動車たちの安全を見守っています。

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心を温めよう!

 そんな鳥居の前に、心を温めてくれるお店があります。「角田酒店」です。

 え?お酒を飲んで温まれって

 そういうことではありません。この酒屋さん、表面は今時の建物に見えますが、その奥には築170年の座敷と庭があり、「伊賀まちかど博物館」のひとつとして「はなびし庵歴史影絵劇場」を設け、名張の歴史と文化を紹介する影絵劇を上演しているのです。

 私もテレビでは見たことがあるのですが、実際に...と思ったら、6人以上で要予約とのこと。それは残念。でもそれは仕方がありません。ご家族で手作りで上演されているわけですからね。見ればきっと心が温かくなることでしょう。

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お腹を温めよう!

 結局私はこの時点で、心身ともに温まっていないわけで、ここで腹ごしらえです。中町にはとっておきのお店があります。それは手打蕎麦・うどんの「かみ六」です。私は名張に訪れた際には、必ずと言っていいほど立ち寄るのですが、もうね、味に間違いはありません。

 原材料にとてもこだわっていて、できるだけ地元のものをと、伊賀牛や伊賀米を味わうことができます。

 そんな伊賀の味をしっかり味わえるのが、「伊賀肉うどん(900円)」。私のなかにあった、これまでの肉うどんのイメージが払拭されました。

 また、蕎麦はもちろん手打ち。「ざるそば(650円)」をいただくと、国内産そば粉は風味が違う!ということがよくわかります。

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 そしてうどんのバリエーションも豊富で、名古屋っ子にはあまり馴染みのない「こんぶうどん(630円)」や、逆に名古屋っ子が好む「玉子とじうどん(630円)」も。他に季節限定メニューもあって、飽きることはありません。

 さらに、かみ六で見逃せないのは天むす。天むすといえば三重県発祥の名物ですからね。これがうどんのつゆと本当によく合います。

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 というわけで、お腹は満たされて温かくなりました。そうそう、すっかり食べるのに夢中で忘れていましたが、今回は初瀬街道の宿場町を歩くがテーマでしたね。かつての面影をさらに探りに、旧初瀬街道を南西へと、本町方向へと歩いていきましょう。

 そこでようやく、いかにも今時っぽい、観光客誘致のための町おこし施設に出会うことができます。それは次回です。

関連情報

伊賀まちかど博物館 はなびし庵(すみた酒店)

かみ六(三重・名張市)MAP

名張市 かみ六

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