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日本三観音の門前町「大門」は今...-津観音

記事公開日:2007年1月13日

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 観音さま。それは仏教の菩薩のひとつであり、人々を苦悩から救済してくれる菩薩で、日本では古くから広く信仰を集めています。そのため全国各地に観音霊場はたくさんあるのですが、そのなかで「日本三観音」と呼ばれる3つの場所があります。

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日本三観音とは

 ひとつは東京都台東区にある金龍山浅草寺「浅草観音」。続いて名古屋市中区の北野山真福寺「大須観音」。そして三重県津市にある恵日山観音寺「津観音」です。ただ、まあこういった類のものは、日本三大稲荷と一緒で地方によっては違うことがありますので、「諸説ありますが、この3つのお寺が日本三観音と言われることがあります」という程度で抑えておきたいと思います。

 私たちは浅草と大須には何度も言ったことがあるのですが、津観音には行ったことがありませんでした。そこで今回、行ってきました。

 浅草と大須に共通することといえば、門前町が実に栄えているということです。平日でも多くの人が行き交い、時には歩くのが大変なほどの賑わいです。津にもそんな雰囲気があるのでしょうか。

最寄は大門駐車場

 津観音は津市の中心部、国道23号線から程近い場所にあります。お寺の周辺には門前町のように、だいたてアーケードが形成されているとのこと。ただ地図で見ると駅からは遠く、バスに乗らないといけません。私たちは車で行きましたので、津観音のすぐ横にある立体の大門駐車場に車を入れます。こちらは24時間営業で30分毎100円、最初の1時間は無料となっています。

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色鮮やかな仁王様と五重塔

 色鮮やかな仁王さまが守る仁王門をくぐると、奥にこれまた色鮮やかな五重塔が見えます。この五重塔は2001(H13)年5月に建立されたもので、仏法興隆と世界平和を祈願しているとのこと。三重県内では初めての純木造五重塔です。写真だと伝わらないかもしれませんが、いかにも新しいというのが見た目にもよくわかります。まあ、これから年月を重ねていくと、深みや味わいが出てくるのでしょうね。

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 仁王門から入って正面にあるのが観音堂。こちらでお参りをします。観音寺は今から1,300年ほど前の709(和銅2)年、津の阿漕浦で漁をしていた漁師の網から出現した聖観世音菩薩を本尊として祀り開山しています。足利義教が三重塔を建立したり、豊臣秀吉が祈願をしたことでも知られています。

 津藩の藩祖である藤堂高虎は戦乱によって荒廃してしまった津観音を再興、それ以降藤堂家の祈願所として加護を受けたとのこと。しかし、1945(S20)年7月の津大空襲によって全ての堂宇を焼失してしまいます。現在は復興を遂げていますが、どれもその後に建てられたものなので、色も鮮やかで新らしく感じるのでしょう。

 でも、復興だけでなく五重塔まで建立されるということは、それだけ地元の人の信仰が厚いことを示していますね。

 焼失を逃れた虚空蔵菩薩像、愛染明王像、大威徳明王像、弘法大師像、十二天像、以上の絵画と、阿弥陀如来坐像は津市指定有形文化財となっていて、大宝院に収められています。

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「あこぎ」と聞いて思い出すもの

 さて、先ほどご本尊の聖観音菩薩が阿漕浦で漁師の網にかかったというお話をしましたが、「あこぎ」と聞いて何を思い浮かべますか?ずうずうしいとか、金のためなら何でもするという人のことを「あこぎな奴だな」と言ったりしますよね。実はそのあこぎは津の阿漕浦から来ているのです。

 阿漕浦は伊勢神宮にお供えをする魚を獲る漁場として、昔は禁漁区となっていました。そこで密漁をしていた漁師から「あこぎな奴」という言葉が生まれたというのです。

 しかしその漁師には事情があったという伝説もあります。病にかかった母親のために、病気に効くという魚「やがら」を密猟した平治という男がいました。ところが浜辺に名前の入った笠を忘れてしまい密漁が発覚し、平治は簀巻きにされて海に放り込まれてしまったのです。その笠を模った「平治煎餅」というお菓子は津の名物として有名です。

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 あれ?でも、ご本尊は阿漕浦で漁師の網にかかったんですよね...。その漁師は、あこぎな漁師ではないのかな?と思ったのですが、それはたぶん、伊勢神宮に奉納する魚を獲る漁師だったのでしょうね。

 ちなみに平治煎餅では、平治の笠を模った煎餅に自分の名前を入れてくれるそうなのですけど、確かに、自分も親孝行な子どもになれますようにという意味合いもあるかもしれませんが、自分も簀巻きにされて海に放り込まれやしないかとヒヤヒヤしてしまいそうです。しかしそんな伝説を煎餅にして売りだそうだなんて、これまた阿漕な商売ですね...ってのは褒め言葉になりませんよね。すみません。

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 行ったのが平日の午後ということで、タイミングが悪かったのかもしれませんが、津観音のなかでは人とすれ違うことがあったものの、門前町であるだいたてアーケードではまったく人を見かけませんでした。いわゆる中心市街地のドーナツ化現象を感じてしまいました。津は浅草や大須のようにとはいかないようです。

 ただ、以前一度夜に訪れた際には結構賑わっていたので、一概に昼間のだいたてを見て、寂れているとは言えないと思います。日本三観音の門前町として、他のふたつのように賑わいが戻ってくるといいですね。

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 とはいえ、イオン王国三重県は大型ショッピングセンターの最先端を行くところですから、どんどん郊外に人が流れていく現象を止めることはできないでしょう。ですからそういったところと張り合うのではなく、全く違う観点からの集客を考えないと難しいでしょうね...。

いちご大福と天むすの発祥地

 ちなみに、この大門といえば「いちご大福」と「天むす」発祥の地。津観音からまっすぐ南へ、フェニックス通りの近くにある「とらや本家」が1986(S61)年にいちご大福の発売を開始したのが最初とのこと。今では全国に広がっていますね。季節によって、他にも梨大福やぱいん大福もあるそうです。

 そして天むすの元祖は津観音から見て南西にある「千寿」。名古屋で有名な天むす店「めいふつ千寿」は、ここから暖簾分けをしたお店なのです。今回は駆け足でしか見られませんでしたが、今度はもっとゆっくり大門を散策してみようと思います。

関連情報

津観音

恵日山観音寺(三重・津市)MAP

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