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お正月をもう一度!?町全体が賑やか「お七夜」-高田本山専修寺

記事公開日:2007年1月12日

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 津市一身田町にある高田本山専修寺。浄土真宗高田派の本山です。15世紀後半に真慧(しんね)が伊勢国の中心寺院として建立したことに始まります。1658(明暦4)年に藤堂高虎を藩祖とする津藩の強力な援助があり、1666(寛文6)年には御影堂が上棟されました。御影堂は国の重要文化財となっています。

 高田派に所属するお寺は全国に600以上あり、その真宗最大の法会である報恩講が毎年1月9日から16日まで行われています。この間、7日間に渡って昼夜ずっとお勤めを行うことから「お七夜」と呼ばれています。お七夜の間はお寺の周辺には出店が立ち並び、多くの人で賑わいます。一身田の風物詩であるその「お七夜」に行ってきました。

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高田本山専修寺と寺内町

 専修寺の山門前には一身田寺内町が形成されていて、多くの寺院が立ち並びます。寺内町とは戦国時代に真宗寺院の境内に発達した集落で、堀で囲って他の宗派や領主からの攻撃に備えた町です。その寺内町には明治時代の建物も多く残されていて、そういった商家の一部は「寺内町まちかど資料館」として、様々なものを展示しています。

 お七夜期間中はこの一身田町全体にお祭りの雰囲気が漂います。その様子は後ほど見ることにしまして、まず山門から。「報恩謝徳」という提灯がお七夜であることを示しています。この山門の瓦には1704(宝永元)年の銘があり、その年に作られたという説が有力です。

 山門は三重県の指定文化財となっていて、1994(H6)年には大掛かりな修理が行われています。この山門の迫力にまず驚かされたのですが、中に入ってさらにびっくり。

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重要文化財の御影堂

 山門をくぐると、目の前には国の重要文化財となっている御影堂(みえいどう)が姿を現します。間口は42.73メートルと大迫力。作られたのは1666(寛文6)年で、現在は2000(H12)年1月から2008(H20)年3月末まで99ヶ間をかけて平成大修理が行われています。その工事の様子をお七夜期間中は午前9時から午後4時まで間近で見ることができます。

 重要文化財の修理ということで、作業には細心の注意を払っていることでしょう。説明によりますと全て一旦解体し、破損や腐朽を補修して組み立てなおすのだそうです。しかも建てられた当時の資料を洗い出して、当初の技法を忠実に再現する方針とのこと。これは大変なことですが、こうやって後世に歴史というものが伝えられていくのだなと、そのダイナミックさに感服。

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享保の時代に27年かけて建てられた

 御影堂の横には、こちらも重要文化財となっている如来堂があります。1721(享保6)年の着工から27年かけて建てられたものです。お七夜は宗祖である親鸞聖人をしのぶもので、この如来堂でお勤めが行われています。

 如来堂の正面には唐門があり、門からお堂にかけて「報恩謝徳」と書かれた提灯がずらりと並んでいます。平日の夕方にもかかわらず本当に多くの人がお参りに訪れており、お七夜が一身田の人にとって大切なお祭りであることが伝わってきます。

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 境内で私の目を引いたのが銅鐘と鐘楼です。どちらも津市の指定有形文化財となっています。この鐘は専修寺の第15代住持であった堯朝の夫人「高松院」が、専修寺に伝わる親鸞直筆の文書を守り、32歳で切腹によって亡くなった堯朝の7回忌にあわせて鋳物師に作らせたもので、1652(慶安5)年に鋳造されたものだそうです。その高松院は津藩の藩祖である藤堂高虎の長女。津藩と専修寺の関係が密接であったことがよくわかります。

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山門周辺も賑やかなお七夜

 お参りが済みましたので、お祭りの雰囲気が漂う山門周辺を歩いてみます。お七夜の期間中はお寺の周辺は日中、自動車の通行を規制していて道路には屋台がずらりと立ち並びます。お好み焼きやりんごあめ、とうもろこしやたい焼き、そしてからあげ屋さんが多く見受けられました。漂うおいしそうな香りに思わず、引き込まれてしまいそうになります。

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 高田青少年会館周辺には陶器や手工芸品を並べるお店があり、見ているだけでも楽しいものです。特に招き猫の多さが気になります。やはり商売繁盛を願う人は多いですからね。なかには手が動くタイプの招き猫を置いているお店も。手がずっと動いています。もちろんそれも商品です。

 それを見た私の相方は「それって、商品とはいえこの店の招き猫として使われたわけだから、既に中古だよね。」と細かいつっこみ。青少年会館のなかではレザークラフトや水墨画の企画展のほか、展示即売会が行われていて、数珠や工芸品がたくさん売られていました。お寺ならではのイラストが描かれた便箋とか、結構面白いものが売られていました。

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 もちろんお七夜の本当の意味はお勤めなのですけれども、祭りのひとつとして、一身田の人々には親しまれていることがわかりました。時期的にも、正月ムードが完全に終わって、ちょっと寂しい気分になったところにやってくるお七夜ということで、タイミングも良いのでしょうね。

 専修寺だけのお七夜ではなく、町全体のお七夜という感じで、暖かい雰囲気に包まれていました。それを最も感じた瞬間があります。杖をついたお婆さんが、お参りを終えて唐門の前をゆっくりと歩いていたのですが、小さな子ども連れた茶髪の若いお母さんたちがそのお婆さんを抜いていく時に、さりげなく「お婆ちゃん大丈夫ー?頑張ってー」と声を掛けていったのです。なんかいいですよね...。

 店員さんとかの応対もそうなのですけど、三重県に来るたびにこちらの人はとても優しくて温和に感じます。やはりそれがおもてなしのDNAを持つ三重県人気質というものなのでしょうか。いつもギスギスした接客を名古屋で受けている私たちにとっては、三重県はほっとできる場所です。大修理が完了したら、ぜひまた来たいと思います。

 後で高田高校出身の友人に聞いたのですが、高田まんじゅうとカレー焼きは押さえておきたい逸品だそうです。しまった...行く前にリサーチしておくべきでした...。

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