NAGOYANOW 名古屋外食産業事情特集

あっちも本店、こっちも本店?

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かつては隆盛を極めたアトムグループ

 お届けしております名古屋の外食チェーンシリーズ。ここまでファミレスからファーストフード、肉料理店と考察をしてきました。今回は名古屋を本拠とする和食チェーンを見ていきます。和食店というのは、なかなか外観から価格帯を推測しにくいものです。特に関東や信越方面へ出かけた際に見かける蕎麦店の場合、ロードサイド店であってもいざメニューを提示されると、その価格に仰天してしまうことがあります。そこで今回は、名古屋ビギナーのための和食チェーン情報と題してご紹介していくことにします。

えちぜん

 以前アトムグループとして紹介しましたが、アトムの和食レストラン業態に「えちぜん」があります。ここは雰囲気も価格帯もいわゆる和食のファミレスといった感じで、セットメニューを中心に提供しています。かつてはかなりの店舗数を誇っていたのですが、不採算店舗の整理縮小により現在は愛知と岐阜に計 11店舗、滋賀・長野・福井に計7店舗となっています。ということは赤字店舗が多かったということですね...。

 特徴としては、あまり蕎麦を食べない名古屋っ子の嗜好を象徴するかのように麺類はうどんがメインであり、回転寿司業態がグループの中核であることからか、寿司メニューも豊富です。ここでえちぜんを利用する際のマル秘情報をお届けしましょう。えちぜんのメニュー表には、セットメニューのみで単品価格表示が無いものが多数見受けられますが、店員さんに「単品できますか?」と聞けば大抵できますので、少食の方はぜひお試しください。

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▲最近看板を変えつつあるえちぜん。写真は古い看板。

蟹や徳兵衛

 こちらもアトムグループの和食業態で、高級蟹料理店という位置づけで、決して安くないお店です。以前は結構見かけたのですが整理され、現在は愛知と岐阜、静岡と福島に各1店舗となってしまいましたので、ひょっとしたらこのまま...。

♪結構おいしい、なかなかおいしい♪

サガミチェーン

 先ほど、名古屋っ子はあまり蕎麦を食べないと書きましたが、そんな蕎麦を名物にしている和食チェーンが名古屋にはあります。「御食事処サがミ」です。企業名としては「サガミチェーン」となっていますが、お店の名前としては「サがミ」と、「が」が平仮名であることは名古屋っ子なら必須の知識です。「え!」と思ったあなた。よく看板を見てください、「ガ」ではなく「が」となっています。点が3つあることをご確認ください。

 サガミは埼玉から兵庫まで180店舗を展開しており、この地方には愛知に59店舗、岐阜に19店舗、三重に17店舗と強力なネットワーク体制で、ひとつの街に複数店舗あるなんてことはザラです。それでもやっていけるわけですから、いかに名古屋っ子がよく利用しているかがわかります。価格はファミレスよりも若干高めですが、ボリュームがあります。

 サガミの看板には店名よりも大きく「信州そば」と書かれており、入口では石臼が蕎麦粉を挽いていたりと、そばに力を入れていることはすぐにわかります。しかしもちろんここは名古屋ですからうどんにも力を入れています。蕎麦メニューをうどんにチェンジすることも可能です。特にみそ煮込みうどんの出来は秀逸で、専門店のようにとっつきにくくもなく、かと言って食べやすさばかりを追求したものでもなく、みそ煮込みうどんマスターへの登竜門として最適な味に仕上がっています。

 そしてサガミの最大の特徴は全店直営であるということ。フランチャイズ制を導入しないことで、味の劣化を防いでいるというわけです。しかし我々地元民の間では、真偽のほどはわかりませんが、本社に一番近い四軒家店の味が最も良いという噂があり、私は家の近くに何店舗もサガミがあるにもかかわらず、わざわざ四軒家店に足を運んでしまいます。大抵のお店に個室タイプのお座敷席もあり、使い勝手の良いお店です。

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▲かつては本店扱いだったサ「が」ミ四軒家店。

どんどん庵

 サガミチェーンの子会社が運営するリーズナブルなうどんチェーンが「どんどん庵」です。近年名古屋では、安いさぬきうどんチェーン店の進出が相次いでいますが、昔から名古屋で安いうどんを提供しているのがこのお店です。愛知に65店舗、岐阜に11店舗、三重に4店舗を配しています。どんどん庵は、かなり安い価格設定になっています。なぜそれが可能なのかというと、セルフうどんだからです。

 セルフうどんとは一体何なのか。ご説明しましょう。店に入ると、ドン、ドンと無造作に麺が入った丼が置いてあります。そして目の前にはグツグツと沸いているお湯。お客は自分でその麺を茹で、丼に再び戻すのです。その上に天ぷらやあげなど好みのトッピングをのせたら、専用の蛇口からジョボジョボと熱いつゆを注いでできあがりというわけです。

 安い上に自分で作るのでスピーディに食事ができ、特にビジネスマンには人気です。うどんを作る楽しさが味わえるという点で子どもにも人気があります。ただ、お店には風情も何もありません。特にあの蛇口からつゆを注ぐというスタイルは...。そうそう。蛇口はふたつあって甘口と辛口が選べますから、関東の方も関西の方もご安心ください。好みによってはブレンドもできます。それこそ関東と関西の融合した名古屋味かも。

食事が出来るまでお菓子をどうぞ!?

丈山の里いずみ庵

 サガミはそばがウリでしたが、同じ麺類でもそうめんをメインにしているのがいずみ庵です。安城市に本社を置く和食チェーンです。かつては中村玉緒さんが出演するテレビCMをやっていましたが、ここ最近は見かけませんし、店舗もかなり減っている印象を受けます。ホームページも閉鎖されてしまいました。

※ホームページはその後復活しています。

 価格帯は少し高めで、そうめんを中心とした麺類のセットメニューを提供しています。店舗によっては観光バスも停められるような大駐車場を完備しており、ガヤガヤと団体さんが入ってくることがよくあります。

 このいずみ庵、親会社がお菓子メーカーであり、以前は注文してから料理が出てくるまでいずみ製菓のお菓子が無料でプレゼントされました。ですから料理が出てくるまで、いずみ製菓の「むぎむぎ」や「ポテトスナック」をぼりぼり食べて間を繋ぐことになり、料理が出てくる頃には空腹感が失われているという事態に陥ることもありました。店先ではそうめんの他、いずみ製菓のお菓子も販売されています。

一体どこが本店なの?

甲羅本店

 蟹料理のお店で、どこへ行っても本店なのが甲羅です。ここは「甲羅本店」までが店の名前になっていますので、そこが本店という意味ではありません。でもなかには「本店」では無い「甲羅」というお店もあり不思議です。北海道から九州まで45店舗を構え、うち愛知に10店舗、岐阜・三重に各1店舗を配しています。

 蟹料理専門店ということで決して安くありませんが、鍋から焼蟹、刺身にコロッケと様々な料理法で蟹を堪能させてくれます。名物は会席料理。品数の割にお得感があります。そして甲羅で私が一番気に入っているのがドレッシングです。なぜかこの甲羅特製のドレッシングは絶品。店先でも売られており、持ち帰って家でもその味が楽しめます。

 甲羅グループには他にもろばた料理の「かまど」、焼肉の「カルビ一丁」、さらにアジア各国の料理をフュージョンさせたという「バリハイ」など多彩な業態があります。

 ちなみに甲羅だけでなく、かまども各店が「かまど本店」となっています。これは、各お店が本店であると錯覚させるための手法なのでしょうか。だとしたらとても愛知らしい感覚のような気もしますが、たぶん実態は語感からそうしているのでしょう。でも、どのお店にも「ここが本店だからおいしいよ」と思わせるために錯覚させているという発想の方が私は面白いと思うので、そういうことに勝手にしておきます。実際サガミのように、本社近くのお店がおいしいという噂がたったりすることもあるわけですから、この推測はまんざら間違いでは無いかも。

 ここまで麺類と蟹料理店をご紹介してきましたが、何となくその価格帯をご理解いただけたと思います。いざ名古屋にやってきて、お店に入って顔面蒼白ということが無くなることを願うばかりです。次回外食産業編最終回では、さらに和食のチェーン店と居酒屋チェーンを見て行きます。

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▲どこも「本店」甲羅本店。
 

協力:yueさん

※以上は2006/01/07にメールマガジンとして発行したものです。


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