NAGOYA REPORT 万博便乗!新名所特集

地場産業の意地・地場百貨店の意地-2005名古屋新名所

記事公開日:2005年3月26日 更新日:

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▲大観覧車のサンシャイン栄。名古屋らしい観覧車の目玉機能とは。

 3月25日に愛・地球博が開幕しました。35年ぶりとなる一般博「愛・地球博」、半年間で1500万人の入場者が見込まれています。日本中、いや世界中からこの名古屋へ人がやってくるはず。ということでそれに合わせ、名古屋では新スポットが続々登場しています。今回は、名古屋一の繁華街・栄に登場したばかりのスポットを二つご紹介します。

栄の新名所はファッションとグルメだけじゃない

SUNSHINE SAKAE(サンシャイン栄)<3月5日全館オープン>

 名古屋を代表する繁華街といえば、その名のとおり「栄」です。その栄の錦通と大津通の角、これまたそのまんまの名前である「錦通大津」交差点角に登場したのが、大観覧車のある「サンシャイン栄」です。ではフロアを上から見ていきましょう。

 5階と6階は飲食フロアです。和食は「銀座天○」、「とんかつ和幸」、歴史ある京料理のお店・たん熊北店がプロデュースする「熊はん」。そして洋食は老舗洋食店「ドンピエール」に、アメリカンカジュアルレストラン「ウエストパークカフェ」、名古屋っ子が大好きなカレーうどん専門店の「うどん子」では激辛カレーが楽しめます。

そしてステーキと鉄板カレーが楽しめる「七兵衛」といったラインナップです。また異国料理のお店もあります。本場のナポリピッツアと、この地方の食材を融合したイタリア料理の「DA CIBO(ダ・チーボ)」や、独創性溢れる中華料理の「チーナ・ヒロ」、そして本場タイから3 1店舗目として名古屋に上陸した「コカレストラン」です。コカレストランは食材をタイから空輸。本場のタイの味を味わうことができます。

 3階と4階はファッションフロア。特にレディス向けが多く、名古屋初上陸のブランドもあります。バッグ、雑貨からアクセサリー、シューズまで個性的なショップが並びます。ヘアサロンもあります。そしてこの3階から乗ることができるのが、名古屋一の夜景が自慢という大観覧車「Sky-Boat」です。直径40メートル、最も高いところでは地上高52メートルを誇ります。料金は500円(未就学児は無料)で、1周約10分。運転時間は午前10時から午後 11時までとなっています。

さて、この観覧車にはいかにも名古屋らしい機能がついています。それはスロットです。観覧車に乗るといきなりスロットがスタートします。ここで「777」が揃えば当たりです。サンシャイン栄内で使える1000円分の商品券がゲットできます。さすが商業パチンコ発祥の地・名古屋の観覧車です。

 2階には全国のご当地ラーメンが集結した「名古屋麺屋横丁」が登場。函館塩ラーメンの「ずん・どう」、とんこつ魚介系醤油の「つしま」、燻製卵が自慢の「竈新宿本店」、ラーメンとつけめんの「せたが屋」、正統博多ラーメンの「秀ら~」に、創作スープの「横浜いまむら」、そして大阪オリジナルとんこつの「作の作」と個性あふれる7店舗が、昭和30年代を再現した街並みの中で営業しています。

 そして1階と地下1階は「サンシャインKYORAKU栄」というパチンコ店になっています。パチンコで京楽と言いますと、「♪ゴーゴーゴー胸を張って、ゴーゴーゴー飛んでゆけー、ゴーゴーレッツゴー!京楽会館。」というCMソングをご記憶の方も名古屋では多いでしょう。

 観覧車で「飛んでゆけー。」はまずいですけれども、そんな感覚に陥るシースルーゴンドラとなっています。しかしここはその京楽会館ではなく、パチンコメーカー京楽産業の関連会社が運営しています。

 観覧車に名古屋らしい機能がついていると書きましたが、パチンコメーカーの運営と知って納得。名古屋のアミューズメントはパチンコが牽引しているという名古屋の実態を、如実に表しているのが、このサンシャイン栄です。

※この紹介は執筆当時のものです。現在は全く異なる構成になっています。

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▲名古屋麺屋横丁は昭和30年代の雰囲気。当時の喧騒も聞こえます。

ラシックのCMに何を見る

LACHIC(ラシック)<3月9日オープン>

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▲ブランド品を買うにしてもあなたらしい逸品を。ラシック。ブランドでさえあれば良いという名古屋に一石を投じる。

 オリエンタル中村百貨店が三越の傘下に入り「名古屋三越」となったのが1980(S55)年、その名古屋三越が三越本体と合併し、それまでの「名古屋三越栄本店」から「三越名古屋栄本店」と変わったのが2003(H15)年のことです。その年、三越名古屋栄本店にとって大きなショックとなる出来事がありました。

 さらにその3年前である2000(H12)年、JR名古屋駅に高島屋が進出し、それまでの4M(松坂屋、三越、丸栄、名鉄)状態が崩されました。高島屋は順調に売上を伸ばし、2003(H15)年の11月、高島屋に三越名古屋栄本店は初めて売上を抜かれたのです。

 もちろん既存のデパートも黙っていませんでした。三越と同じく栄に名古屋本店を置く松坂屋は、2003(H15)年9月に「新南館」をオープンし、東武百貨店池袋本店を抜いて日本一の売場面積へと拡張しました。そして三越も売場を拡張することになりました。それがこのLACHIC(ラシック)です。

 今までの三越栄本店の南側にオープンしたラシックは、地上8階地下1階で売場面積は約29,000平方メートル。170のショップが入っているのですが、そのうちなんと112が名古屋初登場のショップとなっており、注目を集めています。

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▲三越のシンボルライオン。ライオンの秘密についてはまた別の機会に。

 地下1階は日常のフロア。水やサプリメントの専門店や、パンにキッチン雑貨のお店などが並びます。このフロアでの注目はスイーツ。スイーツといっても各お店に特色があり、豆腐専門店や健康創作菓子のお店もあります。

 1階は「COMME des GARCONS」、「DOLCE&GA BBANA」といった世界的なブランドショップのほか、ワイン専門店、アロマグッズのショップなどが並びます。そしてZIP-FMのサテライトスタジオもあります。4階まで吹き抜けになっているので、外を歩いているような感覚にもなります。

 そして2階から4階にはファッション、バッグ、シューズのさまざまなショップが並びます。ネイルアートやアクセサリーのショップも豊富。デートで女の子をここへ連れて行ったら、何時間あっても時間は足りないでしょう。まあそれでも時間はいくらでも作れるから良いですけど、財布の中身が足りなくなることが無いように、男の子は気をつけたいものです。

 5階と6階には専門店がずらり並びます。書店やアウトドア雑貨店のほか、5階にはアンティークショップやビーズ、そしてテディベアのお店に万華鏡専門店、さらには天使のグッズ専門店に、スクールも併設された、何年も花をそのままの状態で保てる技術「プリザーブドフラワー」の専門店もあります。さらにヨガのウェアとグッズのお店もあります。

 そして6階には、中国茶器や麻の専門店に、木のおもちゃ、炭のお店もあります。下のフロアでアクセサリーを買ってもらった女の子は、調理器具と製菓材料のお店に立ち寄って、男の子に手作りのお菓子でお返し、なんてのもいいかもしれません。安くつきますしね、なんて。いえいえその心はお金に変えられません。今まで全く興味が無かった分野のお店を覗いてみると、新しい世界が開けるかもしれませんよ。

 そして7階と8階は飲食のフロア。それまで名古屋名物でも何でもなかったエビフライを、巨大エビフライの開発で名古屋名物に仕立て上げたあの南知多の料理旅館「まるは」が、レストランとして登場。これが名古屋のエビフライかあ!と驚きたい方にぴったり。他にもひつまぶし、みそかつ、カレーうどんといった名古屋の味が楽しめます。

 もちろん名古屋の味だけではなく、三重県伊賀で有名な農場「モクモク手づくりファーム」直営のレストランや、天ぷら、寿司、蕎麦、沖縄料理、京料理、中華料理、四川料理、韓国料理、イタリアン、フレンチ、バリ料理、北京ダック、飛騨牛、甘味のお店がずらりと並び、そのバリエーションに驚かされます。

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▲ラシックは1階から4階まで吹き抜けになっていて開放感あり。

 ところでこの「ラシック」という名前についてですが、ラシックを紹介するテレビ番組では、「ラシックであなたラシック。」というダジャレを聞かされることがよくあります。しかし実はそれが正解なのです。ブランドやトレンドに振り回されるのではなく、あなたらしいライフスタイルをここで見つけて欲しい、「あなたらしく」あって欲しいから「ラシック」なのだそうです。

 このセンスもそうですけど、オシャレな外観、オシャレなロゴ、そしてオシャレな画像のCM でありながら、CMのセリフは全編名古屋弁というセンスも、やはり「名古屋らしさ」を大切にしようというメッセージがこめられているのでしょうか。今は三越に取り込まれてしまったものの、かつては名古屋地元のオリエンタル中村百貨店だったという過去がそうさせるのでしょうか...。テレビCMはラシックのサイトでもご覧いただけます。

「ちょー知っとる?今度営業に来た彼でらかっこいいらしいよー。」

「なにー、でらかっこいいのー?じゃーランチ誘わなかんがー。」

「取らんでよ!あんた彼氏おるでしょー。私がディナーに誘うんだて!」

...。

 これが名古屋の最新スポットのCMかと思うと...やっぱり名古屋ラシックです。

 あなたラシック、名古屋ラシック。


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