NAGOYANOW 愛・地球博体感レポート

賛成?反対?愛・地球博 いざ会場に行ってみると…

記事公開日:2005年7月16日

 私はこれまで、このサイトで愛知万博、愛称「愛・地球博」についていろいろ書いてきました。どうして愛知が万博を誘致することになったのかや、かつて名古屋などで行われた地方博の功罪について考察し、開幕前に万博会場に入ってのレポートも書きました。そして愛・地球博は開幕し、私は何度も訪れています。

 さて今回は、万博の何について書くのかといいますと、私宛のご質問にお答えしようと思います。この質問は本当にたくさんメールでいただきました。その質問とは。

私はこの万博をどう捉えているのかを自己分析

「トッピーさんは愛・地球博に賛成なのですか、反対なのですか。」

 これは難しい質問です。なぜなら一概にどちらとも言えないからです。賛成の部分もありますし、首を傾げたくなる部分もあります。そこで今回は、私から送るメッセージという形で、「賛成派」「反対派」そして「エンジョイ派」の皆様にコメントすることで、私自身が万博をどう捉えているのか、真相を自分自身で探ってみたいと思います。

万博賛成派のみなさまへ

 入場者数、好調に推移していますね。

 目標入場者数は1,500万人。これを会期の185日で割ると、1日最低81,082人の入場者数が必要になります。開幕直後は連日この数字を下回りましたが、5月12日を最後にこの数字を割っていません。17万人という数字を叩き出した日もありました。102日目で累計入場者数1,000万人を達成し、このペースで行けば残り期間が最低ラインだったとしても、総入場者数は1,700万人を超えます。広告代理店などが必死で煽ったお陰ですね。

 その入場者数のうち5人に1人が全期間入場券によって何度も万博にやってきてる人だとか、最高で1人で91回入場した人がいるだとか、そんな細かいことは関係無いですものね。採算がとれるかどうかよりも、1,500万人を達成するかどうか、重要なのはそこですものね。

 でも、1,500万人という数字はやはり採算性を考慮して弾き出した数字なはずですよね。そのシミュレーションでは、全期間入場券の割合はどうなっているのでしょうか。それにしても1人で91回はやり過ぎです。しかも開幕から88日目のデータですから、1日何度も入場した日があるということになります。これはさすがに協会も想定外でしょうね。

 実際に展示物を見ての感想ですが、やはり「人生一度は万博だ」ですね。ようやくその意味がわかった気がします。私は今まで万博というものに行ったことがありませんでした。唯一見たことがあるものといえばこの、今は万博会場になっている愛知青少年公園に移築されていた、大阪万博の「フジパンロボット館」だけでした。

 この愛・地球博に触れてみて、万博はただの遊園地や企業PRの場ではなく、世界の人々と触れ合える素晴らしいものだということを初めて知りました。そういう意味では、我が家の近くで万博を開催してくれてありがたいと思っています。本当に気軽に行けますから。

 しかしそれと同時に感じたのは、万博の展示物はそのプロデューサーに左右されるものだということです。長久手愛知県館や三菱未来館など、自然について考えさせられる本当に素晴らしいものもあれば、やたらと待たされて見てみたらただのデカい万華鏡だとか、池から猿が出てくるだけだとか、一般人には理解しがたい映像展示だとか、なんじゃこりゃ的なものもありますね。

 そういったマイナス情報は、広告代理店によって発信されるものにはもちろん皆無ですが、個人が発信するブログなどに真実が書かれており、皮肉にも個人による情報発信時代の到来を実感することもできました。

 賛成派の皆さん、特に関係者の皆さんはとにかく今頃ホクホクなのではないでしょうか。でも気をつけてください、勝負は閉幕後ですよ。もし赤字隠しが必要ならは用意周到に。

※追記 結局2,205万人が入場し、収支は45~75億円の黒字の見込みとなりました。

写真
▲常に混雑している北ゲート付近。

万博反対派のみなさまへ

 反対派の方々には、この好調な入場者数はとにかく気に入らないことでしょう。しかしよく考えてみてください。先程も書きましたが、私のように全期間入場券で何度も行っている人がいます。4回行けば元が取れてしまいますから、5回目以降は入場料収入の無い入場者ということになるのです。果たしてこれで採算ベースに乗るのでしょうか。つっこみどころはまだまだありますよ。

 そして問題は「遠足」です。愛・地球博には愛知県内のほぼ全ての小中学校の児童・生徒が遠足で訪れています。これが入場者数に大いに貢献していることは言うまでもありません。では、その入場料はどこから出ているのか。実は全て愛知県が負担しています。実質、県による資金援助とも言える行為ではないでしょうか。

 県内の全ての小学生かけることの1,500円、中学生かけることの2,500円。税金で開催するイベントの入場料に税金を投入する。いやいや、でも場合によっては遠足が唯一の万博体験ということもありますから、これは大目に見てあげましょう...だめ?。

 そして「何が自然の叡智だ」と言っている反対派のみなさん。何ら自然の叡智とは関係の無い、心にも残らないパビリオン、ただの物産展会場と化している外国パビリオンも確かにありますが、なかには素晴らしい展示もあります。この万博の展示がきっかけで、それまで自然について何も考えていなかった人が、少しでも自然環境について気にとめるようになってくれたのなら、それは成功ではないでしょうか。

 瀬戸愛知県館で上映される映像には、この万博開催について愛知県の反省も描かれていますし、こんな映像もあります。瀬戸愛知県館を建設するために、やむを得ず1本の木を切らなくてはならなくなりました。その木を何とか生かしたい。ということで生かしたまま館内に移設することになり、そのプロジェクトの映像を見ることができます。

 環境に細かく配慮しているのです。でもその映像を見た後、瀬戸会場と長久手会場を結ぶモリゾーゴンドラに乗ると、ゴンドラのために無残にも枝を切られた木がズラっと並んでいる姿も見ることができますよ。ここが噛み付きどころ。

 とにかく、一度行ってみましょうよ。反対を唱えるにも、まずは展示を見てみないとだめです。批判をするにはまず敵を知ること。でも心変わりするかもよ、嫌い嫌いも好きのうちかも...。

 あ、とにかく何でも反対、反対と、反対をすること自体が好きな人はどうでもいいです。

写真
▲遠足の子どもとお年寄りしかいなかった頃の瀬戸会場。

イラスト
▲ずっとアンチ万博だった人も、1回行ってしまうと大抵変わってしまうんだよね。

エンジョイ派のみなさまへ

 わかりました。私の立場の正解はここです。私は賛成、反対というスタンスでこの愛・地球博を捉えてはいません。とにかく名古屋(のとなり)でこんな大きなお祭りごとが開催されているのです。賛成、反対と言ったところで何がどうなるわけでもありません。

 そんなのは誘致や計画段階で言うことです。確かに税金が投入されています。赤字になるかもしれません。テーマと関係の無い展示もあります。でも、だからといって何を言っても始まりません。とにかく楽しんだものが勝ちです。

「外国パビリオンで現地の人と話をする」

 もうその国の人とは一生話をする機会は無いかもしれません。

「コンセプトのしっかりしたパビリオンで展示に感動する。」

 良いパビリオンは本当に良いです。

「つまらないものは散々コケにする。」

 つまらないものは本当につまらないです。コケにして笑い飛ばしましょう。

 今まで「万博なんて」と思っていたみなさん、夏休みに一度訪れてみてはいかがでしょう。当然夏休みですから混雑が予想されます。ですので行列に並んでパビリオン巡りをするのではなく、万博そのものの空気に触れてみてください。たぶん、もう二度と我が国では万博は開催されないでしょう。

 どうせ税金が使われているなら、楽しむことでその元を取りましょう。でも繰り返しになりますが、つまらないところは本当につまらないのでお気をつけ下さい。特にマスコミによるパビリオンの前評判は眉唾もいいところです。

写真
▲大観覧車から見た会場の全景。各コモンに色の照明が。

※以上は7/16にメールマガジンとして発行したものです。


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