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中部の老舗スーパーヤマナカ 品揃えも違えば客層も違う…フランテからチャレンジハウス 徹底した顧客選別を体感

記事公開日:2017年5月4日

★ヤマナカからフランテへ転換した四軒家店
★フランテといえば名古屋のハイソの代名詞
★ヤマナカの業態によってその街に住む主婦がわかる?

 1977(S52)年にオープンした、名古屋市守山区のスーパーヤマナカ四軒家店。店舗側面が全面ガラス張りで、屋上駐車場へはスロープで上がるというスタイルは、昭和の頃はモダンに感じたもので、私の思い出の地のひとつでしたが、今では古さを感じるものとなっていました。

 そのヤマナカが一昨年の5月に閉店。その半年後「フランテ」としてリニューアルオープンしました。フランテといえばもう、それはその名を名古屋に轟かす高級スーパー。ですが、運営はそれまでと同じくヤマナカです。

 しかし、訪れてみるとフランテはやはりフランテ。再び訪れる敷居の高さを感じずにはいられませんでした。地域の住民層できっちり業態を変えるヤマナカとは、どんなスーパーなのでしょうか。ヤマナカの態度で街の雰囲気がわかる?

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ヤマナカとは中部地区の老舗本格スーパーマーケット

 スーパーヤマナカは、起源をたどると大正時代にまで遡る名古屋の老舗スーパーです。1960(S35)年にはこの地方初となる、セルフサービス方式のスーパーマーケット「正木店」を出店。1981(S56)年には名証2部上場を果たしています。

 この地方の他の地場スーパーと、大きく異なる特色がヤマナカにはあります。それは、かつてジャスコと共同で出店していたこと。名古屋市西区のダイヤモンドシティ名西(現在のイオンタウン名西の場所)や、瀬戸市のジャスコ瀬戸ショッピングセンター(現在の十六銀行瀬戸支店の場所)など、ジャスコとヤマナカが同居するショッピングセンターがありました。

 そんなヤマナカには今、フランテだけでなくいくつも業態があり、地域にあわせて業態を巧みに変えて、明確な顧客選別とブランドイメージ戦略が徹底されています。

 かつてスーパーヤマナカといえば、「アルテ」というショッピングセンターを形成し、店内にはこの音楽が鳴り響いているイメージでした。

♪散歩のつもりで歩いていても~ ほほほ~
 明るい呼び声 心が弾む
 パッとひらめく素敵なメニュー
 いつもあれこれ 楽しいお買物~
 ヤマナカ~
 ヤマナカ~
 ヤマナカスーパーチェーン♪

 私たちの世代にとっては、これは心の琴線に触れる、母親との買物の一場面を思い起こさせる郷愁ソングなので、なんとか、CD発売や楽曲配信とまではいかなくても、ヤマナカの公式サイトで聞けるようにしていただきたいと、そう願うばかりです。

 そんなヤマナカに転機が訪れたのが、フランテです。

高級スーパーフランテ

 1997(H9)年11月にオープンした「八事フランテ」がフランテ1号店です。フランテはヤマナカ色を出さず、「こだわりの逸品とおもてなしの接客」を掲げた高級スーパー業態。

 フランテとは「Frais(最新の・新鮮な)+Enchante(はじめまして)」を掛け合わせた造語。当時まだ名古屋地区には成城石井なども進出しておらず、名古屋にとって初とも言える高級スーパーは当時、果たして成功するのか?と言われました。

 ところが、フランテは「富士見台」「白壁」「覚王山」と、いわゆる名古屋のハイソな主婦が住む街を狙って出店。白壁に住む「シラカベーゼ」をがっちりとつかみ、自由ヶ丘の雰囲気にも合致、また街のブランド力が向上しつつあった覚王山のイメージともあいまって、名古屋を代表する高級スーパー=フランテというブランドを確立するのです。

 フランテの外観にはヤマナカの文字が見られないこともあり、なかにはフランテがヤマナカの運営だと知らなかった人も当時はいたそうです。

 そんな、フランテに転換したかつてのヤマナカ四軒家店、四軒家フランテで買物をしたのですが…。「刺身のマグロはすべて生です」という告知など、確かにいいものしか売られていません。はっきり言って、安くないです。「やっぱりフランテだな…」と周囲を見渡すと、ふと、わが家族が浮いているようにも感じます。

 見てわかりますね。生活水準が違う方々がお買物をしていらっしゃいます。唯一見かけた同士は「もう業務スーパーの方がいいんじゃない?」という会話が漏れ聞こえてきた夫婦だけでした。

 そんな私たちの脳裏をよぎったのは、業務スーパーではなく「ザ・チャレンジハウス」です。

ディスカウントなチャレンジハウス

 「ザ・チャレンジハウス」とは、同じくヤマナカが運営するディスカウントスーパーで、チラシを折り込みしないことで、常に価格を2割ほど安くすることを謳い文句にした業態です。2009(H21)年7月の太平通店を皮切りに、既存のヤマナカをザ・チャレンジハウスに転換していきました。ただ、今はチラシを折り込みしているようで、ディスカウントヤマナカという位置づけになっています。

 このザ・チャレンジハウスがまた、何と言いますか、外観からして「安い!」って感じなのですよね。黄色の壁面に、白の輪郭に赤字で「ザ・チャレンジハウス」とあり、土台には筆で描かれたっぽい青い帯。「The Challenging Price」。もう価格だけがウリですよー!と言わんばかりです。

 「ヤマナカが毎日低価格にチャレンジ!」とあり、ザ・チャレンジハウスとフランテを同じ会社が運営しているなんて、嘘でしょ?と思えてしまいます。

フランテとフランテ館は違いますよ

 話を戻して、先ほどのフランテのところで、「え?フランテってそんなに敷居高かったっけ?」と思ったあなた。それは「フランテ館」と混同されていませんでしょうか?

 ヤマナカには「フランテ」とは別に「フランテ館」という業態もあるのです。フランテ館とは「フランテ風ヤマナカ」。ちょっとだけフランテっぽい感じにしてるけど、そこまでやってしまうと客層的に高級さが厳しいかも?みたいな感じのお店です。

4つの業態を使い分け

 以上、ヤマナカには高級から順に「フランテ」「ヤマナカフランテ館」「ヤマナカ」「ザ・チャレンジハウス」と、4つの業態があるわけです。

 しかも最上位「フランテ」は、名古屋を代表する高級スーパーの地位を獲得するほどで、一方の「ザ・チャレンジハウス」は通常スーパーよりも2割安いが売り文句。その振り幅の広さは目を見張るものがあります。

 今回訪れた四軒家店のように、ヤマナカからフランテに業態が転換されたということは、その街の住民が「高級に耐えうる」とヤマナカが判断したと言えます。一方、かつてヤマナカからザ・チャレンジハウスに転換した瀬戸市の共栄店や尾張旭市の三郷店は、その街の住民が「安かろうが良かろう」とヤマナカに判断されたと言えるわけです。

 しかし、共栄店と三郷店は「ザ・チャレンジハウス」から「ヤマナカ」に業態が戻りました。「瀬戸市と尾張旭市の住民を見くびってました、皆様すみません」ってことでしょうね。

 名古屋近郊では「フランテ」「ヤマナカフランテ館」「ヤマナカ」「ザ・チャレンジハウス」のどれが存在するかで、その街の主婦の購買力や…まあ、あの、いろいろの、ある程度指標になると言えるかもしれませんね。

関連情報

四軒家フランテ(名古屋・守山区)

四軒家フランテ

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