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名古屋の玄関・全長8.3メートルのからくり時計「テリヨン」はどうなる?-テルミナ

記事公開日:2010年8月23日

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★まもなく営業終了・名古屋ターミナルビル
★全長8.3メートルのからくり時計「テリヨン」
★名古屋の見どころを「16」紹介

 名古屋の玄関・名古屋駅。桜通口を出てまず目に入るのは「大名古屋ビルヂング」ですが、そんな桜通口で、毎日4回、時を知らせてくれていたのが、名古屋ターミナルビルのからくり時計「テリヨン」です。

 全長8.3メートルもある巨大な機械じかけのからくり時計は、ものづくりが盛んで、なおかつ、からくり人形の歴史もある名古屋にふさわしい、定番の待ち合わせスポットとなっていました。

 しかし、そんな「テリヨン」が設置されている「名古屋ターミナルビル」は、間もなく営業を終了しようとしています。ビルが取り壊された後の「テリヨン」の処遇ははっきりしていません。ひょっとしたら見納めになるのではないか?と思い、見に行ってきました。

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松坂屋もいなくなります

 名古屋駅の北側にある「名古屋ターミナルビル」は、地上20階、地下3階からなる複合商業ビルで、その歴史は古く1974(S49)年に「松坂屋名古屋駅店」をキーテナントにオープンし、バスターミナル、商業スペース、ホテル、愛知県旅券センターなどがあり、名古屋駅がまだ一部6階、5階建ての「東洋一の駅舎」だった頃から、一緒に名古屋の玄関を担ってきました。

 しかし、将来のリニア中央新幹線の開業を見越し、JR東海が高層ビルへの建て替え方針を発表。このビルの北側にある郵便局のビルとともに建て替え、55階建て、高さ260メートルの新ビル高層を発表したのでした。その高さはミッドランドスクエアを越え、中部一となるはずでした。

 ところが、リーマンショックによる「元気な名古屋」終了のお知らせとともに、46階建てにトーンダウン。一部には、東新町とあま市七宝を結ぶ、東海ラジオの放送中継回線(STL)に影響が出るおそれがあるために背が低くなったという噂もありますが、真相は?

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うまく追い出せたようです

 新しいビルの建設にともない、松坂屋ナゴヤエキ店は8月29日閉店、ビルの営業自体が終了する9月末から解体工事が始まり、新しいビルは2016(H28)年度の開業を目指します。

 当初は、松坂屋が引き続きテナントとして入ることを希望していましたが、JR東海が提示した条件があまりにも厳しく、断念。結局は、ジェイアール名古屋タカシマヤが増床する形となりました。ビルの建て替えをきっかけに、うまくライバルのひとつを追い出した格好になります。

 名古屋ターミナルビル株式会社はこの春、セントラルタワーズと同じジェイアールセントラルビル株式会社に吸収合併され、まさしく、このビル跡地がセントラルタワーズと一体となって、JR東海による一大ステーションビルとして生まれ変わる準備が整ったわけです。邪魔者もいなくなりますしね。

 その他にも、家電量販店の誘致を発表しており、全国各地に出店しているにもかかわらず、名古屋だけには無いあの「ヨドバシカメラ」か、それとも、駅前なら今はどこでも登場する「ヤマダ」か、はたまた、名古屋の意地「エイデン」かと、様々な憶測が飛び交っています。ただ、オープンが6年後、その頃の家電量販店業界地図など、誰にも予想はつかない結果になっているかも。

 そんな、名古屋ターミナルビルで24年間、時を知らせ続けてくれたのが、からくり時計「テリヨン」でした。

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名古屋の名所をからくり時計が紹介

 テリヨンがここに登場したのは、1986(S61)年10月30日。それから24年間、毎日4回「10時」「12時」「15時」「18時」と、からくりによって名古屋の名所をアピールしてきました。

 時計に彫られている名古屋の名物は「16」。名古屋市の区の数と同じです。では、各区ごとに1つずつ紹介されているのかというと、それは微妙にかみ合いません。

 おっと、間もなく12時です。じっくりとからくりを見てみることにしましょう。

 まず、鐘の音とともに登場するのは「駅長」さん。名古屋駅にあるからくり時計ですものね。その駅長さんが指示をすると...。

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 1つ目の名所「名古屋駅」から蒸気機関車と子どもたちが登場します。

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 続いては、やっぱり名古屋といえば「名古屋城」。信長、秀吉、家康の三英傑が天守閣から見下ろします。三人が仲良く見下ろすなんてことはもちろんあり得ないわけですが。

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 駅、お城ときたら、今度は、名古屋っ子にとって喉から手が出るほど欲しかった日本初公開となった「東山動物園」のコアラの親子です。

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 その後は、名古屋っ子の心のよりどころ「熱田神宮」から、日本武尊と宮簀媛命です。

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 そしてからくり最後の登場は、名古屋の「山車」からくり人形です。この技術が、今も名古屋のものづくりに引き継がれているわけですからね。これで全てが登場。それぞれが音楽に合わせてダンスします。

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 また、それぞれが登場する際には、それに合った効果音が流れるのも面白いところ。東山動物園のところでは動物の鳴き声、山車のところでは祭囃子が聞こえてきます。

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他にも名物が彫られています

 あれ?16個も無かったよ?と思われるかも知れません。そうなんです。からくりで動くのはこれだけでして、他は彫ってあるだけなのです。まとめてみましょう。

「からくり」

名古屋駅(蒸気機関車と子どもたち)
名古屋城(信長・秀吉・家康)
東山動物園(コアラの親子)
熱田神宮(日本武尊・宮簀媛命)
山車(山車からくり)

「彫られているもの」左から...

明治村・西郷邸
市花・ユリ
名古屋テレビ塔
名古屋空港
白鳥
名古屋コーチン

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東名高速道路
新幹線
名古屋港
高層ビル
興正寺・五重塔

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 こうやってラインナップを見ますと、時代を感じる部分もありますね。私たちが子どもの頃の「名古屋」という感じがします。まあ実際、そんな頃に作られたわけですけれども。

 ちょっと無理やりですが、この16個の名古屋名物ラインナップを地域ごとに区分けしてみますと...。

中村区(2)・中区(3)・千種区(1)・熱田区(2)・北区(1)・名東区(1)・港区(1)・昭和区(1)
名古屋市全体(3)
犬山市(1)

 といったところでしょうか。名古屋空港は一部が食い込んでいる「北区」、東名高速は名古屋インターのある「名東区」にしてみました。この中で唯一、明らかに「名古屋」ではない犬山の「明治村」が組み込まれているのは、一応、名古屋駅はJRだけのものじゃない...ということで、名鉄への配慮をしたということなのかな...。だとすると、近鉄は...。

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そしてテリヨンもいなくなる...か?

 かつてこの場所には交番、そして、主人をかばって足を失った「盲導犬サーブ」の像がありました。しかしどちらも、セントラルタワーズの建設をきっかけに、この場所からいなくなってしまいました。そしてとうとう、テリヨンも...かな。

 駅前が再開発され、さらに賑やかになることはもちろん嬉しいことですが、ものづくりの盛んな名古屋、機械仕掛けの巨大からくり時計が、玄関である駅前で、名古屋の名所をひっさげてお出迎え。いかにも名古屋らしい象徴的な存在であっただけに、もし、ビルの取り壊しとともに無くなってしまうのであれば、それは寂しさを禁じ得ません。

 交番も新しく綺麗になり、サーブも陽のあたる栄に移転したように、どこかで時を刻み続けてくれることを祈っています。

 そしてやっぱり、名古屋ターミナルビルの商業施設の愛称だった「テルミナ」も終了でしょうか。「♪ビ~バ~、テルミ~ナ~」。FM愛知の「テルミナ・VIVAサウンド」懐かしいですね。またこれで、名古屋のひとつの時代が終わるということですね。

 VIVA!テルミナ!

関連情報

SEIKO時計マップ(セイコータイムシステム株式会社)
名古屋駅前地下街・テルミナ

名古屋ターミナルビル「テリヨン」(名古屋・中村区)MAP

35.171821, 136.883375

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