NAGOYANOW NOWレポート

無くなるタイミングもタイムリー?岐阜と愛知を中心に...コンビニエンスストア・タイムリー

記事公開日:2008年10月31日

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 かつて、岐阜県へスキーやスノーボードへ出かける人にとっては、その姿を見ただけでシーズンの訪れを感じるとまで言わせ、まさに岐阜県北部・飛騨地域の象徴でもあったコンビニエンスストア「タイムリー」が、この11月1日をもって消滅することとなりました。

 どこよりも早くバリアフリーのトイレを設置し、大手よりも先にコンビニATMを店舗敷地内に配し、三角屋根で犬のマークがデカデカとあしらわれた印象的なコンビニ「タイムリー」。一時期は、名古屋のテレビでCMを流し「ひょっとしてココストアとタメ張れる?」とまで思わせたあのコンビニが消えます。

 ひとつの時代が終わります。

東海の独特なコンビニ事情

 名古屋を中心とする東海地方では、昔からコンビニといえばユニー系列の「サークルK」が大きな力を持っていました。その状態は今も続いています。また、日本初のコンビニを自称する「ココストア」もあり、そのため他の全国チェーンはなかなか進出を果たせませんでした。

 今では比較的多く感じるローソンも、1978(S53)年という早い時期に名古屋へと進出していたサンチェーンと合併したからであり、ローソンが自力で一から名古屋を開拓したわけではありません。

 あのコンビニ業界のガリバーであるセブンイレブンでさえ、愛知県に1号店を出したのは2002(H14)年のこと。岐阜県進出は2005(H17)年と、わずか3年前のこと。

 そんな特殊なコンビニ事情のあるこの地方で、長らくローカルコンビニの雄として存在し続けたのが「タイムリー」でした。

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出店時期と地域はタイムリー

 タイムリーが誕生したのは1984(H59)年。岐阜県高山市に1号店をオープンしました。この時期、名古屋には既にサークルKやサンチェーンが多店舗展開を行っていたものの、飛騨地域にはコンビニはなく、独占状態でした。まさに飛騨においてはタイムリーな出店だったわけです。

 独占状態にもかかわらず、先述のとおりトイレやイートインコーナーなど時代を先取りした構成となっており、飛騨でコンビニといえば、三角屋根とセントバーナードの「ベンリー君」の「タイムリー」という状態が長く続きました。

 朝一でスキーやスノーボードをするために夜中に名古屋を出発し、タイムリーでトイレを借りた思い出がある人も多いのではないでしょうか。そこでスキー場のリフト券が買えたのもタイムリーならではでしたね。出店時期だけでなく、他には無い独特なサービスの導入時期もまさにタイムリーだったわけです。

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タイムリーの周知戦略

 しかし、黄色というコンビニらしくない配色で、なおかつローカルな存在であり、関東圏や近畿圏からスキーにやってくる人にコンビニだと気づいてもらえなかったためか、コンビニは普通「中華まんはじめました」「お酒あります」「○○フェア」といった幟を駐車場に立てたりするものですが、かつてタイムリーは「コンビニ」という幟を立てていました。

 コンビニです!と主張しないと、気づいてもらえなかったのかな。

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♪24時間の便利~サービス、タイムリータイムリータイムリ~
♪タタイムタイム、タタイムタイム、タタイムタイム、タイムリ~

 最盛期には、大内ひろのしんさんと有田気恵さんの出演するCMが東海テレビの夕方などに流れ、7県に172店舗を展開するまでになったのですが、好調は長くは続きませんでした。

タイムリーはヤマザキ傘下に

 1998(H10)年、タイムリーはデイリーヤマザキを展開する山崎製パンに第三者割当増資を持ちかけ、資本参加を受けるのですが、そのときに事件が起きます。

 創業者と公認会計士が、山崎製パンに対してタイムリーの業績を良く見せかけたとして逮捕されてしまうのです。ところが裁判では、山崎製パンもタイムリーの実際の業績には気づいていたはずだと、詐欺に関しては名古屋地裁は無罪とします。

 そしてタイムリーはそのまま、山崎製パンの子会社となるのです。

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次第に岐阜に押し寄せた波

 そんなゴタゴタをやっている間に、飛騨地域にサークルKが猛攻勢。さらにはあのセブンイレブンまでもが岐阜県にやってきて、飛騨地域にはまだ進出していないものの、地元放送局「ぎふチャン(岐阜放送)」と岐阜オリジナル弁当を開発したり、地産地消の分野などで岐阜県と「地域活性化包括連携協定」を結んだりするなど、岐阜県をとりまくコンビニ環境は一変してしまったのです。

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タイムリーが無くなってゆく...

 ふと気づくと、それまでタイムリーだった店舗が次々とデイリーヤマザキに姿を変えていくではありませんか。何事?と思って調べてみると、6月20日付けで山崎製パンは事業譲渡を発表していました。

 そう、それは、タイムリーのコンビニエンスストア事業をデイリーヤマザキに譲渡し、店舗ブランドもデイリーヤマザキに統一するというものです。

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清算時期もタイムリー?

 そしてこの11月1日付けで、タイムリーはデイリーヤマザキに事業譲渡されます。2008(H20)年10月現在のタイムリーの店舗数70のうち、採算の取れている46店舗がデイリーヤマザキとなって存続されることとなりました。

 残る24店舗は閉鎖され、タイムリーは清算されるのです。

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 ここ最近、これまで独自性を保ってきた名古屋周辺のローカルブランドが大きな転換期を迎えています。名古屋三越は三越本体に吸収され、エイデンは広島のデオデオと一緒になりエディオングループとなり、あの老舗の松坂屋でさえ大丸と一緒になりJ.フロント リテイリングとなりました。

 さらには、これまで日本の地方のうち、ここだけは景気が良いといわれてきた名古屋周辺にも、金融危機による急激な円高、そして世界的な景気後退の波が押し寄せています。

 これまでは、あって当たり前だと思っていたローカルブランド。その灯火を今、吹き荒れる世界的な嵐が消そうとしています。

 それにしても、サブプライムローンとリーマンショックで金融危機そして景気後退、名古屋周辺の景気に陰りが!?というこの時期に姿を消すとは...。

 まさに「タイムリー」。

関連情報

デイリーヤマザキ
子会社間の事業譲渡に関するお知らせ(山崎製パン)
デイリーヤマザキWELCOMEフェア(デイリーヤマザキ)

タイムリー大桑野尻店(長野・大桑村)

長野県木曽郡大桑村野尻2465

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