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万博に向けて?台湾と韓国・すべては愛知・名古屋のために

記事公開日:2005年1月8日 更新日:

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▲11月2日にオープンした徳川園の徳川美術館。さりげなくアピール?

 今回は台湾と韓国にまつわるお話です。一見、名古屋と何の関係も無いような話と思われるかもしれませんが、全ては名古屋のためなのかもしれない、というお話です。

 昨年末の12月27日、台湾の前総統である李登輝さん一家が来日しました。心臓病治療のために来日した2001(H13)年4月以来、3年8ヶ月ぶりのことです。今回は観光目的で、李さんが終戦を迎えた思い出の地である名古屋を起点として、名古屋、金沢、京都、滋賀を7 日間に渡って観光し、年明け今月2日の夕方、関西空港から台湾へと帰りました。

名古屋に関係無い話と思われるかも知れませんが...

ふたつの中国

 台湾というのは国の名前ではありませんし、日本政府は国と認めていません。そのため今回のニュースでも「台湾へと帰国」という表現を使うことはできません。新聞やテレビでは「帰台」「帰着」といった不自然な言葉使いとなっています。国でないとするならば台湾とは何なのでしょうか。

 台湾は1945(S20)年の第二次世界大戦終戦まで日本が統治していました。その2年前、19 43(S18)年に開かれたカイロ会談では、台湾の主権は中国に返還することがアメリカ、イギリス、ソ連、中華民国の首脳で取り決められ、日本の敗戦と同時に台湾は「中華民国(中国)」の統治下となりました。台湾は中華民国の領土となったのです。

 ところがです。1946(S21)年に中国では中華民国政府(国民党)と中国人民解放軍(中国共産党)との内戦が激化し、次第に中華民国政府は弱体化していきます。そして1949(S 24)年には中国共産党が首都南京を制圧し、「中華人民共和国(現在の中国)」を建国するのです。

 残された中華民国の人々は台湾へと逃げました。中国共産党は当初、台湾へと追いかけようとしたのですが、朝鮮戦争によってそれどころではなくなり、中華民国の制圧は1951(S26)年に中止されました。それ以来、本土の中華人民共和国(今の中国)と台湾の中華民国(前の中国)は微妙な関係が続いているのです。

 中華人民共和国は台湾を自国の領土と主張しており、この「二つの中国」という状態を認めないように国際社会に訴えており、台湾を独立国家として扱うことに対して断固として反対します。そのため、今回李登輝前総統に対して日本がビザを発給したこと自体、台湾独立を容認するものだとして、北京で抗議デモが起きるほどのことなのです。

 李さんは思い出の名古屋の地で、昨年11月2日にオープンしたばかりの日本庭園「徳川園」を鑑賞し、名古屋城の天守閣展望台から名古屋の街を感慨深げに眺めたということです。当然、名古屋には日本の報道機関だけでなく台湾のメディアもやってきており、台湾でも李登輝さんの訪名が大きく取り上げられました。

「キーワード:台湾の著名人が名古屋観光」

韓流ブームの真意?

 昨年、NHKで放送された韓国ドラマ「冬のソナタ」が日本で大ブレイクし、主演のペ・ヨンジュンさんをはじめ多くの韓国俳優が人気となり、他のドラマもたくさん放送されました。ペ・ヨンジュンさんの来日は怪我人が出る程の大騒ぎとなり、「ヨン様」と呼ばれ日本で人気となっていることについて韓国でも大きく取り上げられ、「ヨン様」という言葉が韓国に逆輸入されるほどになりました。

 そして今月8日から、韓国のKBSで「冬のソナタ」が再放送されることになりました。これは日本で人気になったことがきっかけになって決まったもので、10週間にわたって3月中旬まで放送されます。日本でブームになっていることを再評価しようというのが放送の狙いです。

 韓国と日本の間には大きな溝がありました。それは第二次世界大戦まで行われた日本による韓国の植民地化です。そのため韓国国民には日本アレルギーがあり、日本に対して敵対心を抱いている人が多いとされていましたが、ここ最近の日本での韓流ブームについて韓国で報じられたことで、韓国の人々の敵対心も少しだけですが減少し、逆に親しみを持つようになった人もほんの少しではありますがいるようです。

「キーワード:日本に親しみ・3月中旬」

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▲春川市の姉妹都市である各務原市では写真展など冬ソナイベントが。

ビザ免除・台湾

 町村外務大臣は昨年12月3日に記者会見し、日本政府は台湾に対し、今年中に特別法を制定して観光客のビザを免除することにすると発表しました。スケジュールでは3月から免除を開始し、秋以降はそれを恒久化するというものです。ビザが無くなることで、台湾から日本への観光はとても気軽なものになります。

「キーワード:3月からビザ免除」

ビザ免除・韓国

 台湾については恒久的なビザ免除を決めましたが、同じく町村外務大臣の会見で、韓国に対してはビザ免除は時期尚早とするものの、3月から9月は試験的にビザ免除を行うこととし、その結果を見て今後のビザ免除については検討することとしました。

「キーワード:3月から9月までビザ免除」

これらの出来事を結ぶ線?

 キーワードを並べてみます。

・台湾の著名人が名古屋観光
・日本に親しみ・3月中旬
・3月からビザ免除
・3月から9月までビザ免除

 もうおわかりですよね。これらの出来事を結ぶ線。

 2005年(H17)年3月25日から9月25日まで、185日間に渡って愛知県長久手町と瀬戸市で開催される愛・地球博。万博とは国際博覧会です。国内だけでなく、広く海外からの来場者が収益の鍵を握っていることになります。

「そんな、万博に今更アメリカやヨーロッパの人が来るわけ無いじゃん。」

 それは誰もがわかっています。青い目や金髪の外国人が「自然」がテーマの万博に遠路はるばる日本の山奥までやってくるはずが無いのは明らかです。では、誰に来てもらえばいいのか。それは台湾・韓国の人々です。

あまりにも時期がピッタリ過ぎる

 小泉首相の靖国神社参拝問題で中国との関係が微妙になっているこの時期に、わざわざ新たな火種となるような李登輝前総統が来日したり、やたらと韓流ブームを煽って日本で韓国がブームになっていることを韓国人にアピールしたり...。

そして国内に目を向けてみますと、雑誌は最強の名古屋特集といって、ただトヨタ自動車が好調なだけで経済が他の都市より多少マシなだけの名古屋を、何か秘密があるかのように同じ雑誌で何度も取り上げたり、正月から「星野仙一物語」を全国ネットでゴールデンタイムに流したり...。

 昨年、名古屋のローカルテレビでは、名古屋バンザイ特集が放送され続けました。事あるごとに万博、新空港、そして名古屋嬢、名古屋ブーム、最強の名古屋経済。どんなイベントにも愛・地球博のマスコットであるモリゾー、キッコロがやってきてアピールし続けました。そしていよいよ大手広告代理店の本領発揮です。

 今年は名古屋バンザイ、愛知バンザイといった新聞や雑誌の記事、テレビ番組がわざとらしく全国規模で流されることでしょう。ブームというのはこうやって作られていくものなんですね。韓流ブームまでもが愛・地球博のためというのは少し言い過ぎかもしれません。

でも、財界寄りのフジテレビが韓国をネタにしたドラマを制作したりとやたらと韓流ブームを煽るのを見ると、どうしてもそう思えてしまうのです。皆さんはどう思われますか?答えは万博が終われば出ます。万博が終わった時に、同時に韓流ブームも終わるかどうかでわかります。でも、万博が終わるのは秋ですから、まあ時期的には、韓流ブームが終わったとしても誰も不思議には思わない時期でしょうけど。

 名古屋、愛知の波が全国に広がります。いや、何か大きな力によって広げられていきます。

 ...。

 あのー...。できればその波に乗せていただけませんかね?このサイトも...。

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▲万博が終れば、愛知・名古屋に用は無い。

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