NAGOYANOW NOWレポート

事実?洗脳?名古屋ブーム 万博に向けての仕掛けか

記事公開日:2004年6月26日

 10年前、今のこの状況を想像できたでしょうか。

 その当時、土曜日の夜に放送されていた「徳光のTVコロンブス」という番組で、名古屋が特集されたときのお話です。司会の徳光和夫さんは番組の冒頭にこんなことを言いました。

「北海道や福岡といった街と違い、雑誌でも名古屋を特集すると売れない。テレビでも名古屋を特集すると数字が下がる。今日はそんなジンクスを打ち破るべく、名古屋を特集します。」

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名古屋は視聴率を下げる!?

 肝心の番組の内容はあまり記憶に無いのですが、確か名古屋港を遊覧する金鯱の形をした遊覧船や、独特な小豆文化、味噌料理、喫茶店のモーニングサービスなどを紹介していた気がします。その特集の内容よりも、私はこの徳光さんの言葉が頭から離れませんでした。

 それ以来、「全国の人は名古屋に興味が無い。」私はずっとその認識を持っていました。ただ唯一の例外は、全国ネットでたまに放送されていたドラマ「名古屋嫁入り物語」は視聴率も良く、独特な名古屋の風習については多少興味を持たれているのだろうな、といったところでした。

バブル崩壊で名古屋に注目?

 この「徳光のTVコロンブス」が放送されていた90年代初頭は、バブルが崩壊し始めた頃ですがまだバブル景気の余韻は残っていました。名古屋は全国のなかでも、バブルに踊らなかった田舎街です。地価もそれほど高騰せず地上げとはほとんど無縁で、急にビルやマンションが乱立したということもありません。

 もちろん全く無かったというわけではありませんが、トヨタ自動車をはじめとしてこの地方は産業が盛んで、バブルの真っ只中でも1銭単位でのコスト削減に努力してきました。そんな地味な名古屋を特集したところで、バブルの余韻が残っている世の中で注目されるはずが無かったのです。

 しかし時は流れ、それまで高級なフランス料理などを食べていたOLがもつ鍋を食べるようになり、世の中はどんどん地味な方向へと動いていきます。景況感は軒並みマイナス、赤字企業が増え、物価は下がり、デフレスパイラルに陥ります。

 ところが、トヨタ自動車は毎年利益を拡大し続けます。そのトヨタ自動車が牽引役となり名古屋の経済はプラスに転じます。それを狙い、家電やホームセンターにコンビニそして飲食チェーンなど、それまでは「よそ者を受け入れない」と敬遠されていた名古屋に他地区資本の企業が続々と進出してきたのです。「今、名古屋経済の恩恵に預からなくてどうする」といった勢いです。

 そして逆に、余力のある名古屋企業は東京を狙います。最近ではリサイクルショップのコメ兵やみそかつの矢場とん、あんかけスパゲティのパスタ・デ・ココ、セレクトショップproomなど続々と名古屋企業が東京に進出しています。ここへ来て、ようやく東京は名古屋に注目し始めます。なぜこの不景気に名古屋企業は東京に進出する力があるのか。そしてなぜ、東京に受け入れられるのか。

 特にコメ兵は、東京で大成功を収めています。何がそれほど良かったのでしょうか。コメ兵はリサイクルショップで、かつては中古品ばかりを売っていました。以前は「いらんものはコメ兵に売ろう!」という5秒CMを連発し、ある世代よりも上の人であれば、このフレーズを知らない名古屋っ子はいないと言っても過言ではありません。古着から電化製品まで、とにかく中古品を販売していました。

 中古品販売でも成功していましたが、さらにコメ兵が名古屋で急激に成長したのは、ブランド品販売に注力したからです。いらなくなったブランド品を買取り、売る。これだけだったら質流れのお店とあまり変わりありませんが、コメ兵はその中古品を、わざと新品と並べることで大成功を収めます。中古品を売りたいのに新品と並べて売る。一見、矛盾しているように見えますがこの売り方が当たったのです。

 まず、新品をある程度安く置くことで中古品に対して警戒している人も来店するようになりました。そして中古品に抵抗があった人が、実際に新品と中古品の両方を手に取ることで中古品でも新品と遜色が無いことを目で確認でき、中古品に対する抵抗感が減少するのです。

 そしていざ買おうと思うと、新品を買いにきた人でもどうしても安い値札の付いている中古品に惹かれるようになるのです。中古品に抵抗を無くす。新品と混ぜて陳列することで、買い手の心理を動かすことに成功したのです。

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▲東京に中古品の波を。名古屋大須のコメ兵。

経済は確かに好調な名古屋

 世の中が不景気になればなるほど、そんな心の隙間を突くような名古屋商法や、トヨタのような堅実経営が注目されるようになり、まずは経済関係の雑誌などが名古屋を特集するようになりました。有効求人倍率は1.0を超え、失業率も大阪などに比べ低く、実際に数字にも名古屋経済の好調さは現れています。

 そして名古屋の食べ物屋さんが続々と東京に進出したことと、そんな名古屋の元気を支えるのが食文化ということからか、名古屋の食べ物にも注目が集まるようになりました。

 かつてはどちらかと言うと「ゲテモノ」扱いされていた名古屋の赤味噌料理や、どうして香ばしい焼きたてのうなぎをお茶漬けにしてしまうのかと、味ではなくその食べ方自体を批判された「ひつまぶし」といった料理が、東京で普通に食べられるようになってきたのです。東京の人の心の中に、名古屋に対する免疫力がついてきたといったところでしょうか。

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▲どて煮、どてめしはさすがに全国区にはなれないかな。

名古屋ブームが作られている?

 特に最近は、名古屋特集をする雑誌やテレビ番組をやたらと見かけるようになりました。このサイトでメルマガ「おいでよ!名古屋みゃーみゃー通信」をスタートした2003(H15)年11月には、これほどまでの状況になるとは思ってもみませんでした。しかし、あまりにも時期がピッタリと合いすぎな気がするのです。

 その時期とは、2005(H17)年開催の「愛・地球博」です。

 万博にはもちろんいろんな企業・団体・お金が絡んでいます。何としても成功させるためには、全国の目を名古屋に向けさせなければならない。そんな見えない力が作用しているような気がしてならないのです。もちろん経済指標や名古屋企業の東京進出は、紛れも無い事実です。それを疑うつもりはありません。それにしても煽りすぎな気がするのです。

 名古屋にいると、本屋さんの店頭には名古屋を特集した雑誌やいわゆる名古屋本がずらっと並べられ、テレビのローカル番組では「好調な名古屋経済」、「不景気でも豊かな名古屋を狙う外資」、「名古屋に学ぶ全国企業」といった、名古屋バンザイ特集が連日放送され、ニュースでは毎日のように万博会場やそのアクセスとなるリニアモーターカー、中部新国際空港などの工事の進捗状況がレポートされます。

 全国、いやそれだけでなく海外までもが名古屋に注目している。今、時代の中心は名古屋。そんな空気が名古屋に漂っています。私は名古屋のとなりに住んでいるので、いけないいけないとは思いつつも、この洗脳とも思える「名古屋バンザイ思想」に染まりつつあることが、自分でわかります。

 名古屋は今、

 ・本当に全国から注目されているのでしょうか。
 ・本当に景気がいいのでしょうか。
 ・本当に料理は美味しいと思われているのでしょうか。
 ・本当に外資は経済市場として認知し始めているのでしょうか。
 ・この名古屋ブームは本物なのでしょうか。
 ・意図的に仕組まれたということは本当に無いと言えるのでしょうか。

 真実を知るためには、名古屋を離れる必要があるのかもしれない。そんな気さえしています。もし、この名古屋ブームが仕組まれたもので、何か見えない力がこういったことに作用しているのであれば、万博終了後の名古屋は目も当てられない状況になることでしょう。

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