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元は名古屋名物じゃなかった!?
独特な見た目や味であることが多い名古屋名物の食べ物のなかで、特に異彩を放ってい
るのが「味噌煮込みうどん」である。古くから今日まで名古屋では食べられており、その
独特な見た目や食感に、名古屋以外の人はカルチャーショックを受ける食べ物であるが、
実は元々は名古屋名物では無かったという説がある。

その昔、味噌煮込みうどんは全国に存在していたというのである。しかし現在名古屋で
食べられている赤味噌の味噌煮込みうどんが全国で食べられていたわけではなく、各地方
で作られていたそれぞれ特産の味噌を使って味噌煮込みうどんが作られていたそうだ。し
かし名古屋以外の全国各地では、味噌煮込みうどんはあまり食べられなくなり、赤味噌を
使う名古屋の味噌煮込みうどんだけがなぜか残り、名古屋名物として定着したというので
ある。

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うどん界のアルデンテ
味噌煮込みうどんが名古屋っ子以外にとって衝撃的なのが、まずそのビジュアルである。
土鍋の蓋を開けるとそこには、深いこげ茶色の汁がグツグツと煮えたぎり、その茶色の汁
を吸って微妙な色に染まった麺が現れる。しかもその茶色は決して食欲をそそる色ではな
く、まるで雨の日にぬかるんだ赤土の水溜りのようである。しかも独特な香りが広がる。
英語のファンキーという単語がまさしく適合するといって良いだろう。

続いて食感である。勇気を振り絞ってその汁に浸かった麺を口に運ぶ、そして噛んだ瞬
間、その意外な食感に皆驚く。土鍋で煮込まれたうどんは名古屋以外の場合、一度茹で上
げた麺を再度煮込んだもので、どちらかというとコシの無いクタクタなものであることが
多い。しかしこの味噌煮込みうどんは全く違う。生麺を煮ただけなので、麺の中心はまだ
小麦粉であることがわかるほどに芯がある。「これ生茹でやんかー」と苦情をいう関西方
面の方も多くいらっしゃる。しかしそれが正統な味噌煮込みうどんである。

「芯のあるうどんなんて信じられない」と思われるかもしれないが、冷静に考えていただ
きたい。味噌煮込みうどんとは「うどん界のアルデンテ」なのである。芯の無いパスタが
好まれないように、芯の無い味噌煮込みうどんも好まれないのである。アルデンテという
共通点があることから、名古屋市とイタリアのトリノ市は姉妹都市提携を結んだ。という
のはもちろん嘘である。(姉妹都市提携は本当)

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食べ方にも流儀がある
続いて味であるが、味噌煮込みうどんは赤味噌の味噌汁にうどんを入れたものではない。
こげ茶色の八丁味噌に若干の白味噌を加えたものに、だし汁とたまり醤油、みりんを加え
たスープとなっている。八丁味噌も然ることながら、名古屋名物のたまり醤油を使ってい
ることからまろやかでありながら深い味わいとなっている。この味の濃さが、ごはんにこ
の汁をかけたときに威力を発揮するのである。

味噌煮込みうどんは食べ方にも流儀がある。正統な味噌煮込みうどん店では、取り皿は
ついてこない。うどんは蓋に取って食べることになっている。土鍋の蓋には穴が無いこと
からそれが可能なのである。味噌煮込みうどんは調理中は蓋を使わず、蓋は完成してから
お客さんの目の前に運ばれる間しか使われない。従って空気穴は必要なく、また運ばれて
きた蓋は熱くない。この蓋にうどんとスープと半熟状態の卵とご飯を一度にとり、グチャ
グチャに混ぜ合わせるのが最も美味しい食べ方とされている。

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山本屋本店 <栄>中日ビル地下2階/錦店 <名駅>新幹線地下街エスカ ほか
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煮込まれたものは味噌煮込みではない!
名古屋でも、専門店ではない普通のうどん屋さんで味噌煮込みうどんを注文すると、麺
が柔らかかったり、味わいがそれ程深く無いなど、名古屋以外の人に迎合しているかのよ
うな似非味噌煮込みうどんが登場することがある。それは味噌煮込みうどんに免疫が無い
方にとっては食べやすいものであるが、もうそれは名古屋名物の味噌煮込みうどんとは言
いがたい代物である。

「煮込みうどん」という名でありながら、あまり煮込まれると「こんなの味噌煮込みうど
んじゃない」といわれてしまう不条理なメニューである味噌煮込みうどんをぜひ専門店で
ご賞味いただきたい。

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