03.西区 名古屋を歩こう

一気に頬張ったら...

記事公開日:2004年4月10日 更新日:

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布教のため?防御のため?-平田城址

 名鉄犬山線沿いに、中小田井駅から上小田井駅へと歩きます。すると新川が流れています。そこが平田です。平田界隈は、新川を越えて少し北へ行くと西春町、東へ行くと春日町、清洲町という西春日井郡に西区が食い込んだ形になっている場所です。

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▲道仁寺。境内には1860(万延元)年に植えられた銀杏があります。
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▲恵比須神社は道路脇にひっそりとあります。
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▲八幡神社は平田中村の村社です。

 清洲のすぐ近くということで、織田信長が清洲に城を構えていた当時、ここに平田城が築かれました。現在、城址に痕跡はほとんど残っていませんが、周囲に多くの寺社が残されています。これらの寺社は、布教のために各派の親寺がこの地に作らせたという説と、信長が三河からの防衛のために作らせたという説があります。信長が清洲にいた頃の平田城主は平田伊豆守と言われ、「信長記」等に登場する平田和泉守の一族であると推測されています。

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▲八幡神社のすぐ南側にある泉増院です。
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▲楽音寺はロフト平田というスーパーの近く。
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▲十所神社です。かつては約180メートルの参道があったそうです。

泉増院・楽音寺・十所神社...やっぱり意図的?-城町

 では、周囲の寺社を見てみましょう。まず平中町にあるのが道仁寺です。このお寺は1539(天文8)年に創建と伝えられており、聖徳太子作と伝わる阿弥陀如来の木像を本尊として祀っています。また、鎌倉から室町時代に作られたと言われる木像彩色の聖徳太子像も安置されているとのことです。平中町には他に恵比子神社、八幡神社、泉増院、楽音寺があります。そして平中町の北にある、その名も城町が平田城のあったところです。ここには十所社が、さらに東側の平出町、山木には白山神社、秋葉神社、平塚辨財天があります。確かに、意図的に寺社が固められている印象を受けます。かつては寺社がお城を取り囲む形になっていたのでしょうか、現在では住宅とお寺と神社がオセロをやっているように入り組んでいます。

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▲白山神社です。区画の道路ギリギリにあります。ちょっと窮屈そう...。
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▲秋葉神社です。今日も火災が起こらないことを願って。
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▲平塚辨財天です。やはりこのあたりは寺社が多い...。

枇杷島署員の殉職記念碑-平田橋

 そこから新川北側の堤防を東へと歩いていくと、西春町になる手前ぎりぎりのところに平田橋があります。平田橋周辺は、先述の岩倉街道の一部として整備されました。その後1787(天明7)年に開墾した新川によって街道は急坂になり、枇杷島市場へと荷物を運ぶ旅人にとって難所となりました。急坂であったことで、かつては荷馬車の休憩地があったり、新川を利用した船による輸送の積み下ろしが行われたことから商店が立ち並び、造り酒屋、酪農、蚕の集荷場、銀行などが街道沿いにずらっとあったそうです。そのため村境にもかかわらず、尾張北部と城下を結ぶ交通の要所となりました。

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▲平田橋から新川の東側を望みます。名鉄電車が走ります。

 ところで、時代はもう少し進んで1884(明治17)年8月12日午前2時、この橋である事件が起きました。その当時は板垣退助を中心とする自由民権運動が活発化していました。そんな時代背景のなかで、一部過激派による反政府暴動が各地で起こりました。その最中、警ら中の枇杷島署巡査がここで数名の過激派と出会い、格闘の末殺されたのでした。1927(S2)年には追悼のために記念碑が建てられ、以降毎年8月12日には慰霊祭が行われています。

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▲殉職記念碑です。この日も花が供えられていました。

 そしてその殉職記念碑の向かいにあるのが馬頭観音です。これは1805(文化2年)に建立された石仏です。それ以来、往来する多くの旅人や近隣住民から守護仏として信仰されてきました。今も交通災害を起こすなよ、と岩倉街道を見守りつづけています。

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▲交通災害が無いことを願う馬頭観音。

ロングガムは伊達じゃない-ワンダーシティ・東海氷糖

 名鉄の高架をくぐると、川岸に広がっているショッピングセンターが「ワンダーシティ」です。ではそちらへと歩いて行きましょう。ワンダーシティのすぐ横にある湯の里というスーパー銭湯の広告看板がありました。たぬきが頭にタオルを乗せてお風呂に入っている可愛らしいイラストが書いてあります。よく見ると、下に小さく字が書いてありました。「キャラクターはアライグマでーす。」すみません。私はたぬきだと思ってしまいました。あ、でもそういう人が多いからわざわざ説明してあるのかも。でも、説明の文言が入っていると言うことは...作者も何かを察知しているのですよね。

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▲ワンダーシティ。平面・立体駐車場ともいつも混雑。
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▲名鉄の高架。地下鉄も乗り入れています。
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▲「アライグマでーす」は後から書き足したのかな。

 すると、また甘い香りが漂ってきました。「あめ屋さん」という張り紙のある東海氷糖です。このメーカーは駄菓子を多く製造していますが、その中で現在製法特許出願中なのが「ロングガム」です。その長さなんと58センチ。驚くのはその価格なんと105円。普通のガムに換算するとかなりお得です。一度に食べたら口の中はどうなるのでしょうか。一度やってみたい気もしますが、やはりここも工場の前を歩いただけで、香りでお腹がいっぱいになります。

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▲東海氷糖です。あま~い香りの煙?を屋根から発しているのが見えます。

 ワンダーシティでは、催事場にて駄菓子市のようなイベントが行われることがあります。そこでこのロングガムを買って、イオンシネマワンダーで映画を見るのも良いですね。

「果たして、映画が終わるまでにガムを食べきることができるのか、そしてガムの味を吸い尽くすことができるのか。西区ならではの壮絶な戦いが今、始まる...。」

 それにしても、全長58センチもあるガムを持ち歩く姿。それを想像しただけでも面白いですね。


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