11.港区 名古屋を歩こう

イオン同士でにんにくバトル?

記事公開日:2005年4月12日 更新日:

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 今回は名古屋競馬場から南へと歩きます。そこには名古屋競馬場と同様に、あおなみ線に賭けているところがあります。しかしこちらは名古屋競馬場と違って死活問題というわけではなく、さらなる飛躍を求めています。

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 名古屋競馬場の南側一帯も道路が細く、「競馬開催日11-17車両進入禁止」「競馬開催日11-17駐車禁止」といった標識があちらこちらに目に付きます。確かに住民にとっては迷惑この上ないですからね。しかし赤字化が問題になっている現状では、名古屋競馬場自体に無料駐車場がありますし、それほど実際は...な気もします。これらの標識は、名古屋競馬のかつての栄光を証明する遺物となりつつあるようです。

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▲こちらは駐車禁止。
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▲こちらは車両進入禁止。
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▲確かにこんなところに車がたくさん来たら...。

 西に歩いて、あおなみ線が上に走る道路に出ます。そうしたら市営住宅泰明南荘と土古南公園のある交差点をさらに西へ歩きます。すると次の信号交差点に二名社があります。この二名社は、1859(安政6)年2月15日に勧請された神社で、天照大神と日本武尊を祀ります。かつては西に600メートルほど歩いたところにある、善進町神明社とひとつになっていたのを分けられたという経緯があります。境内には創始百周年記念碑が建てられています。北側からですと、この二名社の裏側から入る格好になるので、そのまま鳥居をくぐって南側へと出て、デイサービスセンターと善行寺の間の細い道を歩くと大きな道路につきあたり、ぱっと視界が開けます。

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▲二名社です。これは南側の正面から見ています。
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▲創始百周年記念碑。大切にされています。
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▲二名社の南にある善行寺。

 開けたその先で目に入ってくるのは、それまでの静かな住宅街からガラッと変わって巨大な建物群です。この道路の一本南側を東西に走る道路沿いには、あおなみ線荒子川公園駅があり、そこから荒子川沿いには駅名にもなっている、南北1キロと広大な荒子川公園、そして駅の西側には巨大ショッピングセンターと付随施設、加えて巨大パチンコ店がいくつも立ち並んでいます。さらにその西側には工場群が立ち並びます。かつてはもっと工場がたくさんあったのですが、熱田区と同じように工場の整理統合などで開いてしまった土地にいろいろな店舗が進出し、今では店舗の方が工場よりも多い状態で、港区の一大アミューズメントスポットとなっています。

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▲こんな細い路地を歩いていくと、いきなり視界が開け...。
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▲視界が開けると登場する巨大なパチンコ店。

 あおなみ線荒子川公園駅から東に歩き、角に中部盲導犬協会・盲導犬総合訓練センターのある交差点を右へ曲がります。ここで荒子川運河を渡ることになります。荒子川運河は中川運河からこの橋までの約1キロほどという短い運河ですが、その両側にはかつての名残、運輸倉庫や鋼材メーカーが並んでいます。しかしそのなかにニトリやユニクロ、カーマホームセンターにこの盲導犬訓練センターと、新しい施設が倉庫街に侵食するように建てられています。盲導犬訓練センターではイベントやバザーのほか、盲導犬に対する理解を深めてもらうための見学を受け入れています。必ず事前に問い合わせをして足を運んでください。盲導犬といいますと、主人を守るために片足を失ったサーブの像が栄の中日ビル前にありますが、そのサーブやこの地方の盲導犬たちが静かに眠るお寺が南区にあるそうですので南区編で訪れることにします。

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▲中部盲導犬協会・盲導犬総合訓練センター。見学可能です。
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▲倉庫が次第に減り、小売業が増えつつある荒子川運河。

 さて、橋を渡ると巨大パチンコ店に囲まれるように「ジャスコ名古屋みなと店・ベイシティ品川」がドーンと建っています。駐車場は3500台用意され、120ものテナントが入居しています。「TOHOシネマズ」や「みなと花の湯」というスーパー銭湯も併設されています。今ではそれ程珍しくなくなってしまいましたが、1999(H11)年11月のオープン時には、こういった複合型ショッピングセンターは名古屋で珍しく注目されました。ジャスコシティ南陽同様、ユニーが手薄な港区西部にイオンがドカンとやってくれたという印象を当時受けました。何より当時斬新だったのが吹き抜け空間です。4階まで吹き抜けになっているというだけではなく、なんと天井が開いているんです。「は?」と思われるかもしれませんが、天井は船をイメージしてビニルシートが張ってあるだけなのです。すごい開放感だなぁと、店に入った瞬間は思ったのですが、オープン当時に行った時は冬だったので、はっきり言って寒かったです。これ以降にオープンしたイオンでは、同じように吹き抜けになっている店舗でも、天井は普通の屋根になっているところを見ると、やっぱり...なのかな。

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▲ジャスコ名古屋みなと店、ベイシティ品川。ここは品川町なのです。
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▲駐車場も広大。
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▲スーパー銭湯「みなと花の湯」と「TOHOシネマズ」。

 このベイシティもあおなみ線の開業によってそれまでの自動車だけでなく、電車でのさらなる集客を期待していました。蓋を開けてみると、やはり駅から歩いてすぐのところにこれだけ巨大な複合型ショッピングセンターがあるのは魅力で、たくさんの人があおなみ線に乗ってこのベイシティに訪れています。あおなみ線の駅のなかで、この荒子川公園駅の乗降客数は名古屋駅に次いで第2位です。逆にあおなみ線がこのイオンに助けられていると言っても過言ではないほどです。

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▲あおなみ線乗降客数2位の荒子川公園駅。
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▲電車でイオン。新しいスタイルです。

 注目は4階の飲食店街です。名古屋の味噌煮込みといえばココという「山本屋総本家」や、手軽な金額でステーキが食べられる「HADOWS」、最近街道沿いでは見かけなくなってしまった「キャッツカフェ」、必ず初めての人はその厚さに驚く「厚切りチャーシュー屋」、そして「にんにくや」があります。このにんにくやは名古屋に本社を置くジェイ・プロジェクトの「ガーリックアイランドにんにくや」でして、全国に展開していて、熱田のイオンにあるパワーアップグループの「元祖にんにくや」とは別物です。こうやって「元祖」という文字をつけたり、また同じように全国に「にんにく屋五右衛門」を展開している日本レストランシステムは、かつては名古屋でも「にんにく屋五右衛門」を展開していたのに、現在は名古屋など一部の地域のお店の看板を「洋食屋五右衛門」に架け替えていたりするのを見ると、この「にんにくや」という名前を巡ってはいろいろありそうな予感がします。

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▲屋根がビニルなのは、帆船をイメージしてだとか。

 このベイシティにも出店していますが、名古屋で味噌煮込みと言えば「山本屋総本家」と、そしてもうひとつ「山本屋本店」があります。この2つには特に関係は無く、名称を巡っていろいろとあったのですが、「山本屋」という名前が一般的過ぎて商標として認められないということから並存しています。この「にんにく屋」という名前も、いかんせん「にんにく」が植物の名前だけに同様なのでしょうね。

 もしあなたがどこかで「にんにくや」という看板を掲げるお店に入って、これは美味しいと思ったら、どの「にんにくや」かをしっかりチェックしておきましょう。


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