11.港区 名古屋を歩こう

街道沿いに残る賊の面影?

記事公開日:2005年4月12日 更新日:

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 当知にあるアピタ港店から北へ800メートルほど歩き、百曲街道へと戻ります。明徳小学校交差点の一本北の道路を東に歩くと小碓中央公園があり、その横にはひょうたん畑があり、のどかな雰囲気が漂います。百曲街道はさらにもう一本北になります。その百曲街道である公園の北東には、24番割観音と小碓神楽保存庫があります。この神楽も当知神楽同様、名古屋まつりの神楽揃パレードに参加します。ところで前回は29番から33番の観音堂がありましたが、ここにあるのは24番です。間が抜けているわけではなく、順番が逆になっているだけで、間の観音堂はこの先にあります。

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▲大きなお店やマンションも建ち始めています。
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▲小碓中央公園。写真には写ってませんがテントがたくさん...。
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▲かわいいひょうたん。

 24番の観音堂から南に200メートルほど歩くと、歩道橋のある小碓3丁目交差点があります。その歩道橋を渡ると小碓神明社と小碓第三公園があるのですが、何か雰囲気が良くありません。公園の周囲には捨てられた車が並び、中には車にコンクリートブロックが投げつけられたものもあります。そして神明社には...人影が。明らかに誰かがいます。その様子はもちろん神社の関係者ではありません。そーっと神社を見てみます。この小碓神明社は、村の氏神として1669(寛文9)年に勧請されました。境内には伊勢湾台風で折れてしまったクロマツがあります。前回明正一丁目神明社には、伊勢湾台風の時に傾斜してしまったアニキレの木がありました。この周辺の伊勢湾台風の暴風ぶりを物語ります。小碓神明社には寛文年間(1789-1800)に作られた神楽があり、現在は26番から28番割観音堂に保存されているとのことです。保存されているのは神楽だけでなく、現在でも五穀祭、秋の大祭が開かれるとのことで、農業が盛んだった面影があります。

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▲小碓神楽保存庫(奥)と24番割観音堂(手前)。
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▲八田と稲永を結ぶ道路。交通量の割に2車線。
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▲ここにも人が...小碓神明社。

 小碓第三公園の100メートルほど北に、先ほどの小碓神明社神楽が保存されている26番から28番割観音堂があります。全ての観音堂には、真言宗の開祖僧である弘法大師と、阿弥陀如来の脇持である観世音菩薩が祀られていて、毎月第3日曜日には観音講のけさをかけ巡礼する、善男善女の姿を今でも見ることができるのだそうです。そしてそこから北東へ200メートル、小碓第二公園には25番割観音があります。やはりこの公園周辺にも廃車がずらっと並んでいて、夜歩くのは少し怖い印象を持ってしまいました。

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▲26~28番割観音堂。神楽がこっちにあるのは神社があれだから...?
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▲25番割観音堂の横にある小碓第二公園には...。
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▲壊された廃車が...奥に見えるのもそうです。

 次の大きな通りを小碓1丁目交差点まで南下し、左折して荒子川を渡ります。すると正保公園が左手に表れるので、公園の切れ目を左折して300メートルほど北上すると、今度は21から23番割観音があります。この観音堂は他よりも敷地が広く、藤棚があり公園のようになっていました。立派な藤棚を見ると「寄贈・加藤鉄工所」とあり、こんな立派なものを寄贈するとは、加藤鉄工所とはどんな鉄工所だろうなと思いながら周囲を見渡すと、その観音堂のすぐ横に加藤鉄工所がありました。このあたりは町工場と住宅が入り組んでいて、そのなかにふとたこ焼き屋さんがあったりと、下町風情が漂う生活観溢れる街並みになります。

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▲町工場とたこやき屋さん。生活観が溢れます。
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▲21~23番割観音堂は敷地が広くて...。
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▲藤棚があります。奥に見える加藤鉄工所が寄贈。

 東に200メートルほど歩くと、高架のある大きな通りにでます。その高架はあおなみ線です。道路は綺麗に整備されているのですが、やはり放置車両が並んでいるのが気になります。あおなみ線に沿って100メートルほど南へと歩くと西側に正徳町2丁目神明社が、北へ200メートルほど歩くと東側に正徳町1丁目神明社と20番割観音があります。神明社は天照大神を祀っていて、村の五穀豊穣を願って勧請されました。現在でも元日祭、五穀祭、秋祭り、感謝祭が開かれています。もうこの先は中川区です。すぐ北側にはあおなみ線中島駅、スーパージャンボがあり国道1号線を見ることができます。

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▲正徳町2丁目神明社はあおなみ線の西側。
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▲正徳町1丁目神明社の敷地内に20番割観音堂があります。
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▲こちらが観音堂。

 農業が盛んだったという面影が残る百曲街道は、その名のとおりクネクネと曲がっていて、番割観音をたどるのは地図が無ければ不可能、いや、地図を見ながらでも正直迷いました。もうお分かりだと思いますが、道に迷うという危険性だけではなく、夜、いや昼でも散策するにはちょっと気をつけたい場所がいくつかあります。観音さま巡りも結構ですが、充分お気をつけください。昔の人も、街道などを歩く時は辻斬りや山賊に気をつけたものです。そういう意味でも昔の面影がある...なんて言ったら怒られてしまいますね。

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▲あおなみ線。やっぱり放置車両が...。

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