11.港区 名古屋を歩こう

名古屋の水族館にアレがいない!?

記事公開日:2005年4月12日 更新日:

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 ポートビルからポートブリッジを渡って、ガーデン埠頭の西埠頭を歩きます。まずはポートビル周辺から。

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 ポートビルの前にはなぜか小さな金鯱のレプリカが2つ置かれています。なぜこんなところに金鯱が...?と見ると、これはかつて名古屋と大分を結んでいた太平洋沿海フェリー(現:太平洋フェリー)の大型フェリー「あるごう」につけられていたバウマーク(船首の飾り)なのです。船首に金鯱をつけるなんて、さすが名古屋のフェリーだと大分の人々は驚いたことでしょう。「あるごう」は1980(S55)年に運航を休止し、転売されてしまいます。しかしこの金鯱は名古屋にあるべきと考えたのでしょう、太平洋フェリーはバウマークを外し名古屋港に寄贈したのです。転売先がこれはいらないから外してくれと言ったのかもしれませんが...。現在「あるごう」は遠くギリシャで現役とのことです。

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▲白い帆船のイメージ、名古屋港ポートビル。
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▲「あるごう」のバウマーク。やっぱり金鯱は名古屋っ子の拠り所。

 その後名鉄資本となった太平洋フェリーは、現在名古屋-仙台-苫小牧航路のみの運航となっています。ちなみに乗り場はここではなく、金城ふ頭手前のフェリー埠頭です。後ほど行きます。このガーデン埠頭からフェリーに乗ることはできませんが、名古屋港の遊覧船に乗ることができます。名鉄海上観光船が運航する遊覧船にはふたつの航路があり、ひとつは30分掛けて名古屋港をぐるっと回るもので、1日3~7本運航しています。運賃は大人1000円、小人500円です。潮風に吹かれ波の音に耳を傾ける...そんなオシャレな港クルーズを想像してはいけません。名古屋港は取扱貨物量、貿易額とも港町神戸や横浜を抜いて実は日本一。実用第一なのです。遊覧船から見える風景は、倉庫、コンテナ基地、製鉄所...社会科見学のつもりでご乗船ください。

 そしてもうひとつが水上バスです。ガーデン埠頭と、この先の埋立地・潮見町に2002(H13)年にオープンした「名古屋港ワイルドフラワーガーデン・ブルーボネット」を結びます。片道大人300円、小人150円です。ブルーボネットについてはまた潮見町へ行ったときに触れます。遊覧船、水上バスともに今は普通の船ですが、かつてはとんでもない格好をした遊覧船が港をクルーズしていました。それは遊覧船「金鯱(きんこ)」です。金鯱は船首の飾りが金鯱とかそんなレベルの船ではありません。船自体が金鯱の格好をしていたのです。もちろん尻尾の部分は飾りですから、乗客は金鯱の口の部分に乗ることになります。これを仲間と間違えて、シャチが名古屋港に迷い込んだこともありましたね。いや、間違えるわけ無いか...。

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▲今は普通の遊覧船ですが...。
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▲平日と土日で運行ダイヤが違いますのでご注意ください。
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▲日本一の貿易港をクルーズ。やっぱり倉庫にコンテナ基地。

 しかしそんな「金鯱」も2000(H12)年春に引退しました。今はどうしているのか。実は金鯱は3隻ありまして、1995(H7)年まではこの名古屋港遊覧と別に、蒲郡-幡豆航路でもう1隻金鯱が運航されていました。その2隻は老朽化で1995(H7)年に引退。名古屋港遊覧のみ新たに3隻目の金鯱が建造されたのです。1986(S61)年から運航していた初代金鯱2隻は中国福建省で、2代目の金鯱は韓国羅老島で観光船として現役ですので、かつての勇姿を見たい方はぜひ。ちなみに2代目の金鯱は韓国まで自力で航行したそうです。やりますね。しかし中国や韓国の人は金鯱の姿をした船を見て、何を思うのでしょうか。「これが日本のセンスかー。」断じて違います。

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▲(資料画像)こちらは初代、「金鯱2」。現在は福建省で活躍中とのこと。

 ポートビルの前には、「ようこそ名古屋港へ、名古屋港水族館はこちらです。」というピンクのシャチの案内看板があります。とにかくシャチです。ではその案内どおり、ポートビルからポートブリッジを渡って、名古屋港水族館のある西埠頭へ向かいます。西埠頭の先端は「海岸プロムナード」として遊歩道が整備されているのですが、そこに妙なタンクのような形をした物体があります。これ、かつてここにあった政府サイロが一部残されているものなのです。サイロとはセメントや穀物などを備蓄する塔状の倉庫で、1955(S30)年、政府が先駆的モデルとしてこの「旧食糧庁名古屋政府サイロ」を作ったのです。当時としては先端技術でいかにすごいものだったかが懇切丁寧に説明されていますが、今では至るところにサイロは普通にあります。これも名古屋の日本初と言いたいところですが、作ったのは政府ですから、特に名古屋に先見性があったわけでも無いですしそれは言いにくいですね。別に言う必要もないのですけれど。

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▲名古屋港水族館のマスコットはもちろんシャチ。
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▲ポートブリッジで西埠頭へ。
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▲旧食糧庁名古屋政府サイロ。かつてはこれが何本もあったのです。

 サイロの横にはカメ繁殖研究所があります。いよいよ名古屋港水族館です。水族館のある場所にはかつてずっと倉庫があり、1989(H元)年の世界デザイン博会場当時は倉庫をギャラリーにしていました。名古屋港水族館はその後1992(H4)年に、名古屋港の新たなレジャースポットとして作られた比較的新しい水族館で、オープン当時大変賑わいました。当時の入館料は1500円でしたが、2001(H13)年の北館増設を機に2000円となっています。ポートビル、南極観測船ふじとの共通券は2400円ですので、名古屋港を満喫したい方は共通券をぜひ。水族館の前には...やはりいました名古屋ならではブロンズ像。世界一大きな古代ペンギンと世界一小さなコガタペンギンが対比されています。その差にびっくりです。
そのすぐ横にはかわいらしいペンギンのキャラクター「ギンペー」がいます。このギンペーと、先ほど水族館を案内してくれた看板にいたピンクのシャチ「カイオー」は名古屋港水族館のキャラクターで、そのかわいらしさが人気となり、グッズを買うために水族館にやってくる人もいるとか。氷の上に乗ったギンペーは確かにカワイイ、と思ったらこれポストなんですね。なかなかいいセンスです。ギンペーといっても「水族館に入ってペンギン見たらんかい。」と大阪弁を喋るわけではありません。

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▲遊歩道・海岸プロムナード。この日は誰も歩いちゃいない...。
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▲世界一大きなペンギン、小さなペンギン。つまり両方大人。
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▲ポストのギンペーちゃん。民営化どんとこい。土台の氷もカワイイ。

 水族館の混雑時には、入口にずらっと行列ができます。その気をまぎらわすためという意味もあったのでしょう、水族館の前には貝の中から浦島太郎が現れるからくりモニュメントがあります。日中の毎正時に浦島太郎が登場します。

「名古屋の水族館なのに、どうしてシャチがいないの。」

 そうなのです。名古屋港水族館はシャチがマスコットでありながら、長年シャチがいなかったのです。多くの名古屋っ子がシャチを展示するよう真剣に水族館に訴えました。その声に応え、水族館は2001(H13)年の北館オープンの際にシャチを展示する計画を立て、名古屋っ子は喜びました。しかし実現できませんでした。その後も、やはり名古屋なのだからシャチを展示すべきだという声は鳴り止まず、名古屋港水族館は和歌山県の「太地町立くじらの博物館」からシャチ雌1頭を借り受けることとなり、2003(H15)年にようやくシャチの展示が実現しました。名古屋っ子がシャチに持つ特別な気持ちは、名古屋っ子にしかわからないでしょうね。今では遊覧船に代わって本物のシャチが名古屋港にやってくる観光客を迎えてくれます。

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▲名古屋港水族館。奥に見える観覧車はシートレインランド。
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▲この日調整中で浦島見られませんでした、まさかずっと調整中なんてこと...。

 名古屋港水族館では、深海、南極、オーストラリア、赤道、北極、そして日本とエリア別に海のいきものが展示されています。日本の海ゾーンにはカツオやマグロがいて思わず生唾が...。2つのミュージアムショップが館内にあり、先ほどお話したかわいらしいグッズがたくさん販売されています。クリアファイルや下敷きといった文具から、マグカップ、タオル、トートバックといった生活雑貨、さらにTシャツや、もちろんぬいぐるみも。水族館に入らなくとも北のショップには入れますし、ネット販売も行っています。やはり名古屋ですからオススメはオルカグッズ。オルカとは英語でシャチ。「あれ、シャチは英語でグランパスじゃないの?」と思われるかもしれませんが、名古屋のJリーグチーム名に採用されている「グランパス」は、実はあまり一般的な英語ではないのです。

 水族館の東側は税関のエリアになっているので立入禁止です。その税関の北側にあるのがJETTYです。JETTYはショップ、フードコート、レストランが一体となった複合ショッピングセンターで、マクドナルド、レッドロブスター、キャッツカフェの他たこ焼き、タコス、スパゲティー、ジェラート、駄菓子、そして長崎うどんとバラエティ豊かな飲食店が並び、遊べる書店ヴィレッジバンガードも入っています。もちろんレジャースポットとしてこれだけあれば事足りるわけですが、どうしても東京や大阪のベイエリアと比べると見劣り感があることは否定できません。イタリア村のオープンでここはかなり影響を受けると思います。相乗効果で賑わえばいいのですが。ちなみにこのJETTYのキャラクターもシャチ。名前は「クーちゃん」。入口で「よろしクーちゃん」なんて言ってるあたりが、東京や大阪のベイエリアとの差をさらに広げています。

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▲ジェティーとシートレインランド。手前の税関敷地内は立ち入り禁止。
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▲長年ガーデン埠頭唯一の複合施設でしたが、イタリア村という強敵が...。
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▲ジェティーの入口にいる「よろしクーちゃん」。いかにも名古屋って感じ。

 そしてやはりベイエリアといったら遊園地。名古屋港水族館の北側には「シートレインランド」という遊園地があります。入場料は無料です。無料と聞いて何と太っ腹な、と思われるかもしれませんが、ひとつひとつのアトラクションで料金が徴収されますのでそんなに他の遊園地と変わりありません。倉庫街を見渡せる高さ85メートルの大観覧車、シューティングライドサラマンダー伝説、宝さがしアドベンチャー魔宮殿の冒険、魔界屋敷などが楽しめます。

 このシートレインランドのキャラクターも白いシャチ。かつての遊覧船は金鯱、フェリーの飾りも金鯱、水族館のキャラクターもシャチ、そして水族館にシャチの展示を要望、JETTYもシャチ、シートレインランドもシャチ。名古屋とシャチは切っても切り離せないのです。他の地方でアザラシなどが港や川に迷い込む中、名古屋港にシャチが迷いこんだのはやっぱりシャチ自身わかっていたのかも。ここは受け入れてくれる街だって。

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▲シートレインランドにはセガワールドも併設。
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▲そして、ふれあいわんこハウスも併設。のどかです。

 南極観測船を見て、海洋博物館を見て、水族館を見て、買い物して、遊園地で遊んで、ああ疲れちゃった、という方。そしてわざとお連れの方を疲れさせることに成功した方は、そのまま北へ歩きましょう。

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