おいでよ!名古屋みゃーみゃー通信 第1章 名古屋っ子気質

名古屋時間ってどんな時間?

記事公開日:2004年1月24日

おいでよ!名古屋みゃーみゃー通信 第9回

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 俗語に「名古屋時間」という言葉があるのをご存知でしょうか。私は結構昔から知っていましたが、ずっと名古屋ローカルな言葉だと思っていました。しかしどうやら違うようです。身近にいる東京や大阪の知人に聞いてみたところ、結構知っている人が多くて驚きました。知られていればいる程、名古屋っ子にとっては不名誉なのですが...。

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意外と有名な名古屋時間

 名古屋時間とはどんな時間なのでしょうか。もちろん名古屋に時差はありません。東京や大阪と同じく日本標準時です。では、一体どういうことを指すのでしょうか。ご存知の方も推測にお付き合いください。

名古屋は時代遅れ?

 大学時代、マーケティングの先生が余談でこういった話をして下さいました。かつて、東京のあるデパートが名古屋へ進出する際、名古屋のファッション・流行を綿密に調査したことがあったそうです。すると、なんと驚くべきことに全てが東京の1年遅れという状態だったのです。

 そこで、東京で売れ残っていた在庫を全部名古屋へ持ってきたら即完売。名古屋進出は大成功。しかも東京の在庫も一掃でき一挙両得だったとのこと。結論とし
て、「マーケティングは大切。」というお話でした。

 すると、流行遅れの服装をしている人を指して「あいつ名古屋時間だな」とでも言うのでしょうか。正解っぽいのですが違います。名古屋時間とは流行遅れのことではありません。しかもこの話は20年以上前の話です。今ではテレビや雑誌、インターネットといった情報網の発達で、東京と名古屋の流行のタイムラグはほとんど無くなりました。

 逆に、名古屋発の「名古屋嬢」という流行ファッションが生まれているくらいです。

名古屋に手間がかかる時間?

 変わって1992(H4)年3月14日。早朝と深夜、1日2往復でデビューしたのがJR東海の新幹線「のぞみ」でした。東京と新大阪を2時間半で結び、「大阪を早朝に出て、東京での朝一番の会議に間に合う」ことを売り文句にしました。

 このとき初めて、名古屋駅に停車しない新幹線が登場したのです。いわゆる「名古屋飛ばし」です。このときの名古屋の怒り様と言ったらありませんでした。中日新聞を先頭に名古屋のマスコミは一斉蜂起。政財界を中心に反対の声が大きく挙がりました。

 また新幹線だけでなく、外国人アーティストのコンサートや演劇公演なども「名古屋飛ばし」をすることがあります。しかし、日本三大都市圏という自負がある名古屋はその都度騒ぐ上に、それなりに需要もあるため、結局名古屋を無視できないということも多いそうです。このように名古屋を飛ばせず、名古屋に手間がかかってしまうことを名古屋時間と言うのでしょうか。

 これも違います。

名古屋駅
▲名古屋駅に停車中の新幹線。全部止まらせることに成功。

 余談ですが、その後新幹線はダイヤ改正を繰り返し、のぞみの名古屋飛ばしは無くなりました。当初は1日2往復だったのぞみも現在では2003(H15)年10月1日の品川駅開業に合わせて行われたダイヤ改正で大増発され、東海道新幹線で主流の地位になっています。新型車両の導入もあり、遅いこだまと調整するためにのぞみはスピードを抑えるといったことも無くなり、大阪を出発し、京都、名古屋、横浜に停車しても同じ2時間半で東京に到着します。 

 ところで名古屋に本社を置くJR東海は、中部電力や東邦ガス、トヨタ自動車、名古屋鉄道と言ったローカル企業に比べどこか地域密着感がありません。

 元々が国鉄という全国規模の組織であり政策でわけられた地域会社だからなのかもしれませんが、この名古屋飛ばしという行為が原因のひとつかもしれません。名古屋っ子は根に持ちますから、「名古屋の会社のくせに、名古屋を蔑ろにするなんて、許せない。」と。

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▲石原都知事は、リニアを太平洋側には通させないつもりとか。名古屋飛ばしどころの話じゃなくなりますね。

本当の名古屋時間

 さて閑話休題。正しい名古屋時間の使い方はこうです。

「あいつは名古屋時間だで、待ち合わせ時間、1時間早く言っておいた方がええわ。」

 名古屋時間とは、待ち合わせの時刻どおりに来ない、開演時間のとおりに始まらないといったことを指します。名古屋っ子は時刻にルーズだということです。どれくらいルーズかと言いますと、名古屋っ子がわざわざ「ちょっと遅れるわ」と連絡を入れてきた場合、1時間以上遅れると考えたほうがいい程です。

 大学時代のサークル活動でもしばしばこういった事例がありました。特に遊びの要素が強ければ強いほど名古屋っ子はルーズになっていくようです。なぜ、名古屋っ子は待ち合わせ時間通りに来ないのでしょうか。

いつでも車で移動するから…

 これは、名古屋の交通事情に密接に関係していると思われます。名古屋は車社会です。その理由としては、東京や大阪に比べ名古屋は鉄道網が発達しておらず、公共交通機関だけでは行動範囲が限られます。さらに、地元にトヨタ自動車という大手メーカーがあることと、加えて地価が安いために比較的庭付き車庫付マイホームを持っている人が多いということが挙げられます。

 実際統計を見ても、愛知県内の自家用乗用車数は約341万台で、2位の311万台である東京都を上回り堂々全国第1位です。(平成14年版日本自動車会議所資料より)これは人口比から見ても相当高い水準と言えます。

 そのため、休日の遊びの待ち合わせにはどうしても自動車を利用する割合が高くなります。たとえ駅前の繁華街で待ち合わせるにしても、自宅から最寄りの駅までは自動車を利用することが多いのです。

 それが待ち合わせ時刻に遅れることの何に影響しているのかと言いますと、東京や大阪の場合、待ち合わせ場所へ行く手段が徒歩と電車という場合がほとんどです。電車は事故でも無い限り遅れるということはほとんどありません。ところがです。

 車の場合は渋滞という要素があります。しかも、渋滞は読み違えると数十分から1時間という致命的な遅れになりかねません。しかし毎回毎回渋滞に嵌るわけでも無いのに毎回遅れる人がいます。それはなぜでしょうか。

 名古屋時間という感覚は、油断と甘えから生まれているのではないでしょうか。つまり、「渋滞してたことにすればいいや」という甘えです。たとえ家を出る時間が遅れたとしても、「ちゃんと早く出たんだけど、国道が混んじゃってさ」と言えば大抵疑われませんから。

東京に染まると遅れない!?

 先日、相方と東京へ遊びに行った際、現在は東京在住である高校時代の友人M君と、3人でもんじゃ焼きを食べに行く約束をしました。M君は名古屋っ子ですが、名古屋を離れ神奈川・東京で暮らして10年になります。もんじゃと言えば月島ということで、朝10時半に月島駅で待ち合わせをしました。するとM君から朝、こんなメールが入ってきました。

「ゴメン、寝過ごした。遅れます。」

 そこで私たちは、「月島の改札で待っています。」と返信メールを打ち、それならもう少しゆっくりすればいいや、と予定より少し遅れて出発しました。そして山手線の浜松町駅から地下鉄都営大江戸線の大門駅に乗り換えたのが10時28分。月島まで10分足らず。余裕かな、と思っていたところにM君から再びメールが入りました。

「今、大江戸線に乗りました。」

 私たちは焦りました。「遅れるって言っとったのに、全然遅れとらんがね!」彼は両国方面反対方向からやってきます。どちらの電車が早く着くのか...。「待ってます」とメールを打ったにもかかわらず、M君に先に到着されてはあわせる顔がありません。

 10時37分、月島に到着。改札へダッシュします。M君の姿は見当たりません。

「助かった...。」

 すると1分後反対側の電車が到着し、申し訳なさそうにM君は改札に現れました。

「ゴメン、ゴメン。寝坊して遅れちゃった。待った?」

 と聞かれ、上がる息を押し殺して私たちはこう答えました。

「全然、全然。意外と早かったね、10分も遅れて無いじゃん。」

 10年という月日は、M君から名古屋時間という感覚を奪い去ってしまったようです。たった8分の遅れでわざわざ朝メールを打ってくるなんて、名古屋っ子には信じられません...。油断しました。1分でギリギリでしたが、早く着いて本当に助かりました。

もんじゃ
▲月島もんじゃストリート。やっぱ東京と言えばもんじゃですね~。

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