おいでよ!名古屋みゃーみゃー通信 第3章 名古屋の企業

結局生かせない?名古屋のいいところ

記事公開日:2004年8月7日

おいでよ!名古屋みゃーみゃー通信 第35回

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 名古屋の企業をいろいろと見てきましたが、UFJ銀行はもはや名古屋の企業とはいえない状態になりつつありますし、中部電力や東邦ガスといったエネルギー供給企業はローカルの域を脱することができません。また、中日新聞やテレビ局といったマスコミや、ユニーといった流通は、東京へ進出している部分はあるものの、全国区企業とは言えません。

 対して、カゴメやポッカといった食品企業は紛れも無く全国区企業ですし、トヨタ、ブラザーなどのメーカーは全国区どころか、世界的な企業となりました。

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まだまだある世界的な名古屋企業

 食品関係で、まだ触れていない名古屋企業がいくつかありますのでご紹介したいと思います。会社名は今でも敷島製パンですが、「Pasco」ブランドで全国に販売されているのが、かつてのシキシマパンです。以前は東日本ではパスコ、西日本ではシキシマとブランドを分けていましたが、在庫管理のコスト削減といった理由からパスコに統一されました。

パスコになったシキシマパン

 敷島製パンの創業は1919(T8)年、それ以来ずっと「シキシマパン」の愛称で中部・関西地区を中心にパンを販売するローカル企業でした。1967(S42)年7月からは、CBCテレビで今も続くローカルのクイズ番組「天才クイズ」のスポンサーとなり、名古屋っ子にとっては、天才クイズのシキシマパンというイメージが強くあります。

 ちなみにこの天才クイズは、我が国で現存する最古のクイズ番組なのだそうです。確かにもう40年近くになりますからね。(※残念ながら2004年9月終了となりました。)

 この天才クイズがスタートした2年後の1969(S44)年、シキシマは関東に進出します。このとき初めて「パスコ」という名前を使用したのです。それ以来、関東でも順調に業績を拡大し、1980(S55)年にはパスコ・アメリカを設立します。このようにシキシマは全国から海外へと販売エリアを拡大していきます。

 同様に天才クイズも名古屋から長野へと放送エリアを拡大しましたが、パンと同じように全国ネットになることはなく、現在は再び名古屋のローカル放送となっています。そして2003(H15)年、2ブランド制を廃止し全てが「Pasco」に統一されます。名古屋っ子にとっては「サクラのマークでおなじみのシキシマパン」の名が消えてしまうことに寂しさを抱きました。

 それは誰よりもシキシマの人達が感じていたことでしょう。しかしコストに厳しく、感情よりも利益が第一。こうやって名古屋企業はさらに成長していくわけです。

シキシマ
▲本社には未だにサクラのマークが残る、パスコことシキシマ製パン。

コッペとロールのフジパン

 名古屋にはパスコと双璧をなす製パン企業があります。フジパンです。こちらはコッペとロールの天気予報のイメージが強くあります。もちろんフジパンも、名古屋だけでなく東北から九州に工場を設け、全国にパンを届けています。

 ただどちらかと言うと、風味上質シリーズで十勝のつぶあんにこだわったあんぱんや、小倉とマーガリンをサンドしたサンドロール、さらには名古屋のお土産の一つとして有名な、その名も「なごやん」を製造しているパスコのほうが、名古屋らしいラインナップとなっています。でも、やっぱりなごやんはシキシマのなごやんであって、パスコのなごやんというのはしっくりこないなぁ。

フジパン
▲瑞穂区にあるフジパンです。やっぱりコッペとロールというイメージ。

ハヤシもあるでよ~

 他にも食品企業では、一時期は全国的にCMで一世を風靡した、オリエンタルカレーがあります。そのCMでは「ハヤシもあるでよー」と惜しげもなく名古屋弁を全国に披露しました。当時はNET系列で放送された「5万円・7万円・10万円運命の別れ道!」という夢路いとし・喜味こいしさんのセリフが有名な「オリエンタル・がっちり買いまショウ」の冠スポンサーとなっていたので、知名度は抜群でした。

 この番組は、スタジオにある価格を伏せられた商品を選び、コースの値段に近づける買物ゲームなのですが、値段の微調整のために、オリエンタルカレーがスタジオにはたくさん置いてありました。ただ、この番組はスタートから6年後に提供がグリコへとかわり、スタジオのカレーもグリコとなってしまいます。

 オリエンタルは、その後全国どころか名古屋でもあまりCMを流さなくなり元気が無くなりますが、ここ最近は「どてめし」「カレーうどん」といった新商品に力を入れたり、昨今の昭和ブームで、再び全国的にオリエンタルカレーが販売されるようになるなど復活の兆しもあります。

商品名が通称名に

 そして、スジャータでおなじみの名古屋製酪です。名古屋製酪と言ってもピンとこない方が多いかもしれません。普段は「めいらく」と略称で名乗っています。この会社は、全国的にラジオの時報としてCMを流していることが多いので、時報のスジャータというイメージをお持ちの方も多いと思います。コーヒーに入れるフレッシュから、コーヒー、洋菓子などを製造していますが、フレッシュの知名度は抜群で、フレッシュのこと自体を「スジャータ」と呼ぶ人も多いのではないでしょうか。

ノリタケにメニコン

 名古屋を発祥とするものでまだまだ紹介したいものがたくさんありますので、駆け足で見ていきます。2004(H16)年に創立100周年を迎えたノリタケは、陶製の食器で有名です。オールドノリタケといえば骨董品としても高い価値があります。しかし意外にもノリタケは食器だけでなく、下水道用の管パイプから人工の歯まで、さまざまなセラミック製品を手がけています。2001(H13)年には、工場敷地内に陶器のテーマパークを作ってしまいました。

 またコンタクトレンズのメニコンは、なんと日本で初めて角膜コンタクトレンズの実用化に成功した企業です。そして、今では国内にとどまらずアメリカ・ヨーロッパなど世界中の玄関とリビングを結ぶインターホンを製造するアイホンも、名古屋の会社です。

 ここまでいろいろ見てきますと、いかに名古屋で作られた食品や工業製品が全国、いや全世界で愛用されているかがわかります。それはトヨタなどのメジャー企業だけでなく、今回調べてみて初めて、「あ、この会社名古屋なんだ」と私自身が思ったところもいくつかありました。

ノリタケの森
▲ノリタケの森。工場を削減して空いた敷地に作られています。

もっと生かそう世界に誇れる名古屋の産業

 近年、日本は不況の波に飲み込まれているなかで、とかく「名古屋は元気」と言われますが、それは物作りを中心とした地域だからではないでしょうか。それはトヨタだけではなく、より良い製品をと、工場で日夜研究を続ける名古屋の企業はたくさんあります。ざっと見ただけではありますが、どこも決して派手さはなく、地味な企業が多いのは確かです。しかし、バブルに踊ることなくコツコツとやってきたからこそ不況にも強いのです。まさにアリとキリギリスを地で行くのが名古屋なのです。

 最近ではトヨタの産業技術記念館、ノリタケのノリタケの森といった施設も増え「産業観光」という言葉も聞くようになりました。モノを作る産業こそ、名古屋が誇ることができる一番良いところなのです。汗水流していいモノを作る。そんな、日本、いや世界の工場である名古屋をアピールすることが、名古屋の観光・サービスといった不得意な分野への活性化に繋がれば良いのですが。

産業技術記念館
▲西区の産業技術記念館。産業観光の中心的役割を果たしています。

 2005(H17)年に愛知県で開かれる「愛・地球博」。もはや万博の時代ではないと言う声もありますが、それでも万博です。世界中から名古屋が注目されるのです。以前もお話しましたが、この万博の当初のテーマは「技術・文化・交流-新しい地球創造」という、名古屋の産業をアピールできるとても良い機会になるはずだったものから、「新しい地球創造・自然の叡智」に変更されてしまいました。

 もちろん自然も大切です。しかし、自然は名古屋ならではのものではありません。それに対し、技術・文化といった名古屋のモノ作り精神は名古屋だけのものです。トヨタの車、ブラザーのミシン、メニコンのコンタクトレンズ、三菱名古屋のロケットなどなど...、もっと名古屋の産業をアピールできる万博でも良かったのではないでしょうか。

 名古屋っ子というのは、自分たちの良いところを理解し、アピールし、観光に結びつけるというのが本当に苦手な人々です。できるのは自慢だけです。その通り、この「みゃーみゃー通信-名古屋企業編-」もただの名古屋企業自慢になってしまったことをお許しください。でもこれらの会社は、名古屋っ子にとって誇れる、自慢してもいい存在だと思います。

 今後、皆さんがふと何かを買ったときや食べた時、「そう言えば、これは名古屋の会社が作っていたんだっけ。」と思っていただければ、それ以上嬉しいことはありません。

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▲やっぱり海外シフトは加速してるなぁ。名古屋からモノ作りを取ったら...。

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