おいでよ!名古屋みゃーみゃー通信 第3章 名古屋の企業

メ~テレに感じる違和感

記事公開日:2004年5月29日

おいでよ!名古屋みゃーみゃー通信 第26回

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 前回に引き続き名古屋のテレビ局のお話です。

 名古屋にあるテレビ局のなかで、なぜメ~テレ(名古屋テレビ)だけに違う空気が流れているのでしょうか。と考えるのは、ずっと名古屋に住んでいる私の発想だからであって、他の地域から名古屋にやってきた人に言わせると、なぜ名古屋のテレビはこれほどまでに中日新聞一色なのかと逆のことを言います。

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メ~テレに流れる独特な空気の理由

 名古屋にある民放テレビ局5社のうち、CBC、東海テレビ、テレビ愛知の3局が中日新聞系列です。これは東京や大阪では考えられないことです。

 東京では日本テレビ=読売、TBS=毎日、フジテレビ=産経、テレビ朝日=朝日、テレビ東京=日経、東京MXテレビ=中日。

 大阪も毎日放送=毎日、朝日放送=朝日、関西テレビ=産経、読売テレビ=読売、テレビ大阪=日経と各テレビ局と各新聞社が密接に関係し系列化されています。特に大阪は新聞社の名がそのまま放送局名になっているところが3社もあります。しかし、この系列化は当初からあったわけではありません。

 戦後、日本にも民間放送を創設しようという動きが出始めたとき、各地で新聞社が放送局獲得に動き始めました。東京では朝日・毎日・読売が3社共同でラジオ東京(現・TBS)を、そして大阪では一本化することができず朝日放送と新日本放送(現・毎日放送)が別々に申請されます。

 これら調整には時間がかかったのですが、名古屋だけはすんなりと準備が進行し、日本の民間放送は名古屋からスタートしています。そのわけは、名古屋における中日新聞の力が当時から強大だったのです。当時、中日新聞は中部日本新聞という名でした。中部日本新聞は他の新聞社を寄せ付けることなく、そのままの社名である中部日本放送(CBC)を設立。

 一社単独のために準備もすんなりと進み、東京や大阪よりも先に免許申請することができ、競願社も無く開局も一番乗りとなったのです。

メ~テレ
▲メ~テレは狼なんだ。羊をかぶった狼。

CBCも東海も中日新聞系

 ここで私は疑問を持ちました。CBCが中日新聞系として開局したのは納得できるのですが、次に名古屋に開局した東海ラジオ・東海テレビまでもがどうして、完全なる中日新聞系になっているのかという点です。独占禁止法にも抵触しかねませんし、何より他の新聞社はなぜそこまで黙っていたのか。調べてみると別に黙っていたわけでは無いようです。

CBCの次に動いたのは三重県と岐阜県

 CBCがラジオ局として1951(S26)年9月1日に開局すると、朝日や毎日、そして当時は名古屋で販売されていなかった読売、今も名古屋では一般的に販売されていない産経などが放送局設立へと動きます。

 それとは別に愛知県のお隣り三重県と岐阜県にも放送局が開局します。伊勢新聞を主導に1953(S28)年12月10日開局したラジオ三重(RMC)と、1955(S30)年3月開局の岐阜放送(GHK・現在の岐阜放送とは無関係)です。中日新聞はこれら2局に接近します。岐阜放送は中日新聞、岐阜タイムス(現岐阜新聞)と複数の新聞社が相乗りの形だったので中日新聞と元々関係があったのですが、伊勢新聞主導だったラジオ三重についても「中日新聞ニュース」を受け入れさせるようになります。

 ラジオに続きテレビ放送が始まり、CBCが1956(S31)年12月に名古屋の民放として初めてのテレビ局として開局します。これによりCBCはラジオ・テレビ放送両方を持つことになり、中日新聞は名古屋における民放ラジオ・テレビ全てを支配します。他の新聞社も黙ってはいませんでした。名古屋のテレビ2局目は中日に渡せない、と共同で放送局設立へと動きますが、申請には至りませんでした。

名古屋の2局目のテレビは?

 そして名古屋に2局目のテレビ局の電波が割当てられます。通常、ここで中日新聞がテレビ局を申請したとしても独占禁止法の絡みでその開局はあり得ません。しかし実際にはそれが実現しています。どうしてそれが可能だったのでしょうか。

東海テレビ
▲東海テレビ・ラジオ。左が新社屋、右が旧社屋。

 1958(S33)年、岐阜放送はラジオ東海(RTC)に、ラジオ三重は近畿東海放送(KTB)とそれぞれ社名を変更していました。ラジオ東海と近畿東海放送は共同で新東海放送を設立し、さらに競願となった2社と共同で新東海テレビ放送を設立。新東海テレビ放送は名古屋のテレビ第2局の座を射止め、東海テレビ放送が開局しました。東海テレビはラジオ東海と近畿東海放送のテレビ局という位置付けになりました。

三重と岐阜のラジオ局が東海テレビと東海ラジオを作った

 さらに、ラジオ東海と近畿東海放送は共同で中部ラジオ放送(現・東海ラジオ放送)を申請し、1960(S35)年4月に東海ラジオ放送となり名古屋へと移転しています。この場合は単独で申請が認められ、朝日新聞や産経新聞といった競願社を排除していて、東海ラジオは近畿東海放送とラジオ東海の純粋な継承会社となりました。

 ということでこの時点で東海テレビは東海ラジオのテレビ局となり、東海ラジオはこの合併の際に中日新聞色の強いラジオ局となったのです。こうして、CBCラジオ・CBCテレビ・東海テレビ・東海ラジオと東海3県すべてのメディアを中日新聞は牛耳ることに成功したのです。

三重テレビ
▲ここも中日新聞系、三重テレビの本社。2階建て...。

ようやく実現した非中日の放送局は...

 さて朝日・読売・毎日、つまり中日以外の新聞社寄せ集めテレビ局の行方はどうなったのか。

 そこにトヨタ自動車が加わり1962(S37)年4月にようやく名古屋放送(現・名古屋テレビ・メ~テレ)が開局します。名古屋で初めての非中日放送局です。開局が遅かったことから、テレビ塔のアンテナの位置も一番低く映りが悪く、また反中日ということで中日ドラゴンズ主催試合の中継権も与えられませんでした。中日以外の新聞社が母体ということで中日からは疎ましく思われているようで、いろいろな噂話を聞きます。しかもこの一匹狼状態は今も続いています。

中京テレビは?

 なぜ続いているのか、それはこの後に開局したテレビ局も反中日ではないからです。名古屋テレビの次に開局したのは中京ユー・エッチ・エフテレビ(現・中京テレビ)でした。1969(S44)年4月のことです。中京テレビは新聞社主導ではなく、名古屋の財界が中心となって設立されました。当初は日本経済新聞が絡んでいましたが、中日と日経は販売提携を結んでおり敵対関係ではなかったことから、中日新聞と中京テレビはつかず離れずの関係となっています。

 中京テレビに対してもドラゴンズ主催試合の中継権が与えられることはありませんが、意外にも名古屋におけるドラゴンズ応援番組の元祖は中京テレビで、中京サイドも中日に対して特に敵対心を持っていないことが伺えます。現在、中京テレビは日本テレビ(読売)系となっていますが、今も巨人ではなく中日ドラゴンズ応援というスタンスを変えていません。

 ちなみに、同年12月に開局したラジオ局、愛知音楽エフエム放送(現・エフエム愛知)には新聞社色がありません。

三重テレビは?テレビ愛知は?

 さらに、三重県の放送局も中日は支配します。1969(S44)年12月開局の三重テレビは当初、中日新聞と伊勢新聞両社のニュースを放送していましたが、資本は完全に中日系でした。次第に伊勢新聞を追い出すことに成功。現在は完全に中日新聞系のテレビ局になっています。

 さらに1985(S60)年6月に東海地方第2のエフエム局として開局した三重エフエム放送も筆頭株主は(現在は実質)中日新聞です。ところが、岐阜県はそうは行きませんでした。岐阜新聞(当時は岐阜日日新聞)の力が強かったためです。1962(S37)年12月開局のラジオ岐阜(現・岐阜放送)は完全に岐阜日日新聞系の放送局として開局します。

 そして1983(S58)年9月に日本経済新聞社がテレビ愛知を開局させますが、こちらは日経・中日の事実上合弁という形になっています。その後1993(H5)年10月に開局のエフエム名古屋(ZIP-FM)にも、2000(H12)年4月開局の愛知国際放送(Radio-i)にも新聞社のなかでは中日新聞が最も多く出資しています。

結局一匹狼

 このように、名古屋で中日以外の新聞社資本となっている放送局というのは、メ~テレ(名古屋テレビ)だけなのです。それがメ~テレに感じる違和感です。それを違和感と思うようになったとき、それはあなたが中日新聞色に染まってしまったことを意味します。これほどまでに一つの新聞社が複数の放送局を支配している地域というのは存在しません。それほど中日新聞が名古屋を完全に支配しているということの現れでしょう。

 メ~テレのイメージキャラクターは狼ですが、これは実によくメ~テレの実態を表わしていると言えます。名古屋で中日に反旗を翻しているのは昔からメ~テレ一社なのです。実際にずっと一匹狼なのです。同じように反中日を明確にしている岐阜放送とメ~テレが提携しているのも納得です。東海3県で、非中日である放送局はこの2社しか無いのですから。

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▲メ~テレは、ホームページにある記者日記などでも中日対抗心を垣間見ることができます。

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